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1281枚目「イニストラード:真紅の契りの神話、レアを雑に語っていく」

結婚式への招待状

Wedding Invitation / 結婚式への招待状 (2)
アーティファクト

結婚式への招待状が戦場に出たとき、カード1枚を引く。
(T),結婚式への招待状を生贄に捧げる。:クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。それが吸血鬼であるなら、ターン終了時まで、それは絆魂を得る。

ご自身の責任で閲覧を。





 

前置き

カードの強弱。それはカードを手にデッキを組んだ後に知ること。
込められたフレイバーを味わうのは、封を解くその時に。

だが、発売前にあれこれ語るのもMTGを楽しむ醍醐味。すべてのカードについて書ききるのはあまりにも無茶、ガイドブックを書くレベルの作業になってしまうので、レア神話レアについて絞ることとする。

トッププロの方々を始め、全カードレビュー配信が盛り上がっている世情にかような記事の存在意義があるか怪しくなりつつあるが、結局書くこととした。あなたから1時間ほど頂戴します。

更新履歴:
初稿:2021年11月11日

注意点

基本的にカード単体で見る個別評価。
・公式サイトの「Card Image Gallery」(特殊仕様はこちら)にて全カード公開済み
・吸血鬼には専用のショーケース、伝説のクリーチャーにはホラーテイストのモノクロ版。さらに「吸血鬼ドラキュラ」コラボによる同作登場人物描いた別イラストカードが存在。これらがないカードには拡張アート版がある。
・統率者セット新規カードは省く。
・画像はタップで拡大可能。
・世界観に関する記述は公式記事からの引用。

「Daily MTG」――MTGの最新ニュースや発表、ポッドキャストをお届け | マジック: ザ・ギャザリング

メカニズム

・訓練

訓練を持つクリーチャーと、それよりも大きなパワーを待つクリーチャーを共に攻撃するたびに+1/+1カウンターを獲得する。1度の攻撃で誘発するのは1度のみで、+1/+1カウンターを置いてもなお大きなパワーを持つクリーチャーが居てもさらに置かれることはない。休息も訓練の内だ。

・切除

代替コストを支払いプレイすることでテキスト中の[]を切り離した効果に変更される。《掘り起こし》のようにカードタイプや対象範囲を変更しより上位の呪文と化す能力。追加コストを支払い性能を向上させる能力、特に「キッカー」に類似したものだが、テキストを駆使するカードゲームの妙である。

・血トークン

呪文や能力により生成されるアーティファクト・トークンと、それを利用するシナジー。血液は鉄分なのでアーティファクトである。

1マナ、タップ、カード1枚と生贄で起動し1ドローと、手札枚数は増えないルーティング能力で、それこそ血トークンシナジーや墓地利用、アーティファクトシナジーなど有効活用できる戦略でデッキ構築するのが望ましい。

・日暮/夜明

『イニストラード:真夜中の狩り』から続投する変身メカニズム。ゲーム開始時点では昼夜どちらでもなく、日暮/夜明を持つカードや昼/夜にする呪文や能力により発生する状態。

・降霊

『イニストラード:真夜中の狩り』から続投となる能力。墓地から第2面で唱えることができる。

前回は人間が死亡後に霊魂として戦場に帰還するものだったが、今回はオーラとして力を貸してくれる。命を落とした勇者たちが遺志を継ぎ戦い続ける後継者たちに力を貸してくれる。かの《聖トラフトの霊》と《聖トラフトの祈祷》をメカニズムに発展させたもののように思う。

・濫用

クリーチャー1体を生贄に捧げることで性能を向上させることができる。生贄は任意で頭数が必要ならば使用しなくてもいい。逆に能力のみを目的に地震を生贄に捧げてしまうのも適正。

元は『タルキール龍紀伝』に登場した能力。龍王シルムガルのためならば、同族の生贄すら厭わない屍術師たちの妙技。同じく屍術や死体を縫い上げてゾンビを仕立てるイニストラードに見合ったもので、腐乱トークンの使い道を増やすデザイン。

『イニストラード:真紅の契り』のメカニズム|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

神話レア

《信仰縛りの審判官》//《兇徒の審判》

めっちゃ光剣飛ばす審判。ナヒリの戦い方から影響を受けた可能性は否めない。

3マナ4/4に飛行・警戒と一見して優秀な軽量クリーチャーに思えるが、防衛を持ちアップキープ毎に獲得する審判カウンター3個以上なければ攻撃できない。
壁役として有望なものの、スタンダードでは《黄金架のドラゴン》《エシカの戦車》らの影響でタフネス4に対応した火力呪文選択が成されており、その煽りを受ける立場なのではないかと思わずにいられない。

7マナもの多大なコストで降霊するとカウンター3個でゲームを敗北させる「呪い」へと変貌する。《副陽の接近》のように延命効果はなくこれのみのエンチャント。増殖のようなカウンターを一気に乗せてしまう手段を使うにも降霊なので墓地を経由する必要があることと、重すぎる7マナ。特殊勝利カードはこれくらいでちょうどいいと思う。

《信仰縛りの審判官》が殴りだしたら強いのは間違いない。膨大な過去のカードを見渡せば審判カウンター3個乗せたまま変身できる悪魔的コンボがありそうな気がしないでもないが全く思い浮ばない。

《墓所の守護者》

墓地対策能力を持つ神話クリーチャーサイクルの白。4マナ3/4瞬速で構えておくには重いが墓地1枚追放。さらに、追放したカードと同じタイプのカードをプレイすると1/1人間が飛び出してくる。土地にも対応しており、相手ターン瞬速からの返しターンに1体は確保しやすい。

恐るべき展開力を持つが、自身がクリーチャーとして物足りないのが足を引っ張るか。昨今の【白単アグロ】では4マナは重く採用されづらいのも欠点。

また、能力の特性上《墓所の守護者》による追放と他の呪文や能力での追放は分けておかなければならない。《払拭の光》などのようにこのカードに重ねておくのが望ましいか。

《神聖なる憑依》

エンチャントを7つ以上コントロールしていれば自軍全体に飛行と警戒、エンチャントを唱えるたびにスピリット・クレリックトークンの生成を行うエンチャント特化エンチャント。『テーロス環魂記』があるときに出るべきだった。

エンチャント特化デッキ【エンチャントレス】はモダンやレガシーで姿を見せるデッキで、《収穫の手、サイシス》登場により大きく強化。MTGアリーナでも彼女はヒストリックブロールを代表する強力統率者の1人である。少なくともヒストリックブロールでは有望な1枚。

《オリバクの救済者》(アブラム・ヴァン・ヘルシング)

3マナ1/2と貧弱ながら訓練により大きくなり、さらに訓練するたびに戦場か墓地からクリーチャーを1枚追放、《オリバクの救済者》が戦場を離れると戦場に戻す、白が得意とする一時追放パーマネントの新種。

