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1085枚目「偉業」

夢の巣のルールス

Lurrus of the Dream-Den / 夢の巣のルールス (1)(白/黒)(白/黒)
伝説のクリーチャー — 猫(Cat) ナイトメア(Nightmare)
相棒 ― あなたの開始時のデッキに入っている各パーマネント・カードが、それぞれ点数で見たマナ・コストが2以下であること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、あなたは1回のみゲームの外部からこれを唱えてもよい。)
絆魂
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地から点数で見たマナ・コストが2以下のパーマネント呪文を1つ唱えてもよい。

3/2

夢の巣のルールスとは伝説である。





イコリア:巨獣の棲み処のレア。
白黒の混色3マナ3/2絆魂という充分な戦闘能力に加え、自分のターンに1度だけ2マナ以下のパーマネントを墓地から再使用できる能力を持つ。
これだけでもデッキを構築される強さがあるのだが、同セットで登場した「相棒」。




相棒

条件を満たしたデッキならば1度だけゲーム外から呼び出すことができる能力である。
イコリアでは10種類もの2色の混色クリーチャーとして登場している。
ゲーム開始時から1度は唱える機会が常にあることから、実質的に手札が1枚多いことになる。
それでいて、デッキの軸になり得る強力な能力を併せ持っていたり、そもそもがいつでも用意できるクリーチャーという観点だけでも採用され、MTGを新たな段階へとバージョンアップさせたとして常に話題の中心となっている。

フレイバー面の話をする。
イコリアは人類の脅威となる怪物の次元である。圧倒的な戦闘能力を持つ捕食者と、怪物と対峙し生存権を確保し続けなければならない人間は相容れることはない。
だが、時として。人間と怪物の間に神秘的な繋がりが生じることがあり、友情や親愛を超えた魂の絆が結ばれる。
この絆を見出した人間は「眷者」と称される。しかし、人間社会はいかなる事情においても怪物との関係を禁じており、「眷者」となったものは絆を諦めるか、故郷から追放されるかの選択を迫られることになる。
(「眷者」になり人生が変わってしまった《銅纏いののけ者、ルーカ》の物語日本語ダイジェスト版が連載中なので読もう。)

要は「相棒」という能力は、「眷者」をカードとして表現したもので、その点に関してはよくできているのである。




《夢の巣のルールス》の生態

ルールスは猫とナイトメアの特徴を併せ持つ怪物で、ビビアンの調査報告が掲載されている。

インダサで調査中に可愛い仔猫見つけたわ!
もっと近くで見ようとしたら、煙の中から母猫登場!
逃げなくっちゃ! 私訳
 
つまり、ママである。
彼女と絆を見出した「眷者」もパパもしくはママになる。
仔を育てる母猫と絆を見出すのは父猫にとっては悪夢ではなかろうか。
しかし、猫の特徴も併せ持つことから夫婦関係を構築しているとは言い難い。
父猫は他所でも子を産ませている可能性が高く、あまり気にしなくてもよさそうだ。
さあ、ネコちゃん、おいで。ネコちゃん・・・ アアーッ!




スタンダード

「相棒」条件がパーマネントのみで呪文には影響がないことから数いる相棒の中で最も緩く、それでいて、2マナ以下のパーマネント再利用の汎用性が高いことから早くからその強さに注目が集まった。

イコリア前より存在していた、猫かまどコンボを筆頭とした生贄によるシナジーデッキ『ラクドスサクリファイス』に採用。
波乱の悪魔》を諦めることになるが、主力の大半が2マナ以下で収まっていたことから支障はほとんどない。
むしろ《戦慄衆の解体者》が幾度となく突っ込んでくることから相性は抜群である。

死の飢えのタイタン、クロクサ》を拾えるのは想定していたのか気になるところである。
イコリアで再登場した「サイクリング」により捨てたパーマネント回収が行え、勝ち筋となる《繁栄の狐》と突破力を持たせる《踏み穴のクレーター》ともに1マナなことからサイクリングデッキに採用されている。
 
スタンダードですら相性の良いカードに恵まれ大会上位常連である。




パイオニア

スタンダードより若干範囲が広がったことでサクリファイスデッキのパーツが増加。
縫い師への供給者》《サテュロスの道探し》により墓地を肥やし、同じく2マナ以下のクリーチャーを蘇生する《戦列への復帰》により一気に拾い上げ、《カルテルの貴種》が一気に食らい、《ズーラポートの殺し屋》が一気に殺してくる。
コンボパーツとなるクリーチャーがいずれも2マナ以下で問題なく採用されているが、ルールスあり気のデッキというよりも、相性がいい上に無理なく入れられるという感じはする。
赤の代名詞である『バーン』にも採用されている。
基よりパワーカードである《ボロスの魔除け》のため白をタッチする構成となっていたところに主力である1~2マナの攻撃的なクリーチャーを再利用できるようになった。

攻め手が緩むと死が見えるデッキにとって息切れ防止となるルールスの存在は大きいと言えるだろう。
まだ温い。




モダン

ここよりルールスの本気を見ることができる。
0マナ《ミシュラのガラクタ》、置けるショック《炎の印章》である。
これに加えて、レガシー禁止の2マナプレインズウォーカー、《悪鬼の血脈、ティボ・・・《レンと6番》が使用可能。

 

