Turn into a Pumpkin / カボチャ変化 (3)(青)
インスタント
土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。カードを1枚引く。
一徹 ― この呪文を唱えるために青マナが3点以上支払われていたなら、食物(Food)トークンを1つ生成する。(それは「(2),(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つアーティファクトである。)
カボチャ変化にかけられて。
『エルドレインの王権』アンコモン。4マナの土地でないパーマネント1個を手札に戻す、いわゆるバウンス呪文である。
同系統の呪文でも重めだが、1ドローがついているので「基本2マナの呪文にキャントリップ付き」と考えるとコスト相応といったところだろう。
さらに、青マナを3点以上支払ってプレイしていれば青一徹、食物トークン一丁あがり。
バウンスと食物3点回復の合わせ技で延命策に優れてこそいる。「Turn into pumpkins」とは門限や刻限を表現するのに用いられるイディオム(慣用句)で、それにちなんだ時間を稼ぐ効果になっているのは芸術点が高い。(MTGwikiに感謝を)
だが主目的である単体バウンスにして4マナという重さに加え、一徹は特性上単色デッキでなければ厳しい効果。欠点を補い利点を増すべく多色で構築されるコントロールデッキには不向きで、リミテッド向けカードの域は出ないだろう。
フレイバー的には先述したイディオムも含め、かの童話「シンデレラ」が元ネタである。
むかしむかし。
父がいなくなったがために、意地悪な義母に召使として扱われる娘がいた。
そんな彼女にも味方がいた。彼女を助けてくれる、面倒見のいい妖精さんだ。
魔法でカボチャを馬車へと変えて。物語の表舞台へ!
夢に描いた王子様の元へと!さあ、行きましょう!
(・・・ここらでカボチャになって記事〆れば面白いやろなあ!)
(カエルで何回かやっとるし、今回もそれで行けるやろ!!!)
しまった!もうこんな時間!魔法が解けてーーー
肉体は依然として人を象り、ワクチン注射の鈍痛は鎮まることなく生を実感させてくれる。
俺はカボチャではなかった。一徹に程遠く、青への信心が足りないただの無力な人間だったのだ。
・・・カボチャの鳴き声がわからなかった。カボチャの表現がわからなかった。
それでも少し、あがいてみよう。
未来の姫君を乗せた魔法のカボチャは、役目を果たして何を想っただろうか。
後の展開を知り、自らの宿命に満足しただろうか。
灰かぶりの村娘が水晶の靴を前に赤面する様子を眺め祝福を捧げただろうか。
あるいは、ハツカネズミに齧られ苦痛に歪み朽ちただろうか。
食卓を彩るべく育まれながら野道に捨てられた末路は、かの娘との対比とすら思える。
だが食物としての本懐を絶たれても、植物は強く逞しい。
その地にて新たなる芽吹きを迎えることだろう。自然への回帰とは言い得て妙だ。
ああ、もう魔法は解けたな。ここまでだ。
果たして何人、文末まで運べただろうか。
フレイバーテキスト
貴方がいてくれたから、私はお城に行くことができたんです