単純に相手クリーチャーをどけられるだけで利便性は高いが、オーナーのコントロール下で戻ってしまうので溜め込み過ぎには注意したい。自分のクリーチャーを確保し疑似的な除去耐性のように扱ってもいい。しかし変わった動きができる分、訓練しなければ機能しない。


そして、本セットの目玉である「吸血鬼ドラキュラ」コラボ。別イラスト《アブラム・ヴァン・ヘルシング》として登場する。「吸血鬼狩り」の象徴ヘルシング教授その人。心臓に打ち込むであろう釘をアピールしている。

ホラー作品の原典的な作品で今なお大きな影響を及ぼす歴史的名著ではあるが、私はその影響下にある吸血鬼が登場する作品群を通してしか知らないので言及することはできない。

・漫画「HELLSING」は「吸血鬼ドラキュラ」由来の作品で、主要人物の一人インテグラル・ファンブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングはヘルシング教授の子孫にして化け物狩りに特化したヘルシング機関を統治する人物である。

・「ヴァンヘルシング」なる筋肉ムキムキのモンスターハンターが吸血鬼ドラキュラ伯爵と3人の美しいお嫁さんに、人狼にフランケンシュタインの怪物までボッコボコにするごちゃまぜにもほどがあるだろって映画を見た覚えがある。さっき調べたら主演ヒュー・ジャックマンだった。

レア

《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》//《カティルダの曙》

『イニストラード:真夜中の狩り』に《ドーンハルトの主導者、カティルダ》として登場した魔女。夜が長くなり闇が隆盛するイニストラードに均衡をもたらすべくアーティファクト《セレスタス》起動を目指しアーリンと協力していた。
だが儀式の最中、吸血鬼オリヴィア・ヴォルダーレンの襲撃に遭う。そのまま命を落としてしまったようだ。

プロテクション(狼男)が(吸血鬼)へと変更。死因を克服する強者の貫禄を見せると同時に、パワー/タフネスはスピリットとエンチャントの総数に等しいという魔女のカリスマ性を維持。

カティルダの曙やうやう白くなりゆくと、自身の能力をそのまま加算するオーラを漂わせる。ショーケース版の顔がこわい。

《婚礼の発表》//《婚礼の祭典》

眩し過ぎてちょっと直視できそうにない。ボックス代は祝儀として受け取っておいてほしい。

《招待制》

イニストラード特有の忌み数”13”を含むカード。5マナにして最大13体生贄と言う事実上の全体除去呪文。破壊でも追放でもなく生贄と言うのが最大の特徴で、免れる手段はほとんどない。フェイズアウトしましょう。

また、白らしく自分クリーチャーの数が多ければその分残すことも可能。招待を受けた特別な存在のみを戦場を彩るにふさわしいというフレイバーに満ちた面もある。

《有望な信徒》

1マナ1/2訓練という同メカニズムの基本的なクリーチャー。3マナと+1/+1カウンター2個でアーティファクト・エンチャント破壊を起動できる。この時消費するカウンターは自身に置かれた物に限らない。訓練の成果が呪物破壊に留まるあたり、見た目に反してまともな訓練を行っているようだ。

置物対策を兼ねたクリーチャーではあるが、カウンター2個はまだしも3マナが重すぎるか。《聖戦士の奇襲兵》の使い勝手の良さを見てからだと微妙に思えてしまう。

《ランタンのきらめき》

切除により2色呪文と同等の性能になるサイクルの1枚。

2マナでプレイヤーに飛ばない限定火力。通常では白らしくクリーチャー数依存のダメージとライフ回復。切除すると赤が入り純粋なX火力X回復となる。赤白ともに軽量クリーチャーが優秀なアグロカラー、インスタントなのも使い勝手は良い。

ダメージと回復の合わせ技で高い延命力を発揮するのは《稲妻のらせん》らが証明済み。切除を無視してアグロが除去に採用するか、逆にコントロールデッキが延命のために採用し得るかといったところか。白はパーマネント全般に対する除去を有する色なので厳しい立場に思えなくもない。

白らしくとは書いたがクリーチャーに直接ダメージを飛ばすのは戦闘時でもなければ珍しいように思う。プレイヤーに飛ばすという一線を超えてはいないが、やっていることは集団でのタコ殴りにおおよそ黒のドレイン。イニストラード人の本性が窺える。

《シガルダの召喚》

《セレスタス》起動に必要なカギを求め、ソリンと対峙していた天使シガルダ。囚われたようだが、普通に解き放たれた。

6マナと非常に重いエンチャントだが、+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーすべてを4/4飛行の天使にしてしまう。これに置かれていた+1/+1カウンターが加算されるので全クリーチャーがフィニッシャーになると言ってもいい。

訓練の使い道に用意されたであろうゲームエンド手段で、構築段階から意識が必要。重すぎる割にこれ単体では何も起きないのが厳しいか。

《スレイベンの守護者、サリア》(ミナ・ハーカー)

『闇の隆盛』初出、『マスターズ25』に再録され、ヒストリックアンソロジーでMTGアリーナに実装済み。さらにSecretLairで4種の新規イラストと愛され過ぎている聖戦士。

1059枚目「Secret Thalia」

性能も2マナ2/1先制攻撃の良質な戦闘力に、クリーチャー出ない呪文を1マナ重くする行動阻害能力でレガシーにおいても活躍する優良カードである。

現在のスタンダートでは、《アールンドの天啓》をフィニッシャーとした【イゼット天啓】及びその派生デッキ。【緑単アグロ】も《レンジャー・クラス》《エシカの戦車》《レンと7番》らクリーチャーでないパーマネントが猛威を振るっており、活躍する土壌は充分である。好きなイラストを集めよう。

《祝福されし者の声》

ライフを得るたびに+1/+1カウンターを獲得する《アジャニの群れ仲間》の仲間。さらに4個以上乗っていれば飛行と警戒、10個以上に達すると破壊不能と言う《セラの高位僧》にも似た自己強化能力も併せ持つ。

『ゼンディカーの夜明け』『カルドハイム』にてクレリック及びライフゲインシナジーは散りばめられており、それらと組み合わせるように出てきた。《正義の戦乙女》だけでもデッキ構築には充分な意義があるだろう。

MTGアリーナに設定された常時使用可能な基礎カードに《神聖なる僧侶》《情熱的な扇動者》なるライフゲインデッキ基本セットが採用されていることから、開発陣に熱心な愛好家がいるのではないかと目している。

《歓迎する吸血鬼》

3マナ2/3飛行という普通の性能に加えて、パワー2以下のクリーチャーを出すと1ドローできる現代の白。流石に1ターン1度の制限は課された。

【白単アグロ】に抜群の適正を誇る良質なクリーチャーで、明らかに元となっている《弱者の師》が感動に打ち震えている。マナの支払いが無くなったことでテンポロスしにくくなったのは大きな利点だろう。




神話レア

《捜査員、ジェイコブ・ハーキン》//《ハーキンの眼識》(ジョナサン・ハーカー//ハーカーの執拗な調査)

