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MTGのストーリーライン~多元宇宙の英雄譚~

灯争大戦概要

全知全能を取り戻すべく暗躍したニコル・ボーラスの集大成。その実態は「プレインズウォーカーの灯を大量に取り込む」ことだった。

多くのセットに渡って結実した計画の内訳は以下の通り。

プレインズウォーカーを集めるための「次元間の標」と、その舞台となる「ラヴニカ」

イゼット団が造り上げた「次元間の標」。多元宇宙に発信しプレインズウォーカーをラヴニカへと誘導する装置である。ボーラスのラヴニカ出現に際し、より多くの戦力となるプレインズウォーカーを集めるために起動。結果的にボーラスの目論見通りとなった。

アモンケットで製造した「永遠衆」

アモンケットの歴史を捻じ曲げ、屈強な生物を不死の軍勢「戦慄衆」として作り変え従える。彼らによって「古呪」という呪文が発動し、プレインズウォーカーは灯を抜き取られる。「永遠衆」はラゾテプ鉱という鉱石によりコーティングされ、次元間移動を耐えられるようになっている。

そして、戦慄衆を率いるのはリリアナ・ヴェス。彼女の強力な屍術もボーラスにとっては必要不可欠だった。

・次元間移動装置「次元橋」

カラデシュの発明家・ラシュミの開発品を奪い取ったもの。プレインズウォーカーでなくとも次元間移動を可能とする、多元宇宙から失われた技術の再発明ともいうべき代物。これを用いてアモンケットからラヴニカへと永遠衆を送り込む。

・イクサランの秘宝「不滅の太陽

かつてウギンが対ボーラスのためにアゾールと共に製造したアーティファクト。プレインズウォーカーの次元渡りを不能とする。

これらにより、「次元間の標」に引き寄せられたプレインズウォーカーたちが、「不滅の太陽」により逃げられることなく、「次元橋」により送り込まれる「永遠衆」に刈り取られ、ボーラスの手中に収まるという寸法である。


 

『灯争大戦』

『灯争大戦』
2019年4月

カード化された36人どころかそれ以上のプレインズウォーカーが登場する、ラヴニカにおける一大決戦。

本筋は以下の通り。

「絶体絶命作戦」というニヴ=ミゼット再誕計画が行われ、ラヴニカ全10ギルドの協力によりこれを成すが、再誕直後はまだ自由が利かなかったようですぐに力尽きてしまう。

ギデオンは「黒き剣」を携え、ボーラスへと直接戦闘を仕掛けるが、失敗。「黒き剣」も破壊されてしまう。

リリアナはついにボーラスへと反旗を翻すが、契約により消滅する・・・かと思われたが、ギデオンがそれを肩代わりし、命を落とす。その後、「永遠神」と成り果てたオケチラ、バントゥと操りボーラスに隙を作る。

そこへ、ニヴ=ミゼットがアモンケットより届けられたボーラス由来神器「ハゾレトの槍」をボーラスへと突き刺し、バントゥが食らいつくことで「古呪」が発動する。

ボーラスからは灯と記憶を失われた。死亡させると復活を目論むことから、このままの状態で幽閉し、定命の死を与える措置が取られることとなった。これを知るのは監視を勤めるウギン。手下が復活させるべく行動しかねないことからボーラスの死を演出するように依頼されたジェイスだけである。

ニヴ=ミゼットは改めてギルドパクトを宣言。ボーラス側につき逃走した3人のプレインズウォーカー。テゼレット、ドビン、リリアナの追跡を命じるのだった。

ギデオン、ドムリ、ダク・フェイデンが死亡。


後日談は小説「War of the Spark: Forsaken」で語られたが、内容は物議を醸し、その一部についてはウィザーズは謝罪する事態にまでなっている。正直、今後どこまで反映されるのか不明で触れにくい。

ただし『ゼンディカーの夜明け』にて、ニッサがチャンドラと微妙な関係になっているのはこの小説由来の物だと思われる。(謝罪文でその内容は窺えるだろう。)


 

次の流れ「灯争大戦後」

「ボーラス編」ともいうべき物語に区切りがついたことからか、新たな世界や新たなプレインズウォーカーの物語が続いた。

・呪われたガラクがついに語られた『エルドレインの王権』

・エルズペスの『テーロス環魂記』

・ビビアンの冒険『イコリア:巨獣の棲処』

これらの登場するオーコ、アショク、ケイリクス、ルーカは今後の展開に注視する必要がある。





 

