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MTGのストーリーライン~多元宇宙の英雄譚~

 
 
MTGを彩る背景世界の物語。次元:ドミナリアが物語の中心だった時代は「AR」という暦が用いられたり、『アポカリプス』での「ウェザーライトサーガ」終結後から『オデッセイ』~『オンスロート』ブロック「オタリア動乱」のようにセットの発売順だったり、そもそも独立した物語だったりであまり混乱することはなかった。
だが現在では、プレインズウォーカーという次元を渡れる存在が物語の主題となったことで物語の規模は広がり、さらにはプレインズウォーカーたちの関係性が入り乱れ、10年単位で把握する必要のある長大な物語となってきている。
そこで一度、全体の流れを把握すべく、物語の流れを整理しようと考えた。
物語全体としては、『時のらせん』にて復活した巨悪ニコル・ボーラスの計画に対し『灯争大戦』での決着により区切りを迎え、『エルドレインの王権』以降の新たなプレインズウォーカーの顔見せから、『ゼンディカーの夜明け』でさらに先へ進もうとしている段階である。

注意点

・小説やゲームなど本筋に絡む作品は多く存在するが、スタンダードのセットに絞る。
・『』があればセット名、なければ次元の名前として用いている。
・物語の流れに沿ったもので、発売順ではない。
・時系列は不明瞭な部分が多く、あくまで各セットの出来事に沿った物語の流れである。
・実際にプレインズウォーカー・カードとして登場したのは『ローウィン』だが、物語には登場せず、完全に独立したものなので今回は省く。
・基本セットは登場人物の設定や過去を掘り下げる方向性で、物語の本筋には絡まない。
・解説入れたらそれぞれ独立して記事にできるほど長くなり過ぎて端折ったこと、そもそも長文が苦手なのでところどころ変になっているが、気づき次第直すので勘弁していただきたい。





まずはなぜ起点が『時のらせん』からなのかに触れていく。

起点:『時のらせん』ブロック

『時のらせん』 『次元の混乱』 『未来予知』
2006年10月 2007年2月 2007年5月

次元:ドミナリア。幾度もの戦争により世界そのものが限界を迎え、世界各地に過去や平行世界、未来から様々なものが漂着する「時の裂け目」が生じる。プレインズウォーカーたちが一堂に会し、様々な思惑と共に相まみえ、故郷を救うべく命捨てて灯を捧げたり、敵対者に捧げさせたりしてこれを修復した。

この「ドミナリアの大修復」によりプレインズウォーカーの灯が変質、在り方が変わる。「不老不死、全知全能の超越的な存在」から「次元渡り能力を持つ超強い魔法使い」へと弱体化、ドミナリアに限らず多元宇宙全域にこの影響は及んだ。


それまで「プレイヤーはプレインズウォーカーである」というゲーム設定と「強力すぎる存在」としてカード化されなかったプレインズウォーカーたちが、灯の変質と共に物語の主役となれるよう土台を作ったセットである。

これ以降、新旧含めて数多くのプレインズウォーカーたちが登場し、物語は以下に分岐する。

・かつての全知全能を取り戻すべくニコル・ボーラスが暗躍した『アラーラ』

・チャンドラが秘儀の巻物を盗み出すことから始まる『ゼンディカー』

・魔力と若さを取り戻すべく、四大悪魔と契約したリリアナの動向『イニストラード』





 

『アラーラ』ブロック

『アラーラの断片』 『コンフラックス』 『アラーラ再誕』
2008年10月 2009年2月 2009年4月

5つの断片に分かれている次元:アラーラ
ニコル・ボーラスは大修復により失われた力を取り戻すべく、計画を練る。
それは、断片を1つにまとめ、その際に発生するマナを取り込むことだった。

プレインズウォーカーの動向

アジャニ →『テーロス』
サルカン →『ゼンディカー』
エルズペス →『ミラディンの傷跡』
テゼレット →『ミラディンの傷跡』
ニコル・ボーラス →『アモンケット』

