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1122枚目「荒野の禁止」

荒野の再生

Wilderness Reclamation / 荒野の再生 (3)(緑)
エンチャント
あなたの終了ステップの開始時に、あなたがコントロールしている土地をすべてアンタップする。

「壁は割れ、建物は崩れる。いつでも自然が帰ってくる。」
――ドムリ・ラーデ

荒野の再生は禁止されました。





『ラヴニカの献身』アンコモン。土地をアンタップするタイミングを作り出すエンチャント。単純に使用した土地をアンタップ状態に戻し対戦相手へターンを渡してもいいし、能力の誘発に合わせて土地からマナを生み出しアンタップ、再度マナを生み出せることで2倍のマナを生成することもできる。複数の《荒野の再生》があればその枚数分誘発するのでさらにマナを出すことができる。
かつては《覚醒》、その次は《種子生まれの詩神》、《クルフィックスの予言者》と、それなりに間隔を開けてやってくる緑のアンタップパーマネントで、使い勝手は同じーーー
《覚醒》
『ストロングホールド』
《種子生まれの詩神》
『オンスロート』初出
《クルフィックスの予言者》
『テーロス』
ーーーではない。テキストを見ていただくとわかる通り、土地をアンタップできる点に関しては同じだが、そのタイミングが大きく異なっており、上記の3枚は他のプレイヤーのターンに対して、《荒野の再生》は自分のターン終了時である。つまり、4マナで《荒野の再生》を設置したらそのターン終了時に使用したすべての土地がアンタップするので実質無料なのである。
先代たちは自分のターンで動いた隙を消し、相手ターンにもフルで動けるようにするのが主な役割だった。《荒野の再生》は同じ役割を行いつつ、ターンを渡さずに膨大なマナを生み出すことで、重いインスタントをぶっ放せることが大きな強みとなっている。




ネクサス

スタンダード登場時では、すでに実績を積み上げていた「ターボネクサス」に採用される。
《運命のきずな》
『基本セット2019』BOX購入特典
 

7マナと重めの呪文だが、インスタントで、追加ターン。《荒野の再生》の「膨大なマナ生成」「誘発が自分のターン終了時」という強みと完璧に噛み合ったのである。また、《運命のきずな》に取られた再利用防止措置としての墓地へと行かずデッキに戻る能力は、《伝承の収集者、タミヨウ》の[+1]能力により、無限ターン実現へと利用される皮肉な結果となっていた。

特に対策のしにくいメイン戦が強力なデッキで、MTGアリーナではサイドなしの1本勝負(BO1)で《運命のきずな》が禁止。現在ではパイオニア、ヒストリックでも禁止となっており、もっと下の環境へ潜らなければ構築が不可能となっている。





 

ティムール再生

膨大なマナを生み出した使い道として真っ先に思い浮かぶのはやはり、つぎ込んだマナの分だけダメージを飛ばせるX火力だろう。それがよりにもよって、インスタントのX火力《発破》が存在している。

《発展//発破》
『ラヴニカのギルド』

青青赤赤は火種としてはめちゃくちゃに重く、シンボルが厳しいのは間違いないが、《荒野の再生》があれば土地2枚で済みあまり関係がない。その縛りと引き換えにX枚のドローを同時に行うことで次の《発破》を引き込み、《荒野の再生》を追加してより強力に放つことができる。これに《成長のらせん》《ハイドロイド混成体》などのシミックパワーに、もっとマナを生み出してクリーチャーも提供する《世界を揺るがす者、ニッサ》を詰め込み、青赤緑の組み合わせ、ティムールを冠した荒野の再生デッキが成立、ローテーションにより《運命のきずな》を失ってなお、《荒野の再生》は君臨する。

しかし、「原野ゴロス」「オーコフード」などのもっとやべえ禁止されたデッキに最強の座は阻まれていた。《死者の原野》《王冠泥棒、オーコ》らのスタンダード禁止以降は「創案の火」との二強状態となり、後に《創案の火》が禁止されついに、敵は居なくなってしまった。

動くのがターン終了時という関係上、『灯争大戦』の《時を解す者、テフェリー》常在型能力によるプレイ制限が致命的なのだが、『テーロス環魂記』では、もはやクリーチャーを超えた存在《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をフィニッシャーとして獲得し、さらに『イコリア』にて呪文ではないサイクリングによるマナの使い道《サメ台風》でこれを克服。

《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
『テーロス環魂記』
《サメ台風》
『イコリア:巨獣の棲処』

・膨大なマナを《発破》
・墓地から《ウーロ》
・《シャークネード》サイクル上映

これら三種の別個の強みを持つ勝ち筋による、まさに発展し続けた最強デッキとして君臨。大会が開かれるたびに使用率とその成績。そして、「禁止がでるのでは」と話題となり続けたのだった。





 

2020年8月3日 禁止制限告知

現スタンダードで最後の大きな大会「プレイヤーズツアー2020ファイナル」を終え、9月発売『ゼンディカーの夜明け』でのローテーションまで走り切るのかと皆が思っていた矢先の出来事だった。

突如として、予告なく禁止改訂が告知

スタンダード
《荒野の再生》禁止
《成長のらせん》禁止
《時を解す者、テフェリー》禁止
《大釜の使い魔》禁止
パイオニア
《真実を覆すもの》禁止
《隠された手、ケシス》禁止
《歩行バリスタ》禁止
《死の国からの脱出》禁止
ヒストリック
《荒野の再生》一時停止
《時を解す者、テフェリー》一時停止
ブロール
《時を解す者、テフェリー》禁止
発効日:2020年8月3日

記事内で触れられているがやはり圧倒的な使用率と勝率を示したことで《荒野の再生》は禁止となった。ヒストリックでも《死者の原野》を組み込んだ「ティムール再生」により同様の理由で禁止、止めを刺されることとなった。

やはり4マナ実質無料、次のターン以降マナが2倍というのは、あまりに隙がなさすぎ、それでいながら以降のゲームを崩壊させるには充分すぎる性能だった。《運命のきずな》《発破》共に《荒野の再生》と完全に合致した性能で、プレイデザインを感じずにはいられない。

そんな長く愛され、そして、憎まれたデッキの終焉である。

~合掌~





 

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フレイバーテキスト

  1. やっぱり《創案の火》禁止の時に一緒に禁止されるべきだった
    そうすればここまで嫌われることも…いややっぱりダメか…

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