『エルドレインの王権』

『エルドレインの王権』
2019年10月

5つの宮廷から成る王国次元:エルドレイン。だが、それを統べる崇王・ケンリスが行方不明となっていた。王家の跡継ぎであるウィル・ケンリス、ローアン・ケンリスの双子は、王を探し求め妖精と魔法に満ちた「僻境」へと旅に出る。

プレインズウォーカーの動向

ウィル、ローアン
ガラク
オーコ

・ウィル、ローアン
冒険の末、自身らの出生の秘密を黙っていたことを知り覚醒。(魔女が若き頃のケンリスを惑し、若返り薬の材料にすべく産んだ子)
エルドレインが二人の覚醒に至るまでの物語なので、特殊セット『バトルボンド』での登場はこれより後の事になる。

・ガラク
プレインズウォーカー狩りの中でオーコを仕留め損ね、精神魔法により下僕となってしいた。遺物「永遠の大釜」により呪いが解け、恩人である双子を見守る保護者となるために後を追う。

・オーコ
フェイという種族のプレインズウォーカー。いたずら好きな性格だが、厳格な支配社会を築いていた故郷に相容れず、魔法を抑制される際に覚醒。ケンリスを大鹿にし混乱を招いた『エルドレインの王権』の黒幕。スタンダード、パイオニア、モダン、ブロールで禁止となる。

※策略を暴かれ去ったオーコ、覚醒してそのまま次元を渡ったウィルとローアン、その後を追いかけるガラク共に現時点では再登場しておらず行先も不明。

・ボーラスは多大なプレインズウォーカーの灯を手中に収めるために、邪魔をされないようプレインズウォーカー狩りであるガラクの動向を注視していたと明かされている。(参考
だが、オーコがガラクを隷属していたこととの関係は言及されておらず、ボーラスの計画の内なのかは不明。よって、『エルドレインの王権』時期は不明瞭、いつの時期でも筋が通る。


 

 

『テーロス環魂記』

『テーロス環魂記』
2020年1月

エルズペスの死の国からの帰還が主軸だが、小説も公式サイトの連載もなく、ダイジェストのみで詳細が語られていない。

プレインズウォーカーの動向

エルズペス
アショク
ケイリクス

・エルズペス
死の国にて、アショクに見せられた悪夢から影槍を具現化。同時期にヘリオッドが自身へと信仰を集中させるべく他の神々の痕跡を消し去るよう行動しだすと、定命の世界と死の国との境界が薄れた。
ヘリオッドを打倒し、エレボスの感謝と共に死の国を脱出。

・アショク
夢が力を持つテーロスを気に入り、悪夢を振りまいていた。それは死の国まで及び、エルズペスの悪夢を覗き見た際にファイレクシアの存在を知り感動。さらなる恐怖を創造すべく、ファイレクシアを学ぶために次元を渡る。

・ケイリクス
死の国から逃れたエルズペスを戻すべく、運命の神クローティスによって創造された特別性の工作員。幾度もエルズペスと対峙するが敗北、彼女が目的を果たしついにはテーロスを去ってしまうことで存在意義を失う。だが苦悶の中でまさかのプレインズウォーカー覚醒。エルズペスを追って次元を渡る。何もかもが謎。

・アショクが『灯争大戦』時のラヴニカにいたが、全く触れられておらず時期は不明。

 

『イコリア:巨獣の棲処』

『イコリア:巨獣の棲処』
2020年4月

3つの環境が入り乱れる環境「トライオーム」に、独自の生態系を創る怪物たち。そして、それに脅かされつつ生きる人間社会の次元:イコリア

聖域「ドラニス」の防衛軍「銅纏い」の一員・ルーカは、凶暴化した怪物との戦闘の際に怪物と繋がりを持つ「眷者」となったことで人間社会で生きることができなくなり、人生が大きく変わってしまった。

独特の生態系を調査していたプレインズウォーカー・ビビアンと出会い、怪物の凶暴化に「オゾリス」という大きな結晶が関係しているのではないかと考え、イコリアに関する情報の交換をすることを条件に同行する。

ルーカは「オゾリス」から何者かと対話し、「故郷を守るため」という意志ではあるが「力」を求め、怪物を操る力を授かってしまう。これにより怪物の軍団を用いてドラニスを守ると宣言、ビビアンと敵対する。