・アジャニ
アラーラの断片の1つ、ナヤのレオニン。ボーラスの暗躍に巻き込まれ、王である兄が命を落とし覚醒する。
アラーラが1つとなった際にボーラスと対峙して退ける。その後は各次元を放浪、同族のレオニンたちを筆頭に様々な人々と親交を結ぶ。

・サルカン
次元:タルキール出身のプレインズウォーカー。ドラゴンを崇拝する。ドラゴンが食物連鎖の頂点に君臨するアラーラの断片の1つ、ジャンドを気に入り、定住していた。ドラゴンにしてプレインズウォーカーであるニコルボーラスに自らの理想を見出して忠誠を誓い、手下となる。ボーラスの命令によりゼンディカーの遺跡「ウギンの目」防衛へ。

・エルズペス
出身次元:不明のプレインズウォーカー。故郷をファイレクシアに滅ぼされたことで放浪、騎士としてアラーラの断片の1つ、バントへと身を寄せる。アラーラ衝合後はかつて過ごしたバントではなくなってしまったことでアラーラを去る。

・テゼレット
アラーラの断片の1つ、エスパー出身。覚醒後、グリクシスへと辿り着きボーラスと遭遇、手下となる。ボーラスの組織「無限連合」ラヴニカ支部を指揮、実権を掌握していたが、部下であるジェイスに反旗を翻され、決闘の末に敗北。ボーラスの下で回復し、次元:ミラディンへと新ファイレクシア偵察任務に就く。

・ニコル・ボーラス
次元:ドミナリアで生まれた古のプレインズウォーカー。かつて滅ぼされたが、『時のらせん』時に復活。断片の1つ、グリクシスを支配していた。アジャニの「ニコル・ボーラスの分身を造り上げ、自分同士で争わせる」という奇策により計画失敗。手下を各地に送り込み偵察させつつ、次の計画へ移る。

『ゼンディカー』ブロック

『ゼンディカー』 『ワールドウェイク』 『エルドラージ覚醒』
2009年10月 2010年2月 2010年4月

荒ぶる気候、変動する大地。美と危険に満ちた未開の次元:ゼンディカー。チャンドラが秘儀の記された巻物を盗み出すことから始まり、追っ手として雇われその巻物を解読したジェイス、ボーラスの命により守護に当たっていたサルカンが遺跡「ウギンの目」で介する。

3人のプレインズウォーカーが「ウギンの目」へと揃い、「透明な炎」を使用するという条件を満たしたことで、封じられていた多元宇宙を喰らう怪物、エルドラージの封印が一部解けてしまう。

それを察知してゼンディカーを訪れた、かつて封印に携わったプレインズウォーカーの一人であるソリン。だが、その道案内として同行したニッサは、エルドラージはゼンディカーから去るのではと考え、封印を完全に破壊、エルドラージの巨人・エムラクール、コジレック、ウラモグとその血族たちを解き放ってしまうのだった・・・。

プレインズウォーカーの動向

チャンドラ →『戦乱のゼンディカー』
ジェイス →『ラヴニカへの回帰』
サルカン →『タルキール覇王譚』
ニッサ →『戦乱のゼンディカー』
ソリン →後述
ギデオン →『ラヴニカへの回帰』

・チャンドラ、ジェイス、ギデオンはそれぞれの出会いやゼンディカーに至るまで、その後が小説やゲーム作品で語られている。

・チャンドラ
自身に巻物の存在を教えたラマーズへと報復に向かい、それを成し遂げると拠点があるレガーサへと帰還する。

・ジェイス
ゼンディカーに何が起こっているのかを把握するために情報収集し、さらに精査するためにラヴニカへと帰還する。

・サルカン
ボーラスの命令で「ウギンの目」を防衛していたが、この頃より亡霊の声に苛まれるようになり正気を失っている。チャンドラとジェイスに敗北。任務失敗をボーラスへと報告するが、それも計画の内で捨て駒扱いだったことを知り絶望する。その後、失意の中、声に導かれ故郷であるタルキールへと赴く。