《ミシュラのガラクタ》によりタイムラグこそあるが安定した手札供給を実現。
《炎の印章》使い回しは小型クリーチャーの生存権を奪い、プレイヤーに打ち続けることで無駄なく勝ち筋にもなる。
生贄により基本土地を用意するフェッチランド、1マナタップ生贄で1ドローができるキャノピーランドがある環境で《レンと6番》[+1]はデッキの安定を保証し、除去を引き受ける避雷針として幾度となく立ちはだかる。
そして《タルモゴイフ》がすっごい育つ。
ルールスに軸を移したことで『ジャンド(黒赤緑)』デッキからそれまで採用されていたパワーカードヴェールのリリアナ》の存在を消し去り話題となった。

他にも『バーン』へのルールス投入は《炎の印章》使用可能なことからパイオニアよりも恩恵が大きいと言えるだろう。




レガシー

強力極まりないインスタント、ソーサリーが中心となるエターナル環境だが、デルバーは1マナ3/2飛行のコモンである。
《ミシュラのガラクタ》はもはやルールスの相棒と化し、セットで採用されていることが多い。​
飛行、接死、1ドローと雑にくっつけたことで高い防御性能を持つ《悪意の大梟》がルールスにより何度も返ってくるのは悪夢だろう。
稲妻》《渦巻く知識》といった歴代最高の1マナ呪文を使いまわす《戦慄衆の秘儀術師》や《瞬唱の魔導士》もルールスにより再利用可能。

レガシーはデルバー系統を筆頭に元々これら少数精鋭+呪文という構成が多く、もはや構築制限が意味をなしていない。
強いて言うなら《王冠泥棒オーコ》の存在である。彼を使用できる数少ない環境でありながら幸いなことにルールスと相棒になれない。




ヴィンテージ

《Black Lotus》というカードがある。
0マナにして生贄に捧げることで好きな色の3マナを生み出すMTG最強のカード。
《夢の巣のルールス》。3マナですね。《Black Lotus》、出し直します。
なにより、この動きはすべてきちんと唱えていることから「ストーム」が稼げるのである。
当然ながら《Black Lotus》は1枚制限だが、同じく制限カードとして調整版()である《ライオンの瞳のダイアモンド》や《睡蓮の花びら》があるためこれ1枚に全てを委ねているわけではない。
死の国からの脱出》も問題なく使用可能で、『ルールスストーム』が圧倒的な性能で登場。
ストーム対策となる《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》を採用したデッキこそ存在するが、そちらもルールス
そもそもが《Black Lotus》を筆頭としたパワー9を使うためのフォーマットなので何もかもがルールス

さらには、ルールスを潰すためのルールスパートナーとして《死の重み》が採用されだした。

 




2020年5月18日 禁止制限告知

ブロール
《ドラニスの判事》禁止
《軍団のまとめ役、ウィノータ》禁止
レガシー
《夢の巣のルールス》禁止
《黎明起こし、ザーダ》禁止
ヴィンテージ
《夢の巣のルールス》禁止

 
あらゆる環境でその強さを発揮しているが、レガシーとヴィンテージでは度を越していたようだ。
特筆すべきはヴィンテージ。このフォーマットはカードを賭けるアンティルールに関する効果を持つカード、ドラフトに特化したコンスピラシーでの特殊カードタイプ「策略」、カード自体を弾く《Chaos Orb》、高いところから落とす《Falling Star》、サブゲームを行う《Shahrazad》以外にどんなに強かろうが禁止はせず、1枚制限というのが特徴であった。
強弱よりももはやMTGというゲームそのものに支障をきたす面々である。
その中に純粋に勝率、支配率のみで《夢の巣のルールス》は到達したことになる。
ストーム、親和、プレインズウォーカー、オーコ。歴史をたどればもっとあるであろう、MTGを変えたカードたちよりも「相棒」がもたらした影響は計り知れないものがあった。

 

他の「相棒」も暴れまわっているが、度を越えていたエターナルにおけるルールスとザーダのみの禁止措置であとは様子見といった意味合いだろうか。
今回の告知では相棒そのものにも触れられているので引用しておく。
 我々は一部のプレイヤーが、複数のフォーマットに渡って相棒を使ったデッキに頻繁に遭遇することについて心配していることを認識しています。スタンダード、パイオニア、モダンでは相棒を使ったデッキが問題となる勝率を記録していませんが、我々は全体的なメタゲームでのシェアと同じ展開になるゲームプレイを観察しています。もし相棒デッキのメタゲーム内のシェアが大きいことによる長期的な健全性の問題の兆候が見られた場合、相棒メカニズムの機能の変更を含めた行動を起こす準備があります。現時点では、変更が必要かどうかを判断する前にメタゲームが進化するための時間を必要としています。
今後に注視したい。




我が相棒

最後に、アリーナで引き当てた相棒を使ってデッキを組む遊びをしていた中で生まれたルールスを貼っておく。

手札を枯渇させオーラ使い回しにより狩りつくす。嫌がらせに特化し過ぎている。
紙で使うと呪文より拳が飛んできそうなので注意しましょう。

スタンダードでは確かに強力だが禁止となるほどとは言い難い。
しかし、「相棒」自体に何らかの手が入るならば今と同じようなデッキを組むことは難しくされるだろう。
楽しめるうちに楽しんでおこう。





 

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フレイバーテキスト

  1. ビビアンの台詞の翻訳が言葉遣い可愛いの好き。

  2. 真面目な記事でも1マナ3/2飛行やガフ提督などの小ネタをきちんと仕込んでるのは流石ですね

  3. 俺がMTGの新しいルールっす

  4. こいつを相棒に採用するとこいつが本デッキに採用できなくなるのはなんなんだ
    2マナにされても制限を3マナまで拡張されてもふざけんなとしか言いようがないけど

今日の手札

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