タップで1ドローと手札1枚追放の変則的な手札交換。すごく《手がかり》を残しそうだが全く関係がない。いわゆるルーティングを行う2マナクリーチャーの系譜に連なるが、墓地利用デッキに機能せず、6マナ支払うことでエンチャントへと変身する。《神童》ではなかったようだ。

彼の眼識はアップキープ開始時にデッキ上1枚追放と、第1面を含め自身により追放されたカードの踏み倒しプレイ。重さに見合っただけはあるトンデモ効果である。しかし、通常のエンチャントとは異なりタフネス2のクリーチャーを経由し、さらにタップによる起動型能力に含まれた変身条件なため、これ目当てにデッキを組むのは厳しいだろう。

とは言っても、単純に起動し続けるだけで手札の質は向上していくので変身できればラッキー程度に考えて採用するのは悪くないかもしれない。

《墓所の照光者》

墓地対策能力を持つ神話レアサイクルの青。3マナ2/3飛行のスピリットで、とてつもなく瞬速と書いてそうだが書いていない。

戦場に出るのみならず、攻撃するたびにも墓地1枚追放の利便性が高い墓地対策能力を持つ。さらにデッキの一番上を確認し、それが《墓所の照光者》自身により追放したカードと同じタイプを持つ呪文ならばプレイ可能にしてしまう。呪文と指定されているので土地は不可能

主にパイオニアで活躍する【スピリット】に加わる新たな選択肢。メインデッキから採用可能な墓地対策でありながら、デッキの大半をスピリットクリーチャーで占める同デッキに適した息切れ防止能力を有し、多くの同族を押しのけて採用に至る目は充分にある。

《二重屍》

二人三脚ゾンビ。

レア

《鏡の間のミミック》//《恐ろしい模倣》

スピリットであるままにクリーチャー1体のコピーとなる4マナ。降霊5マナによりアップキープ毎にコピーを生成するオーラと化す。やるかは別として、伝説のクリーチャーをコピーして能力を誘発させつつ墓地送り、そもそもコピーせずに0/0で即死させて降霊に備えることもできる。

戦場に出たときの能力持ちや、複数並べてより強さを増す強化能力持ちなど、増やしたいクリーチャー自体はいくらでも思いつくだろう。同じくコピー能力を持つ《玻璃池のミミック》よりも1マナ重いのでスピリットであることか、降霊を持つことに意義を見出したい。

《飲み込む潮》

各プレイヤー選んだ土地でないパーマネント1つを除き、それ以外の土地でないパーマネントを手札に戻してしまうだいたい全体バウンス呪文。さらに、相手の手札が多ければ1ドローできる。しょっぱくない。

対アグロでは1ドロー付きバウンスと凶悪にもほどがある呪文。トークン相手には1ドローがしにくいようでそもそも消滅してしまうので問題がない。最も脅威となる1枚を残してしまうことだけが欠点で、絶妙な調整を感じる。土地が戻せないと憤る人は激動の昭和に置いてきた。

《夢鎖の霊》

3マナ3/1飛行。少し前なら瞬速と書いていそうだが書いていない。自分戦闘開始時に1体のタップか、アンタップ制限のモード選択。両方できたら流石に畜生過ぎて青様らしからぬ配慮を感じさせる。

スタンダードはまだしも、パイオニア以下での【スピリット】デッキに加わるには力不足か。

なお《鎖霊》と夢の共演である。《夢霊》も出てきてほしい。

《先験的な縫い師、ゲラルフ》

姉《素晴らしき復活術師、ギサ》に続いて登場した弟。イラスト、フレイバーテキストで姉上を模したゾンビを製造し披露しているのか、そもそも姉上本人をゾンビに仕立てたのか。とても不穏なことになっているが、どっちにしろ面白くなってしまうのがこの姉弟のすごさである。

3マナ1/4と自身こそ戦闘に向いていないが、ゾンビ全員を飛行に改造してしまう。さらに1マナタップと素材1体でタフネス分のパワー/タフネスを持つゾンビを縫い上げる。才能あふれるスカーブ師らしい能力を忠実に表現できていますな。

リバイアサンカニゾンビの予約注文が相次いでいる。

《船砕きの怪物》

定期的に登場する、コントロールデッキのミラーマッチに終止符を下すフィニッシャー。《終止符のスフィンクス》にちなみこう呼んでいるが定着を狙っているものではない。

瞬速かつ打ち消されない7/8、さらに呪文を唱えるごとに「呪文バウンス」か「土地でないパーマネントバウンス」というすさまじい制圧力を誇る。除去耐性はなくともカウンター1枚が2枚分に化け、回避能力こそ一切なくともバウンスにより攻撃を通すのはそう難しいことではないだろう。

現在のスタンダードでは《アールンドの天啓》がこの位置に座している。天啓連打1/1飛行トークンがちまちまと削っていく悠長なゲームを見るに、負けるにも速やかに削り切ってくれる終止符は必要な存在なのだと実感できる。

《触発された考え》

3マナ3ドローだが手札上限が3枚減ってしまうデメリット持ち。5マナならばこのデメリットを切除できる。

ソーサリーといえど3マナ3ドローは強力ではある。しかし、《記憶の氾濫》を始めインスタントドローが優秀極まる時代にこれを選択する意義を見出せるかはかなり厳しい。

《過充電縫合体》

”オーバーチャージド・アマルガム”

4マナ3/3飛行ゾンビ。瞬速と書いてなさそうで何故か書いてあるホラー。さらに濫用すると呪文のみならず起動型、誘発型にも対応した打ち消し能力を誘発。戦闘力を充分に発揮できる設計で、これを抜きにしても4マナの誘発型打ち消しという実に厄介な代物である。

強者感がとてつもない。雅の息子かもしれない。

《這い寄る継ぎ接ぎ》

「這い」「寄る」「継ぎ」「接ぎ」と継ぎ接ぎ変換する羽目になった厄介なゾンビ。

2マナ1/2に3マナ起動で墓地のクリーチャー・カード1枚を+1/+1カウンターに変換。さらに、その起動型能力まで習得してしまうかしこいゾンビ。一晩もすればすぐに起きて動けるようになる。

材料は素直に《壊死のウーズ》専門家の知識を頼った方が良い。

壊死のウーズ/Necrotic Ooze - MTG Wiki
《有翼の先触れ》

朧げに映る月に鴨が髑髏を醸し出す秀逸なイラスト。

3マナで自分の飛行クリーチャー分のドロー。3マナインスタントならば最低でも2枚。3枚以上引ければ大満足。緑を含む6マナでは飛行制限が切除。こちらでは4枚は引きたいところだが、一気にハードルが上がる。素直に飛行主体の青いデッキで使うか。





 

神話レア

《不笑のソリン》(ドラキュラ伯爵)

