Phyrexian Slayer / ファイレクシアの殺害者 (3)(黒)
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian)ミニオン(Minion)
飛行
ファイレクシアの殺害者が白のクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、そのクリーチャーを破壊する。それは再生できない。ベナリアは、サーボ・タヴォークの殺戮専門部隊の犠牲となった国の手始めにすぎなかった。2/2
ファイレクシアの殺害者とはファイレクシアンである。
『インベイジョン』コモン。4マナ2/2飛行にして、ブロックしてきた白のクリーチャーをそのまま破壊する疑似的な回避能力を持つ。
クリーチャーとしては現在どころか、当時の視点でもあまりにも弱い。同系統で緑のクリーチャーを破壊する《ファイレクシアの死神》も存在するが、こちらに至っては飛行すらない5マナ3/3。
これ以外語りようのなさそうな2枚である。しかし、「ファイレクシア」。
ファイレクシアの歴史はあまりに古く、《ファイレクアン・ドレッドノート》や《ファイレクシアの抹殺者》といった著名なカードからその存在を認知した人は多いかもしれない。
私にとって「ファイレクシア」にカード名以上の、物語性や背景に意味合いを匂わせたのは、非力なコモンであるが故に雑多にもらえたこの2枚によってのものである。
《ファイレクシアの殺害者》が持つ肉に切り裂くのに充分適しているであろう右腕の刃物と、左手に持つ明らかに人体の形状を著しく損壊させるローラー上の器具。首筋に残る生物としての痕跡。
《ファイレクシアの死神》が持つギターに見立てたような器具に、肩のギザギザも合わせてロックな出で立ち。
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黒いクリーチャーが持つグロテスクなかっこよさ。その体現がファイレクシア全般にあり、今なお人気を集めている大きな理由の一つになっているように思う。
「ファイレクシアン」
『カルドハイム』にて異質な侵略者として登場し話題をさらった《ヴォリンクレックス》。彼はついにクリーチャー・タイプへ「ファイレクシアン」を記すことに成功した。
デザイナーのマーク・ローズウォーター氏が以前『時間の遡ってMTGを作り直すなら』といった小話にて触れていた「ファイレクシア人」のクリーチャー・タイプ化。この実現に至ったのである。
![](https://mtg-jp.com/img_sys/series/reading_list_honyaku_makingmagic.jpg)
《ヴォリンクレックス》に続き、過去のカードへの「ファイレクシアン」化が行われ、約250枚のクリーチャーが「完成」した。
![](https://images.ctfassets.net/s5n2t79q9icq/239XPBtQi9aSc7vCB9UxiK/5dc759ce783062f9aca41a146174d183/en_articles_archive_news_oracle-changes-2021-06-18-meta-image.jpeg)
名だたる往年の「ファイレクシア」たちに、近年『統率者』などの特殊セットでカード化された過去の物語の登場人物たち。それに、《ワームとぐろエンジン》などファイレクシア製の機械生物たちの多くがクリーチャー・タイプ「ファイレクシアン」を獲得する。
その中で
ちゃんと《ファイレクシアの殺害者》と《ファイレクシアの死神》も、ファイレクシアンになっていた!というお話。皆も気になるファイレクシアンらしきものがいるなら確認してみよう。
ちなみに、各種データベースで《ファイレクシアの殺害者》を確認してみたところ、以下のような状況だった。
公式データベース Gatherer |
scryfall | wisdom guild |
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一部対応されているが、《ファイレクシアの殺害者》はまだ。 | 対応済み。 | 未対応。 |
現状では素直に公式告知から探すか、scryfallを使用するのがよさそうだ。
そもそもファイレクシアってなに人用
もっとちゃんと書かないといけない気がして、今回はさわりだけ。これだけ抑えておけばとりあえず問題ない。
略歴
1.次元:ドミナリアにて栄華を誇った「スラン帝国」。ここで「ファイシス症」という未知の病気が蔓延し、魔法による治癒が困難なことから異端の医師ヨーグモスが対処する。ヨーグモスはプレインズウォーカーから治療目的に人工次元へのポータルを提供される。そこへ患者たちを運び込むと、治療を名目に人体改造を開始。自らの勢力「ファイレクシア」を興す。
2.ヨーグモスを危険視したスラン帝国との戦争が勃発する。ヨーグモスは、アーティファクトを停止させる「月」を打ち上げ、スラン帝国は機能不全に。その後の戦いでスラン帝国は滅亡する。しかし、ポータルが封印され、ドミナリア-ファイレクシア間の移動が不可能となる。
3.ウルザとミシュラにより偶然封印が一部解かれる。後の「兄弟戦争」において、ミシュラに技術供与と彼自身の機械化という形で介入。これにより、ウルザは弟を悪逆の道へと貶めた敵として目し、長きにわたる対ファイレクシアの旅路と、長期計画が始まる。
4.ファイレクシアは人工次元であるが故の欠陥から、安定した世界を求め次元:ドミナリアへの侵略戦争を仕掛ける。だが、ウルザが長年にわたり準備した「レガシーの兵器」により殲滅。ヨーグモス死亡、ファイレクシアは滅亡する。
5.プレインズウォーカーカーンを通じて次元:ミラディンにて再興。「新ファイレクシア」として区別される。
「完成」
ファイレクシアの始祖であるヨーグモスは、肉体を人工的に改造することでより優れた存在へと作り変える優生思想の持ち主だった。
ファイレクシアンの体液である「油」は、その実、生物を機械化=ファイレクシア化する細菌兵器という特性を持ち、ファイレクシアの侵略を推し進めると同時に、滅んだとしてもどこか適合する環境があれば再興するように設計されていた。
新ファイレクシアにおいて、この「油」によるファイレクシア化を「完成」と祝す。今は亡き機械の始祖たるヨーグモスの思想をどこか引き継いだものなのかもしれない。
シンボル
ファイレクシアの紋章 | ファイレクシアの涙 |
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『ミラディンの傷跡』ブロックでの勢力を示す透かしや『新たなるファイレクシア』のメカニズム「ファイレクシアマナ」に描かれていることで目にする機会が多い。 ファイレクシア自体を「Φ」を称することも多い。 |
こちらはヨーグモスの紋章。目からファイレクシアの感染源「油」を流している人面。 『アポカリプス』のエキスパンションシンボルに用いられていることが有名。 |
両者ともカードイラストに記されていることがあるので探してみるといいだろう。
フレイバーテキスト
このオラクル変更が真の祝福されし完成なのでは?
今見たらgathererの《ファイレクシアの殺害者》もPhyrexian Minionになってました。
リンク先から察するに「印刷」タブの方を確認されてます?「オラクル」タブの方は対応済みかもしれません。
カード名で検索かけても古いカードだからか出てこなかったり、サブタイプで検索かけても引っかからず
そこでwisdomからgathererのリンク踏んだら出てきたけど印刷タブだった
そういう事案ですね・・・