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190枚目「Lord of the Kings」

ゴブリンの王

Goblin King / ゴブリンの王 (1)(赤)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
他のゴブリン(Goblin)・クリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに山渡りを持つ。(それらは、防御プレイヤーが山(Mountain)をコントロールしているかぎりブロックされない。)

ゴブリンの王になるには、先代の王を暗殺しなくてはならない。故に、もっとも愚かな者だけが首領の座を目指す。
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ゴブリンの王とは年代記である。





歴史へと最初に名を刻んだ王は「アルロック」である。
アルロックはゴブリンの中で最も山渡りが上手く、名だたる霊峰を制したことで名声を勝ち取り、部族最初の王として君臨することとなった。
彼は山を愛し、山とともに生き、彼を愛したゴブリンたちもまた、皆同様に山を愛した。
アルロックはゴブリンでありながらゴブリンではなく、《ゴブリンの王》となったのだ。

だが、その栄光は長く続くことはなかった。

「ロル」はアルロックのいとこである。
幼き頃から共に山を渡り続け、アルロックが王となってからも常に共にあった。
とある登山の帰り際。
ロルの脳裏に一つの疑問が浮かんだ。
『アルロックさえ居なければ、自分が王になっていたのではないか』
魔が差した、とでも言うのだろうか。
気がついた時には先導していたアルロックの背中を押し、崖の下へと突き落としていた。
我に返った時にはもう遅く、アルロックは息絶えていた。
『取り返しの付かないことをしてしまった』という自責の念こそあったものの、『自らが王座に付く』という実感が湧くとともにすぐに消えていった。
「アルロックは滑落事故により命を落とした。遺言に従い自らがその後を継ぎ王となる。」
同じ血族であり、アルロックに勝るとも劣らない山渡り術を持つロルを疑うものは誰も居なかった。

ある一人を除いては。

「ヴィッデル」はアルロックの息子である。
『アルロックの生き写し』と形容されたカリスマ性を生まれながらに持ち、次世代のゴブリンを率いていくことが有望視されていた。
しかし、アルロックがロルの手により殺されたことで自体は一変してしまう。
王となったロルは自らに権力を集中させるため、アルロックの子供たちを中枢から遠ざけ、さらには自然死を装い抹殺しだしたのだ。
ヴィッデルは抗うことはしなかった。
それが時代の選択なのだと受け入れていたのだ。
『父の死が事故によるものではない』と知るまでは。
真相を差出人不明の手紙で知ると、ヴィッデルはロルを消し去ることに決めた。
ロルが父アルロックを殺した時と同じように。
そうしてヴィッデルは王となった。

自らの運命も知らずに。

「アンクフル」は優秀な戦士である。
自らの力量だけでなく指導力にも定評があり、一個師団を任せられる戦長。
政とは無縁の世界に生きてきた彼が、なぜ王を目指すことになったのかは記録に残っていない。
しかし、部隊を率い軍事クーデターを起こし王となったことは事実である。
これより前の時代にも反乱こそあったが、それらは未然に防がれている。
ヴィッデルは優秀であったものの、まだ若く、弱すぎたのだ。
手紙を送ったのもアンクフルの部下であり、武人であるとともに、策謀にも長けた優秀な戦士であったようだ。
その後は瞬く間に実権を掌握し、軍事政権を築き上げた。

利用されていたとも知らずに。

「ブログ」は稀代の大金持ちである。
ゴブリンの中では商いに秀でていた点で類まれであり、中間階級でありながら大きな影響力を有していた。
ブログはアンクフルにとって最大のスポンサーであった。
何時の時代でも闘争には金が必要である。
一軍人であった時こそは言いなりになっていたが、王となった今ではその必要もない。
今やブログはアンクフルは目の上のたんごぶであった。
満を持して。アングフルは軍を動かしブログ抹殺を命ずる。
しかし、部下たちは王であるアンクフルに矛先を向けた。
アンクフルがヴィッデルを倒すことも、その手段に軍を用いることも。
すべてブログの計算の内だったのだ。
こうして、ブログは王となった。
長きに渡る計略が実を結んだ瞬間である。

ある男が現れるまでは。

「ナムスギル」はゴブリンの中のゴブリンである。
所詮は成金に過ぎず、庶民を顧みないブログには王としての資質はまるでなかった。
民衆のそうした失意の中に現れた『ゴブリンすぎるゴブリン』であるナムスギルが名を上げるのにそう時間はかからなかった。
類まれなる政治的手腕の持ち主であり、「ゴブリンのゴブリンによるゴブリンのためのゴブリン」というスローガンを掲げ、王でありながら常にゴブリンであることにこだわった。
余談となるが、ブログの消息は未だ明らかとなっていない。

こうしてゴブリン王朝は未来永劫続くと思われた。
だが、あるゴブリンの一言によりあまりにあっけなく幕を閉じる。

「『ドカバキ』の歌を歌おうぞ!」

 

MTG新大型時代劇
「ゴブリンにもゴブの魂」

~完~





 

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フレイバーテキスト

  1. 読ませるなぁ

  2. プレインズウォーカーはその物語を、一つの薬瓶を通して覗く

  3. 今回は下の画像も日本語版にした方が分かりやすかったと思う(コナミ

  4. ゴブリンが崇めるのは鍛治の神
    ゴブリンを誘惑するは一人の女聖騎士
    ゴブリン可愛い。

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