・ニッサ
次元:ゼンディカーのエルフで、プレインズウォーカー。封印の一部が解けたことで出現したエルドラージの血族に一族が襲われ、死を覚悟したところにソリンが現れ一掃。ソリンに道案内を依頼され同行し、最終的にはエルドラージを愛するゼンディカーに留めておきたくなかったために完全に開放してしまう。
しかし、エルドラージはゼンディカーに留まり貪り始めてしまい、自身の自惚れを捨て去り、ゼンディカーのために戦うことを決意する。

・ソリン
次元:イニストラードの吸血鬼で、プレインズウォーカー。かつてウギン、ナヒリと共にエルドラージをゼンディカーへと封印。それが一部解けたことを察知し、ゼンディカーへと訪れる。
チャンドラに利用され、ジェイスに記憶を読まれた吸血鬼アノワンと、その場で遭遇し道を知っていたニッサの案内で「ウギンの目」へ。
エルドラージを完全開放しようとするニッサに忠告するも説得には至らず、ソリンは呆れてゼンディカーを去る。

・ギデオン
次元:テーロス出身のプレインズウォーカー。次元:レガーサでチャンドラの所属するケラル僧院と対立するヘリウド騎士団に属し、当初は敵対関係だったが親交を深めた。チャンドラがゼンディカーへ向かった際に、共に行かなかったことを後悔し、その後を追う。
だが、ゼンディカーにて封印が解けたエルドラージによる被害を目の当たりにし、ゼンディカーの人々と共に戦う。圧倒的物量を前に一人では対処不可能と判断、大規模な組織があると耳にした次元:ラヴニカへと向かう。


 

『イニストラード』ブロック

『イニストラード』 『闇の隆盛』 『アヴァシンの帰還』
2011年9月 2012年2月 2012年5月

リリアナ・ヴェスはプレインズウォーカーの灯変質の影響で大きく弱体化、魔力を失い若さも保てなくなっていた。そこへ、ニコル・ボーラスから力を取り戻すべく四柱の大悪魔との契約を提案され、実行する。

悪魔の一柱、コソフェッドから契約の代価として遺物「鎖のヴェール」を要求され、次元:シャンダラーへ。捜索中に獣を殺害したことで、獣の召喚主であるガラクと戦闘となる。その最中に「鎖のヴェール」を発見、力を行使し、ガラクを退ける。

その後、コソフェッドへ「鎖のヴェール」を渡すことなくそのまま殺害。以降、四大悪魔の契約を破棄して自由の身となるために行動するようになる。まず赴いたのがーーー

月下の狩猟者・狼男。血に溺れる快楽者・吸血鬼。自我無き不死・ゾンビ。そして、闇の顕現・デーモン。人間の脅威に満ちた次元:イニストラード。

プレインズウォーカーの動向

リリアナ →『イニストラードを覆う影』
ガラク →ゲーム作品を経て『エルドレインの王権』
ソリン →『タルキール覇王譚』or『エルドラージ覚醒』
タミヨウ →『イニストラードを覆う影』

・リリアナ
次元:ドミナリア出身のプレインズウォーカー。イニストラードへ訪れたのは、契約悪魔の一柱・グリセルブランドを倒すためだった。「獄庫」へ封じられていること突き止め、守護騎士サリアを強迫して破壊させる。復活し力を蓄えるべく本拠地へ戻ろうとするグリセルブランドに契約破棄を要求し、そのまま戦闘。「鎖のヴェール」を用いて瞬殺する。