祖父の結婚、飛び交う幽閉ネタとすっかり笑顔を無くしてしまった闇の心の持ち主。

4マナ初期忠誠度4に[-2]で2/3飛行・絆魂の吸血鬼トークンを1体確保と最低限の性能。[+1]で手札を確保し、[-7]では13点になった《ソリン砲》を叩き込む。

コスト通りの働きをしてくれる優秀なプレインズウォーカーである。強すぎず、弱すぎない。トークンの性能がとにかく優秀で、これが機能する相手かで大きく変わるだろう。


イニストラードの君主らしくイラスト面でとにかく恵まれた。

プレインズウォーカー恒例の別イラストフルアート版に、「吸血鬼ドラキュラ」コラボはかのドラキュラ伯爵ご本人。

そして、ショーケースは「悪魔城ドラキュラ」シリーズで著名なイラストレーター小島文美氏が手掛ける特別仕様である。『灯争大戦』の天野リリアナに匹敵する大型コラボカードなんじゃないか。

《ヘンリカ・ダムナティ》//《冥府の予見者、ヘンリカ》(奇妙な三姉妹//漆黒の夜の悪鬼)

イニストラードの吸血鬼は12の始祖から連なる血統で「マルコフ」「ファルケンラス」「ヴォルダーレン」「ストロムカーク」の四大血統が大きな勢力を維持しているだけで、残る血統も3つは途絶えたものの弱小ながら存続。ヘンリカの名乗る「ダムナティ」がその中に含まれているのか明言こそされていないが、「んなもん聞いたことねえわw」と煽られて不笑になる程度は効いている。

サイドストーリー第2話:血の祝福|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

また、吸血鬼でありながらデーモンと深いつながりを持つことが明かされ、現在では「グリセルブランドの愛人」との見解で一致している。


4マナ1/3飛行。自分戦闘開始時に3つのモードを有するが、選ばれていないものを順に選択していく方式である。

「1ドロー1点支払い」はまだしも「各プレイヤーはクリーチャー1体生け贄」で自身を生贄に刷る展開だけは避けたい。残る1つは「変身」である。

《冥府の予見者、ヘンリカ》になると3/4飛行・接死・絆魂という夜鷲と同じ強力なキーワード併せ持ち。3マナでこれらいずれかの能力を持つクリーチャーの全体強化。自身にも適応されるがおまけだろう。

総じて、第1面のモードが上手く使えるかにかかっている。除去としてもドローとしても最低限のもので厳しい寄りに見ている。さっさと変身させるにも、コスト相応のクリーチャー止まりな面は否めない。

《墓所の冒涜者》

墓地対策を持つ神話レアサイクルの黒。戦場に出るか死亡すると墓地1枚追放と、モード選択が誘発する。

「パーマネント1つからマナ総量に等しい数のカウンター除去」「クリーチャー1体にマナ総量分の-X/-X」修整。戦場に出たときに即1体除去れる可能性は充分ある。プレインズウォーカーはもれなく対処できるだろう。だが、それでもやけに弱く冒涜できているとは言い難い。4/4威迫と戦闘力もそれほど高くはない。

《蝕むもの、トクスリル》

恐怖のナメクジ。7マナ7/7という《グリセルブランド》が成し得なかった体格を実現した伝説に相応しい怪異。

各ターン終了時に相手クリーチャー全員にスライムカウンターをばら撒き、その個数分のマイナス修正の不快感を与える。さらに、死亡すると1/1のナメクジが出てくるし、ナメクジを1ドローに変換もできる。サリアからナメクジが沸く姿はあまり見たいものではない。

スライムカウンターは《ヘドロの怪物》でも用いており、2/2にサイズ変更した上にマイナス修正で効率よくナメクジを増やせる。

当然ながら塩を叩きつけると破壊される

レア

《ヴォルダーレンの投血士》//《血コウモリの召喚士》(血の王、ドラキュラ//コウモリの王、ドラキュラ)

最初にショーケース版見てコウモリに変身するのかと思ったらそんなことはなかった人。《血の王、ドラキュラ》の方では貫禄が凄まじすぎてよりイメージに合う。

2マナ2/1飛行とこの時点で充分な戦力。自身かクリーチャーが死亡すると血を残していき、5つの血が集まると変身する。トークンに対応しておらず、サクリ台でもなければ充分な血は確保できなさそうだ。イニストラードでも献血不足は深刻な問題かもしれない。

変身すると3/3飛行、自分戦闘開始時に血1個を2/2飛行・速攻のコウモリへと変更する。血コウモリの名の通り実にわかりやすい。まず本体と合わせて飛行5打点はかなりの圧力である。
コウモリ化は永続で血の続く限り2/2飛行が増え続けていく。それでも明らかに複数召喚しているのに1体ずつなのが残念である。

《隠し幕》//《暴き目》

大きな眼球だけならまだしも、ぽつぽつと小さな眼がついてるのが生理的にきつくてこれ以上眺めていたくない。

《ファルケンラスの先祖》(血の不死者、ドラキュラ)

吸血鬼四大血統の1つ、ファルケンラスは始祖はすでに没しており、伝説のクリーチャーとしてカード化されたエインジー・ファルケンラスはその中でも特に長く生きる末裔である。先祖とはどういう立ち位置なのか

3マナ3/1飛行にブロック不可という攻撃偏重な戦闘力に、プレイヤーに戦闘ダメージを与えると出血させるデバフ持ち。血の使い道まで自身で有し、なんと黒マナと血2つで墓地から戦場へと帰還する。

土地出すだけで戻って来れる上にキッカーでサイズまで上昇するシェイドと比べると、相手ターンでもインスタントタイミングで帰ってこれる点で勝る。出血多量ならばなおのこと。

何より飛行。実にいい勝負だ・・・。

《血瓶の調達者》

※パワー修整はターン終了時までです。

4マナ5/6飛行・トランプルなるただもんじゃねえ吸血鬼。デーモンを名乗れ。

対戦相手が呪文を唱えると血が供給してしまうデメリットを持つが、攻撃するとそのプレイヤーが有する血の分だけパワーが上昇。トランプルが機能しやがる。血トークンが純粋なドローでなくルーティングなことも相まってそこまで強烈なデメリットには感じず、明らかに強い。血に飢えたのならまず彼から手にすべきだろう。血と汗と涙を流せ。

《悪魔の取り引き》

望んだ力を得られるが、13もの追放が伴うサーチ呪文。オーメンダール様の言う通り。

通常構築ではデッキ60枚すべてを使い切るゲームは稀で、半分程度のカードはゲーム中意味を成さない存在である。よって、膨大な枚数を削っても大きな問題とならない。これを「デモコン理論」という。

デモコン理論 - MTG Wiki

もちろん、キーカードすべて追放される裏目こそあるが、特定のカードを勝ち筋とするコンボデッキを見出したのなら採用するといいだろう。

《戦慄宴の悪魔》

乾杯デーモン》を彷彿とさせるパーリーデーモン。7マナ6/6というグリセルリスペクトの数字ずらし。

自分ターン終了時にデーモンでないクリーチャーを捧げると《戦慄宴の悪魔》が1体増える。そのままのコピーなので、それぞれ誘発し2体捧げて《戦慄宴の悪魔》が4体。おいおい、アリーナすぐにいっぱいになっちゃうよw

《奉仕への切望》

ヴォルダーレンはアダムスファミリーだったのかもしれない。

カードを1枚以上捨てると2/2ゾンビがタップ状態で湧いてくるエンチャント。毎ターン1回とは言うが、これ単体では何も起きない上に、そんな潤沢に手札を用意できるならば苦労はない。要は血トークンを使えってカードである。

大きく時代を隔てるが、《ゾンビの横行》を並べてーーーええ!?ヒストリックにあるのかい!!??