怪物たちを率いてドラニスへと向かう。だが、人間と怪物は決して相容れることのない世界でルーカの行動は理解されず、説得に来たドラニスの将軍クードロを殺害、その娘でルーカの婚約者ジリーナにも拒絶されてしまう。

ルーカはドラニスへと到達、怪物で襲い掛かるが防衛軍とビビアン、「眷者」たちに敗北。「眷者」たちの相棒を奪うべくさらに力を引き出そうするが「オゾリス」は耐えきれずに崩壊、力が暴走しルーカはいずこかへ去る。

プレインズウォーカーの動向

ビビアン
ルーカ
ナーセット

・ビビアン
次元:スカラ出身。故郷をボーラスに滅ぼされたことでその復讐のため各次元を放浪し鍛えていた。
『灯争大戦』にも参戦、復讐を果たした後は、プレインズウォーカーという存在の意義を求めて各地を旅している。

・ルーカ
「オゾリス」崩壊時にプレインズウォーカーに覚醒。怪物を操る力はまだ残っている。

・ナーセット
イコリアにはいたが詳細不明。ビビアンと交流はあるようだ。

・『エルドレインの王権』『テーロス環魂記』と異なり、ビビアンのおかげで『灯争大戦』後だとわかる。

最新セット『ゼンディカーの夜明け』

現在の最新セット『ゼンディカーの夜明け』である。『灯争大戦』時に知り合ったのか、ナヒリとニッサがゼンディカーを救うべく共に降り立つところから始まった。




『ゼンディカーの夜明け』

『ゼンディカーの夜明け』
2020年9月

現在連載中

プレインズウォーカーの動向

ナヒリは犠牲の上に古き時代のゼンディカーの栄光を求めて何かを起こそうとしており、ニッサは今あるゼンディカーを愛していることから見解の相違により決裂。ニッサはジェイスへと相談し、助力を求めた。

 

参考文献及びヴォーソスとなるための目録

公式サイトのウェブ連載。概要や外伝的な短編から、『タルキール覇王譚』~『ドミナリア』は物語本編が連載されていた。ぶっちゃけこれ全部読めばいい。

公式サイトで物語を短編漫画にしたもの。これだけでも大部分はわかるようになっている。

ストーリー翻訳を勤める若月繭子氏の連載コラム。膨大な知識量で、ヴォーソスは全員読んでいるレベルの知名度を誇る。

あらーら氏のブログ。発行物を直接確認し解説するリサーチ力。なにより、MTGwiki書いてた側のお人で、「すごく濃い項目だな」と思ったらあらーら氏執筆だったことがある。

集合知の場所。カード解説だけでなく、物語解説も充実している。内容もさることながら、引用元となる公式記事が明記されていることから、ソースを確認する上で重要な役割を持つ。

海外のMTGwiki。当然英語。より広い集合知の場所。特に、プレインズウォーカー個人に関する内容は小説も含め網羅的に解説されている。

 

まとめ

 

よりよい構成が思いついたら書き直す部分はあると思う。

事実誤認があった場合はコメント等で指摘していただければ幸いである。

実に長く、そして、これからも続く英雄譚。

あなたの探究の礎となれれば幸いである。





 

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フレイバーテキスト

  1. 膨大な量の記事お疲れ様です!
    関連サイトもまとまっていて助かります!

    永遠衆をコーティングしている鉱石についてですが、ラゾテプ鉱ではないでしょうか?

    • なんて誤字ったかと思えば「ラムネプ鉱」なる甘酸っぱい夏祭りを醸し出す物体になってました
      ありがとうございます

  2. 呪い捕らえ→呪い黙らせ
    ですね、似たような名前のクリーチャー多くてややこしいやつ

    • 生贄に捧げて打ち消しました
      ありがとうございます

  3. 大作なまとめをありがとうございます。

    イクサランのところ、
    「ボーラスがラヴニカを計画の舞台にすることに気付き、ヴラスカと屈託。」
    屈託→結託ですかね?

    • その通りですね 探せばまだまだありそうです・・・
      ありがとうございます

  4. アベンジャーズエンドゲームまでの流れの相関図みたいなヤツ好き。

    • やってることは大分似てるんですよね
      やはりアメコミの影響は大きい

  5. 現実世界での発売順と時系列が一致してないのほんまややこしい

    • タルキールでのサルカン、エルドレインでのガラクは「誰それ」ってなっても不思議じゃないくらい開きがありますね
      今ではファイレクシアもわからない人が多いと思います

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