・ガラク
出身次元:不明のプレインズウォーカー。次元を超えて獲物を追う狩人である。リリアナに「鎖のヴェール」を使用されたことで呪われてしまい、これを対処すべく彼女を追い立てる狩人となる。
ジェイスに偽情報を掴まされた後もリリアナの追跡を続け、イニストラードへと辿り着き対峙するが、呪いが進行し過ぎたことでまともに戦えずに敗北。
だが、グリセルブランドと共に「獄庫」へ封じられていたアヴァシンが復活したことで、怪物を鎮める「呪い黙らせ」が発動、その影響で呪いが緩和されたことで一命はとりとめる。
その後も呪いは進行し続け、ついには正気を失い最凶の怪物「プレインズウォーカー狩り」へとなり果てる。

・ソリン
イニストラード出身のプレインズウォーカーにして、次元の守護者。自身の留守番役として大天使アヴァシンを創造し任せていたが、そのアヴァシンが行方不明となっていた。「獄庫」が破壊され、グリセルブランドと共に封じられていたアヴァシンが復活し、事なきを得る。

・ソリンは、平穏なイニストラードで過ごし退屈を持て余していたところに、エルドラージ復活を察知し行動する。『ゼンディカー』ブロックと同時期の出来事だと思われる。

・だが、ソリンの動向は難しい部分が多く、より詳しい人に任せたい。

・ソリンはまずタルキールに赴いたとも語られ、ウギンの亡骸に対面、復活の確認をしている。その時のウギンとの会話で必要不可欠であるナヒリを連れてくるように言われ、ソリン自身が「獄庫」に封じたのでイニストラードへと向かう。だが破壊された以上、当然ナヒリも解放されているわけで、その「獄庫」を作ったのはソリン自身。把握していないわけがなく、ナヒリのことを放置していた時期があることになってしまう。 ・「イニストラード→ゼンディカー→タルキール→イニストラード」ルート
ゼンディカーへ行ったのが『イニストラード』より前なら、封印について最重要人物であるナヒリを開放せず、偵察にでも行ったことになる。ウギンに関しては「現地集合に来なかったので確かめに行った」とすれば整合性はある。
・「イニストラード→タルキール→ゼンディカー→イニストラード」ルート
サルカンの行動に連動しているので『タルキール』ブロックは『ゼンディカー』より後でなければならず、ウギンの亡骸とその復活をソリンは見ている。つまり、「獄庫」を破壊されナヒリが脱出していながらそれを放置し、ウギンに合わせる顔もないので一人で行ったことになる。

・タミヨウ
次元:神河の空民という種族のプレインズウォーカー。研究者としてイニストラードを調査するのみで、傍観者に徹する。が・・・。

次の流れ

 

次のページ、あるよ。





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  1. 膨大な量の記事お疲れ様です!
    関連サイトもまとまっていて助かります!

    永遠衆をコーティングしている鉱石についてですが、ラゾテプ鉱ではないでしょうか?

    • なんて誤字ったかと思えば「ラムネプ鉱」なる甘酸っぱい夏祭りを醸し出す物体になってました
      ありがとうございます

  2. 呪い捕らえ→呪い黙らせ
    ですね、似たような名前のクリーチャー多くてややこしいやつ

    • 生贄に捧げて打ち消しました
      ありがとうございます

  3. 大作なまとめをありがとうございます。

    イクサランのところ、
    「ボーラスがラヴニカを計画の舞台にすることに気付き、ヴラスカと屈託。」
    屈託→結託ですかね?

    • その通りですね 探せばまだまだありそうです・・・
      ありがとうございます

  4. アベンジャーズエンドゲームまでの流れの相関図みたいなヤツ好き。

    • やってることは大分似てるんですよね
      やはりアメコミの影響は大きい

  5. 現実世界での発売順と時系列が一致してないのほんまややこしい

    • タルキールでのサルカン、エルドレインでのガラクは「誰それ」ってなっても不思議じゃないくらい開きがありますね
      今ではファイレクシアもわからない人が多いと思います

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