《墓の肉裂き》

2マナ3/3にアップキープに1点をくらう昔ながらの黒いクリーチャー。だが世は令和。それだけなわけもなく、濫用でプレインズウォーカー破壊を有する。

おおよそ2マナ3/3として全うするだろうがそもそもこの時点で強いことは認識しておきたい。

《首無し騎手》

首なし騎士、デュラハンは多くの作品で登場する定番ホラーの1種だが、ここまでファンキーにぐるぐるしてる奴は見たことがない。心なしか馬も呆れた顔をしている。

3マナ3/1で自身かトークンでないゾンビが死亡すると2/2ゾンビ生成というゾンビデッキならば文句なしに《勇者》を育てられる経験値。見た目に反して堅実な役割である。

《危難の道》

切除により2色呪文と同等の性能になるサイクルの1枚。

通常ではマナ総量2以下のみのクリーチャー破壊、白を含み6マナ払うと無条件全体破壊となる。黒で3マナソーサリーといえば全体-2/-2修整程度の除去に留まりがちだが、マナ総量2以下が射程。《レンジャー・クラス》のようにトークンを出してしかも育ててしまうカードが環境にあるのでこの表記が実に染みる。

アグロに強い3マナ除去でありながら、機を逃しても6マナ全体破壊になる利便性は充分。白黒に限らず黒いコントロールなら両面土地など、白マナをタッチして採用すべきだろう。





 

神話レア

《勝負服纏い、チャンドラ》

ヒーローランキング1位リスペクトの勝負服で式典に挑むチャンドラ。

3マナ初期忠誠度3に2つの[+1]能力を持つ。

上段は赤マナ生成と、プレイヤーかプレインズウォーカーに1点。クリーチャーに飛んだら史上最強まであったのでこれはしょうがない。

下段はデッキ上追放でプレイ可能とする「衝動的ドロー」なのだが、赤でなければプレイできず、土地がめくれると何も起きない。(日本語では抜けてしまったがプレイできるのは起動したターン中のみ。)

奥義[-7]は「赤の呪文を唱えるたびに支払ったマナ分のダメージを与える」紋章。X火力ならばダメージ2倍。キッカーやフラッシュバックなど通常よりも多く支払えばその分燃やす。これ単体で勝つものではないが、いつ死んでもおかしくない状況になる。

3マナと軽い分[+1]が両者とも控え目な設計となっているが、赤いドローエンジンを称するには充分な性能だろう。

《移り気な放火魔》//《凶兆の血の騒擾者》

神話レア人狼。5マナ4/4威迫・速攻、さらに攻撃するとクリーチャー、プレイヤー、プレインズウォーカーそれぞれに1点ずつ飛ばす。夜を迎えると、5/5にサイズアップしダメージも2点というというすさまじい攻撃性能。

同コストには《黄金架のドラゴン》が絶対強者として君臨しているが、マナコストをぶっ壊す空の覇者に対して、盤面焼き払い速やかに削り切る陸上の覇者を名乗るには充分すぎる性能。明確に強さが異なり良いラインついてきたなと感じる。セットを跨いだことで狼男特有のショーケースで彩られなかったのが残念。

《墓所の門番》

墓地対策を持つ神話レアサイクルの赤。戦場に出る墓地1枚追放、さらに追放したカードと同じタイプのカードをプレイすると2点ダメージが飛ぶ。追放できるのが戦場に出たときのみなので、確実にプレイされる土地を狙いたいところ。フェッチランドがある環境ならば現実味がある。

自分もくらってしまうがそこは赤らしく先に焼き払ってしまいたい。《墓所の門番》自身も先制攻撃で攻撃を通しやすい。

《マナ形成のヘルカイト》

”マナフォームヘルカイト”

イニストラードでさり気に恒例の神話レアドラゴン。4マナ4/4飛行という良質さに、クリーチャー出ない呪文を唱えると支払ったマナ分のパワー/タフネスを持つ飛行速攻使い捨てドラゴンイリュージョンを象る。生ける《サメ台風》。

無事ターンが帰ってきたら10点以上叩き込むのは容易。見たら間違いなく処らなければならない。それでいて自分が出すと出落ちする。

レア

《不機嫌な一匹狼》//《吠え群れの報復者》

4マナ3/3、ダメージを追うと同じ分のダメージを飛ばす。《ボロスの牛くん》と同じ能力で、破壊不能を持たせて自身に飛ばすと無限に焼き肉が楽しめる。

夜を迎えると4/4にサイズアップすると同時に、ダメージ能力がパーマネント全部に及ぶ。もはや家を焼いて欲しがっている。

コンボを抜きにしても良質なアグロクリーチャーで、大型クリーチャーに阻まれてもなおプレイヤーを焼けるし、相打ちに持ち込みやすい。

《威圧する吸血鬼》

ダブルシンボル3マナ3/3なるアーモドンな上に、コントロール奪取まで有するすごい人。自身が吸血鬼なのでとりあえず1マナ以下を奪える。例によってトークンは問答無用。レンの7番奪ってしまっていいのか。

速攻で殴りつけた後に生贄コストに充ててしまうのはもはや様式美。ちょうど濫用が帰ってきたのでそこから見繕ってもいいだろう。

《オリヴィアの付き人》

6マナ6/6。3人いるので2マナ2/2が3人ということになる。着飾った美女3人に凄まれては縮こまってしまうのも無理はないので威迫。

ダメージを与えるとその分の血液を生成する。プレイヤーのみならず、クリーチャーやプレイインズウォーカーの血もおいしく頂戴できる雑食な側面を持つ。攻撃するまでもなく3マナで1点飛ばしつつ血も頂戴していく。

女性吸血鬼三人衆なことから《奇妙な三姉妹》はこちらに充てるべきなように思えるが、変身させたかったのだろう。

《錬金術師の計略》

3マナで追加ターンを獲得するも、その終了時に敗北してしまう《最後の賭け》形式の赤い追加ターン。青ダブルを含む7マナで唱えると、敗北が切除され純粋な追加ターン呪文となる。

考え無しに3マナで使うものではなく、アグロが絶対に倒しきるために使う最後の一手。《アールンドの天啓》がある以上、切除を考慮して使うようなものではないし、5枚以降を考えるものでもないだろう。

