Inverter of Truth / 真実を覆すもの (2)(黒)(黒)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
欠色(このカードは無色である。)
飛行
真実を覆すものが戦場に出たとき、あなたのライブラリーからすべてのカードを裏向きに追放し、その後あなたの墓地からすべてのカードをあなたのライブラリーに加えて切り直す。6/6
真実を覆すものとはMTGはライフを0にしたら勝ちというゲームを覆し、またそれも覆して殴り勝てる。
多元宇宙を喰らいつくす怪物『エルドラージ』との次元:ゼンディカーの存亡をかけた戦いを描いたセットで登場した、ライブラリーを喰らいつくすもの。
体格は4マナ6/6飛行とかなり強力である。それとおまけに『欠色』。
エルドラージはマナが5色に分かれる以前の太古から存在するとされ、その多くは色を持たず、コストに色マナを指定するものでもこの『欠色』という能力があれば無色なのである。
これにより『プロテクション』や色対策カードをくぐり抜けてしまうので忘れないでおこう。
この系統に珍しく裏向きなのでカード内容は対戦相手に知られることがなく、手札を読まれることもサイドボードの戦略が読み取られることもない。
かと言って良いことばかりでなく、自身もその内容を参照できないので《久遠の闇の誘引》のような追放領域からカードを手札に加える系統の効果で手札に加えることができない。
とんでもなく豪快な墓地再利用能力でもあり、普通に使えば10枚以下、ライブラリーアウトによる敗北目前となるのが珍しくないのだが、デッキの中身はそれまで使用した有効札である。
なにより《真実を覆すもの》がフィニッシャーには充分な戦闘能力を有するので意外と強かったりはする。
同セットで登場し環境を定義、最終的に禁止カードとなった《反射魔導士》の光る姿を見てどういう時代だったか察してほしい。
彼の相棒として名高い《地ならし屋》と同様に勝利条件へと一気に近づけるのだが、あまり実用性が高くはなくファンデッキ止まりといえる。
さらには灯争大戦の《神秘を操る者、ジェイス》が《研究室の偏執狂》そのものの常在型能力に加え、ドローとライブラリー2枚破壊を併せ持った[+1]能力という、似た条件を持つ特殊勝利カードが2種登場していたことでパイオニアにてデッキが成立する。
それをマジックプロリーグ所属選手Piotr ‘kanister’ Głogowski氏に直接ツイートし、氏が自身の配信で使用したところ一気に広まったようだ。(これよりもっと先にあったら申し訳ない。真実を覆してほしい。)
かつてモダンに君臨し、禁止となって構築不可能となった『欠片の双子』を模したUb Splinter Twin(欠片の双子)と仮名をつけられているように、このデッキの強みは状況次第で即勝利が決まるコンボが2枚で済むので残りの部分を自由に構築できることである。(色は欠けている。)
通常の青黒コントロールのように戦うこともできるし、青単信心に《真実を覆すもの》を投入する構築も現れている。
なにより、パイオニアならではの特徴は《時を超えた探索》の存在だろう。
青系のコントロールなら例外なくカードパワーを発揮する呪文なのだが、《真実を覆すもの》デッキには抜群に作用し、コンボパーツ探しと『探査』最大6枚の墓地追放によるライブラリー選別が共に高いレベルで行える。
このモダン禁止、レガシー禁止、ヴィンテージ制限という超凶悪呪文、パイオニアでは無制限。
これの存在から『モダンの青黒より強い』と称する人もいる。
パイオニア開催のプレイヤーズツアー・名古屋2020直前に登場した強力デッキとして《真実を覆すもの》の価格が大きく覆された。
wisdom guildの価格グラフで見事な壁を築きあげているので貼っておこう。
その勢いのまま多くのプレイヤーが構築を模索し、使用者数最多のトップメタとして君臨。
配信上でも多様な姿を見せ、大きな衝撃を残した。
そんな興奮冷めやらぬプレイヤーズツアー・名古屋2020 、2日目。
生放送はーーー
この後すぐ!
フレイバーテキスト
やはりDigは逃れられぬカルマ
digの噛み合いっぷりがすばらしい。Wizardsはこのコンボを見抜いていた