ダメージ軽減不可のおまけがついているのを見落としてはならない。

《不気味なくぐつ師》

4マナ4/3速攻、さらに攻撃したのが彼女ともう1体のみならば、相手を4/3に作り変えてしまう。サイズのみの変更なので飛行や絆魂など持っていればより強力。

ダメだ。エロい目でしか見れない。

《運命の改変》

追加ターンを得てその終了時に敗北してしまいそうなカード名だが、手札をすべて捨て、ターン中に捨てた枚数分のドローやっていることは手札交換。

予想外の授かりもの》のように赤い手札交換呪文は充実しており、それをプレイしてからならドロー枚数が増える。しかし、それらがあるがために《運命の改変》まで使うのかと問われれば厳しい。赤単で《孤光のフェニックス》のように同系統のカードを詰め込んでデッキ全部引きかねないデッキならばその中に加われるだろう。

《歓待の呪い》

つけられるとトランプル持ちに殴られ続け、衝動的ドローを許してしまう呪い。緑や青に時折登場する、クリーチャーにドロー能力を持たせるエンチャントを赤くしたらこうなったというカードだろう。

《ケッシグの狼乗り》

1マナ2/1かと思ったら1/2。だが、威迫なので文句はない。というか強い。

3マナタップに自分の墓地3枚追放で3/2という充分なサイズの狼を生成する。乗り換えるのかと思ったら、捕食して元気な子供を産んでいるらしい。しかし、文字通り読むと対戦相手の墓地追放できなければ共食いの禁忌に触れそうなもの。これ以上考えないこととする。

《ステンシアの蜂起》

4マナでターン終了時に1/1人間がやってくる会場。13個のパーマネントがあれば盛り上がりは最高潮に達し7点ダメージが飛んでお開きとなる。集まりだしているうちは楽しいのに、いざ事が始まると一瞬で閑散とするのが妙にリアルである。

土地を含めてちょうど13個なので達成は難しくないだろう。7点では物足りないので何とか2枚目を引き込んで14点叩き込みたい。





 

神話レア

《アヴァブルックの世話人》//《ホロウヘンジの猟匠》

6マナ4/4で護法ではなく呪禁。夜になると呪禁がパーマネント全域に及ぶ。さらに、自分ターンの戦闘開始時に他のクリーチャーに+1/+1カウンター2個を置く。夜ではこれも全体化

重さの時点で次に行きたくなってしまうのだが、書いてあること自体は凄まじく、重いクリーチャーでも何とかしようという気概だけは感じる。

《墓所をうろつくもの》

墓地対策能力を持つ神話クリーチャーサイクルの緑。この系統の本職と言ってもいい色で、クリーチャーの色でもある緑らしくまず3マナ3/4警戒で追放するのも出たときと攻撃するたび。さらに、追放したのと同じカードタイプの呪文を1マナ軽くする。クリーチャーを追放し後続につなぐのが理想だろう。弱い部分がまるでない。

《耕作する巨躯》

緑のクソデカ枠。7マナの巨躯にパワー/タフネスは土地の総数。ちゃんとトランプルを持っていてえらい。

戦場に出ると手札から土地1枚を出し、1ドロー。《耕作》しているが実際にやっていることは《探検》に近い。
さらにこの手順を繰り返すことができる点で神話性を発揮。ちょうど《レンと7番》という相性抜群なプレインズウォーカーがいる。また、スタンダードから離れてしまうが《豊穣》を使用したコンボが考案されている。

レア

《吠え群れの笛吹き》//《野生の歌を吠えるもの》

手札からクリーチャーを出せてしまう笛吹きの系譜。日暮/夜明は呪文のプレイ回数に絡んだメカニズムなのでそのサポートとして登場したのであろう。狼、狼男に特化した性能で、出したクリーチャーがそれらならばなんとアンタップ。このためか、ソーサリータイミングの制限が課されてしまったが、2マナずつ支払うものの、複数展開をしつつ夜を迎えることができる。

変身すると笛が吹けなくなったためかクリーチャープレイ能力を失ってしまう。その代わり、より遠くへ吠えて、歌を奏でることでデッキからクリーチャーカードを探し出すことができる。昼になったら笛を吹いて出しましょう。

《ウルヴェンワルドの奇異》//《ウルヴェンワルドのビヒモス》

4マナ4/4速攻トランプルというもうこの時点で合格点がつく令和基準のビースト。さらに7マナ起動という『異界月』時代の方法で変身する。

ビヒモスと化すと8/8で文句なしのフィニッシャー。さらに他のクリーチャーに+1/+1修正と速攻とトランプル。中盤から殴り最終的にゲームを決める本当に《終末の祟りの先陣》である。

《成し遂げた錬金術師》

まさかの緑に登場した1マナ2/1。単純に初手特化のアグロクリーチャーなわけでなく、マナ総量4以上のパーマネントがあれば+1/+1カウンターを獲得、さらにマナ総量4以上の呪文をプレイすれば同じく+1/+1カウンター獲得と、1マナらしからぬサイズにできる。

4マナ《エシカの戦車》が4枚積みされる時代な次点でもう2/1なままで終わるわけもなく、1マナが排除された【緑単アグロ】に枠をこじ開けにやってきた。

《掘り起こし》

もはや珍しくもなくなった1マナ土地サーチ呪文《地勢》の上位互換。黒ダブルを含む計4マナで唱えると「基本土地」が切除され万能サーチ《魔性の教示者》と同等になる。

シンボルこそきつめだが、それを賄う土地サーチが《掘り起こし》自身という隙のなさで使い勝手は良好。スタンダードよりもブロールで輝くカードに思える。

《壮麗な日の出》

ハッピーエンド感が凄い。5マナと重めだがその時点で欲しい能力をモード選択できる便利系。

ライフを削り切れるなら「全体+1/+1トランプル」、足りないなら「土地1つから緑マナ3つ」か「パワー3以上のクリーチャーが居れば1ドロー」。「ライフ3点」はあまり選びたい選択肢ではないが、あるだけで意味がある。

《小村の先兵》

3マナ1/1と貧弱ながら護法2。盾が2枚で護法も2倍だ。その貧弱な体格も、トークンでない人間1体につき+1/+1カウンター2個獲得、盾が2枚でカウンターも2倍だ。

さびれているであろう小村の時点でこのような屈強な先兵がいるあたり、イニストラード人とはいかなる存在か窺い知れると思う。

《巣心のシャーマン》

攻撃するたびにコントロールしていない土地タイプの基本土地を持ってきてくれる、開拓精神に満ち溢れてすごい人。この人にこそ農民と書くべきだろう。

めちゃくちゃに虫がたかっているがそれもそのはず。6マナ起動で昆虫をお出しする。1/1と貧弱なようで、基本土地タイプ分の+1/+1カウンター、要は実質6/6の虫野郎である。養蜂家に近いようで虫は飛んでいない緑の呪いにかかっており、こればかりはシャーマンでもどうすることができなかった。

《見事な再生》

7番との出会い語られただけでなく、日が昇るのを見届けいていたらしいレンのカード。

手札から豪快に土地を出す《レンと7番》に関連してか、こちらでは墓地から豪快に土地を広げる。通常、手札よりも墓地の方がカードを貯め込みやすいので意識して構築すれば次のターン以降、一気に使用するマナを増やすことができる。4マナの土地サーチ呪文は2枚タップインが相場なのでそれ以上を狙っていきたい。

《遠吠えの月》

”ハウリングムーン”

味方全員に物理攻撃を回避する分身状態とする召喚獣なのはFF6のお話で、MTGでは狼か狼男1体に+2/+2修整をかけるエンチャント。恐ろしい夜を明けるべく、呪文を2回唱えられたら2/2の狼が駆けつけ群れを増強していく。

狼男デッキは夜の戦闘力がとにかく凄まじく、何とか回避したいのが心情。昼/夜が発生さえしてしまえばそれだけで大きな牽制になる上に《トヴォラー》の変身能力は狼もカウントするため夜を維持しやすくもなる。総じて絶妙なサポートカードである。《登る満月》と同じく複数枚貼っても腐らない方式なのも嬉しい。




多色

神話レア

《真紅の花嫁、オリヴィア》

四大血統の1つヴォルダーレンの始祖にして、本セットの主役となる花嫁オリヴィア。せっかくだし歴代のオリヴィアを飾っておく。

黒赤らしくアグロ向け性能だったが、今回は6マナと非常に重い。攻撃するたびに墓地からクリーチャーを同じく攻撃状態でご招待。伝説の吸血鬼が居なければ一緒に会場を去ってゆく。

真っ先に踏み倒したいのが6マナであるオリヴィア自身という矛盾こそ感じるが、冠婚葬祭に野暮な突っ込みは無粋だろう。同じく伝説の吸血鬼で墓地からクリーチャーを持ってくる《最後の血の長、ドラーナ》との仲は円満なようで、あちらは伝説のクリーチャー、すなわちオリヴィアを招待してくれない。

《霊狩り、ケイヤ》

霊どころかゾンビ人狼吸血鬼区別なく狩ってしまいそうな迫力あるケイヤ。『カルドハイム』に続いての登場。

3マナと軽く初期忠誠度3。そのためか[+1]はクリーチャー強化で全体接死。+1/+1カウンター獲得はトークン1体のみである。

[-2]はトークン生成を2倍にする一時的な《似通った生命》。クリーチャーのみならずトークン全てに適応され、宝物、手がかり、血とアーティファクト・トークンが当たり前の環境なので覚えておきたい。

奥義[-6]は彼女の代名詞でもある墓地追放。霊魂狩りに特化した暗殺者ながら、追放した枚数分の1/1飛行スピリットトークンを生成する。的は多い方が良いということだろうか。

[+1]全体切死はアグロならば嬉しい効果なのは間違いないのだが、[-2]を有効活用できるかが鍵だろう。もう少し汎用性のある能力があればといったところ。

レア

《見せられた花婿、エドガー》//《エドガー・マルコフの棺》(航海者ドラキュラ//我が土地の棺)

四大血統の1つマルコフの始祖。さらには、彼自身が11人の仲間と共に執り行った不老不死へと至る儀式こそがイニストラードにおける吸血鬼の始まり。即ち、吸血鬼という種族の始祖こそがエドガー・マルコフである。プレインズウォーカー、ソリン・マルコフは彼の孫にあたり、エドガーの血を飲み吸血鬼化した衝撃かプレインズウォーカー覚醒のきっかけでもある。

 

「吸血鬼」という怪物の始祖であるドラキュラ及び彼が有する安息の領土が描かれるのにこれ以上相応しい人物もいないだろう。(やたら描かれたが)

先立って登場した《エドガー・マルコフ》は赤黒白だったが今回は白黒のみ。なにより、神話レアでないのが意外だった。(プレインズウォーカーかつおおよそ白黒でなければ設定的に難しいケイヤに譲ったのだろうか)

能力の方はやはり吸血鬼の全体強化のいわゆる、ロード。死亡すると棺に入るが、血統が断たれることなく復活の時を待つ。特定の手段でなければ滅することができない「不死の怪物」を表現するにふさわしい仕上がりだろう。

《流城のルノ》//《深淵の王、クロサス》

四大血統の1つストロムカークの始祖。流城と訳され結局今回もそのまま登場することとなった長い歴史を記すには話がそれすぎてしまうので今回はやめておく。

赤黒の吸血鬼から離れてまさかのゾンビカラー青黒での登場となった。クロサス復活こそが目的なようで、吸血鬼の中でも異質な存在だとアピールしている。

3マナ1/4飛行に戦場に出たときに墓地のクリーチャー・カード1枚をデッキ上に置く変則的な墓地回収。この能力はクロサス召喚の条件を満たす計画とみて間違いはないだろう。

《深淵の王、クロサス》はまさかの飛んだままクラーケン。タコならまだしもクラーケン。攻撃するたびに他の攻撃クリーチャーのコピー生成、それがクラーケンかリバイアサンかタコか海蛇なら2体というまさかの海産部族特化路線である。変身条件の6マナ以上に合致し、コピーしがいのある高級海鮮を見出すことに精を出して吸血鬼の事は忘れてしまおう。

《復習に燃えた犠牲者、ドロテア》//《ドロテアの報復》

2マナ4/4飛行というすさまじい性能だが戦闘1回で昇天してしまう。しかし、それで復讐を遂げられるはずもなく、生者の元へ降霊、一緒に殴りかかっていく。打点自体は申し分ない。

間違いなく《聖トラフトの霊》が基となったカードで、この降霊は彼でやると思っていた。

本セットに彼の姿はまるでない。やはりケイヤに除去られたのだろうか。

《面汚しの乙女、エインジー》

四大血統の1つファルケンラスの末裔エインジー。ファルケンラスの始祖はすでに没しており、その血族の中でも長く生きる彼女は有力者なようだ。いくつかのフレイバーテキストを残すにとどまり、カード化されたのは『統率者2019』だった彼女が満を持して参列となる。

「面汚しの乙女」なるすさまじい翻訳が成されたがその面は美しいとだけ言っておく。

4マナ4/5で自身か同族の吸血鬼が出ると出血大サービス。(毎ターン1度のみ)
血トークンの使い道も自前で、2マナで2点のドレイン。コストはクリーチャーでも賄え、サクリ台の側面も持つ。《ヴォルダーレンの投血士》ら、血トークン活用にサクリ台が必要だなと思ったらここにいた。

起動に2マナかかってしまうのだけが欠点だが、《4マナ4/5でドレイン》はタルキールの面汚しを彷彿とさせてしまうので配慮された。

《血に呪われた者、オドリック》

今回のプレビューで最も話題を集めたカードは《英雄の破滅》で間違いないだろう。

【マジック:ザ・ギャザリング】『イニストラード:真紅の契り』先行カードプレビュー! ~《英雄の破滅》&《奉仕への切望》~ | コロコロオンライン|コロコロコミック公式

『テーロス』期に活躍した対プレインズウォーカーのレアカードが、アンコモンに格落ち再録。そして、そのイラスト、フレイバーテキストで示唆された、オドリックの闇堕ちである。

オドリックの略歴と、《大群退治》に描かれたことで期待した彼の復活は以前書いてしまったのでそちらをお読みください。

1257枚目「イニストラード:真夜中の狩りの神話、レアを雑に語っていく」

さて性能はというと、血トークン生成特化・・・というかそれしかない。それも《月皇の司令官、オドリック》を意識したキーワード能力参照で、自身は何も持っておらずまさかの3マナ何もしないが頻発。辛うじて3マナ3/3ではあるがそれだけである。
過去どのオドリックも決して強いカードだったとは言えないが、こと集団戦闘に関してはちゃんと強かったのでただ悲しみだけが残った。

サイドストーリー第2話:血の祝福|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
《苛まれし予言者、エルス》(精神病の下僕、レンフィールド)

何かすげえ悪魔に憑りつかれまくってる女性。エクソシスト派遣してあげてほしい。

カードを引く代わりに2枚追放の衝動的ドローに変換。純粋に見れる枚数こそ増えているが、追放したターンのみのプレイ制限のせいでインスタントを待ち構える方向性に合致していない。

どうにも強さがわからないが、使ってみると案外とんでもなかったりするんだろうか。

モノクロ版に《もぎとり》味がある。

《雑食するもの、グロルナク》

『真夜中の狩り』統率者カード《威圧の光景》に描かれた、《ギトラグの怪物》を思い描いたカエルくんの成長した姿だと勝手に認識しておく。

能力も土地とドローに関連したもので、攻撃時に3枚の切削し、この能力に限らずデッキから直接墓地に落ちたパーマネントに蛙声カウンターを置き追放。それらのカードを自由にプレイ可能とする。

スタンダードよりも統率者、ブロールでの専用デッキ構築が見込める。ただ、《大スライム、スローグルク》と組み合わせて使ってみたい気もする。両者とも戦場にいなきゃデッキが機能しないところを、両方入れちまえばどっちかは来てくれるだろ理論である。

《結ばれた者、ハラナとアレイナ》

『イニストラードを覆う影』のストーリー中に登場、『統率者レジェンズ』で共闘を持つクリーチャーとしてそれぞれカード化された二人が結ばれた姿。

先制攻撃と到達を持つところまでは良いが、サイズが加算されることはなかった。

クリーチャー強化能力の路線は継続され、《ハラナとアレイナ》のパワー分+1/+1カウンターと速攻を与える。自身は対象にすることはできないのでやはり統率者向けのデザインなのだろうか。

《ラトスタイン爺》

《忘れられていた家宝》//《灰口の刃》などいくつかのフレイバーテキストを記した商人がカード化である。

ストーリーの進行に合わせて商品を追加、マップ入り口付近でプレイヤー相手に商売を行うタイプの商人で、墓地に送られた物品にあらゆる商機を見出す商才の持ち主。切削したのが土地ならば宝物を。クリーチャーなら1/1虫を。それ以外では血を一瓶売ってくれる。

しかしやはり商人。きちんとした売買・・・自身の能力による切削でなければ機能しない頑固者な側面がある。自身の値付けだけは何者にもできない。

《天使の拳、トーレンズ》(ジョン・セワード博士)

メイスを武器に殴りかかる正統派パラディン。訓練を持つがそれ以上にクリーチャー呪文で1/1訓練生を呼んでクリーチャー展開を担う集団戦略の方が際立つ。《トーレンズ》が2/2なので実質2/2と考えればかなりのもので、《光の勇者、シガルダ》と共にあれば良質な訓練を重ねる上に集会を満たすこともできる。




無色

レア

《調査官の日誌》(ハーカーの日誌)

最も多くクリーチャーをコントロールされたクリーチャー数分の容疑をかけ、1枚ずつ深めていくアーティファクト。おそらく容疑は共謀罪。

容疑が無くなると晴れて事件は迷宮入り。日誌は保管しておくスペースは予算不足で確保できないために破り捨てられ1枚のカードに変えられていく。

ドローエンジンを担うには不安定すぎて長期的に見ると《アイ・オヴ・ヴェグナ》の方がよさそうに見える。だが、容疑2件程度でも3枚ドローに繋がり、2マナインスタントタイミングの起動は充分な強みだろう。


《捜査員、ジェイコブ・ハーキン》及び《ジョナサン・ハーカー》が手がかり関係ない能力だと書いたらまさかの日誌が《手がかり》を有していた。

《恐怖のドールハウス》

明らかに人形が動き出してスプラッターなことになるアーティファクト。効果も実際そのようなもので、墓地のクリーチャーの霊魂を宿した構築物を生成、惨劇は速やかに繰り広げられる。

建設費5マナに入場料1マナをどう見るか。また、能力こそ維持するがサイズが構築物依存とリアニメイト手段としては大きくパワーダウンしてしまう。





 

土地

《ヴォルダーレンの居城》(ドラキュラ城)

四大血統の1つヴォルダーレンの本拠地にして此度の会場。吸血鬼特化土地で、吸血鬼呪文への使用ならば好きなマナを出せる。もちろん、ライフ1点は徴収。名家が無料奉仕するなど威厳に関わる。また、同族から嫌われ過ぎなソリンに支払えないあたり忠実な世界観の描写を感じる。

5マナとタップの実質6マナもかかってしまうが、参列した吸血鬼たちに血を振舞ってくれる貴族らしい一面も。フォーマットを問わず、部族デッキを組むならばとりあえず入れておいて損はない。

 

《死天狗茸の林間地》《夢根の滝》《嵐削りの海岸》《日没の道》《砕かれた聖域》

イラストが素晴らしい。

『真夜中の狩り』で友好色版が登場したのに続く対抗色土地。他に2つ以上の土地があればアンタップインとなる。通称:スローランド。

アンタップイン条件は非常に緩く、中盤以降に動き出すミッドレンジ、コントロール向けの土地。1ターン目から動き出したいアグロには厳しいだけでそれ以外には全く欠点がない。

最強色として実績を積み上げ続けている青赤の登場となる。土地が強いというだけで他の組み合わせも充分目があり、特に三色デッキが姿を見せだしてもおかしくない。





 

項目名がいまいち定まらない最後にとかめとめとかそういうところ

何時間かけたかは数えたくない。日没を遅らせてほしい。





 

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フレイバーテキスト

  1. 1時間じゃ足りなかったです(感激)

  2. いつも拝見しています!
    今回もすごい楽しかったです。今日からのプレリがより一層楽しみになりました。
    ありがとうございます。

    ちなみに、テーロス還魂記の還が、環になってます。

今日の手札

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