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1290枚目「アルケミーファーストインプレッション」

書庫の鍵

Key to the Archive / 書庫の鍵 (4)
アーティファクト
書庫の鍵はタップ状態で戦場に出る。
書庫の鍵が戦場に出たとき、書庫の鍵の呪文書からカード1枚をドラフトする。その後、カード1枚を捨てる。
(T):望む色の組み合わせのマナ2点を加える。

書庫の鍵を開けてはならなかったと思う。





MTGアリーナ専用フォーマット「アルケミー」導入に伴い発売された『アルケミー:イニストラード』の1枚。イニストラードとは銘打っているが、イニストラードに限らず現在スタンダードに存在するセットの世界観に合わせた新カードが登場した。

《書庫の鍵》はストリクスヘイヴンのカードとみて間違いないだろう。多元宇宙全域から呪文を収蔵した《大図書棟》を有する学び舎で、その表現として収録されたのが過去のインスタント・ソーサリーを再録したミスティカル・アーカイブである。

「呪文書からドラフトする。」なる突飛な記述はデジタル特有のランダム選択とカード実物を造り出す合わせ技。書庫の鍵の呪文書は以下15枚で構成され中から3枚提示、そのどれか1枚を手札に加えることとなる。

《副陽の接近》 《審判の日》 《時間のねじれ》
《対抗呪文》 《悪魔の教示者》 《破滅の刃》
《稲妻》 《初子さらい》 《クローサの掌握》
《新たなる芽吹き》 《灯の殲滅》 《電解》
《稲妻のらせん》 《成長のらせん》 《化膿》

流石のミスティカル・アーカイブなだけあってそうそうたる顔ぶれ。《初子さらい》や《クローサの掌握》といった相手を選ぶカードが混在し、上振れカードと言いたいところだが、3枚も見れるおかげで腐るカードは早々出てこない。その後手札を1枚捨てなければならないが、質が担保されたドラフトと引き換えなので大きな問題はない。

色が全く合わなかったとしても、《書庫の鍵》自体が好きなマナ2点を出せるマナファクトなことから何とかなってしまったりする。もちろん、破壊されたら目も当てられないので欲張ってはいけない。


アルケミー実装記念に割り引かれたパックから《書庫の鍵》が2枚登場、元よりマナファクトとの相性が際立っている《日没を遅らせる者、テフェリー》を軸としたデッキを組んでいたことで、これに投入。おまけに、アルケミー新規の青いカードを試すこととした。

【テフェリーコントロール】

基本的なことは以前書いているので割愛。簡単に言うと《日没テフェリー》[+1]でアーティファクトをアンタップし、マナを大きく水増しするのが狙いのデッキである。

1282枚目「ある記録 1ページ目」

《書庫の鍵》以外に試したのは《トラルフの信奉者》《同族の否定》《公式発見》《見捨てられた交易路》の4枚。カード性能と感想を記しておく。

《トラルフの信奉者》

殴ると《稲妻》が4枚デッキに入ります。3マナ3/3速攻です。《稲妻》ってぶっちゃけいつ引いても強くないですか?《稲妻》が弱いMTGってあるんですか?

・・・4枚、8枚増えてもさっぱり引けないことは珍しくない。《表現の反復》などでデッキぶん回しても引かない時は引かない。《稲妻》を引かない限りは3/3速攻でしかなく、アドバンテージは全くない。

《同族の否定》

相手依存なサーチ付き確定カウンター。4マナは流石に重いが手札が減らない上に、ある程度絞ったサーチが狙える。特に4マナを打ち消すと次の《同族の否定》が飛んできたりする。

デッキの核たる《日没テフェリー》《書庫の鍵》共に4マナ。3マナ、5マナにも手札に入れておきたいカードが多くこの辺りを狙いたい。

《公式発見》

6マナインスタント3枚ドローの面した畜生。これが打てる時点でマナが充分伸びきっており、必要なのは使い道となる呪文。親切にも余計な土地を弾いて呪文3枚を抽出したあげく、全ての呪文を1マナ軽くする謎のおまけがついている。言うまでもないが、この軽減能力は抽出した呪文のみならず手札すべてに作用する。青様には適わねえや。

《見捨てられた交易路》

選んだ色マナを出せる単色土地。タップインだが、後攻ならばアンタップインにできる。それを抜きにしても無条件で占術1。要は、単色の神殿である。

多色デッキで足りない色を補いつつ、少しでも安定化に貢献できる絶妙な土地で、本家神殿同様に使い勝手がいい。むしろ、この占術目当てで後攻でもアンタップインしないことが多い。

書庫の鍵は・・・

《書庫の鍵》はやはり強かった。いや、強すぎるだろう。元より2マナも増えるマナファクト、放っておけるわけがない上に、非公開のトンデモ呪文が1枚手札に加わる。

豊富かつ質のいい除去、特に《審判の日》が下り、《書庫の鍵》が立ってるだけで《対抗呪文》におびえ、《悪魔の教示者》の2マナを賄っている。《副陽の接近》はしっかりデッキに加わるフィニッシャーであり、《時間のねじれ》が押し切りもする。

とてつもない理不尽さに打ち震えた。

テレポ型(デッキリストあり)

そうしてデッキを回し続けている内に目についた情報が《テレポーション・サークル》による《書庫の鍵》使い回しコンボだった。私の発想は《日没テフェリー》によるマナ増加であり、ブリンクコンボは視野に入れていなかった。なにより、この手の絵合わせコンボがあまり好きではない。

しかし、これは試さねばならないだろう。なにせもう気付いていた。《同族の否定》による4マナ打ち消し抽出、《書庫の鍵》から《悪魔の教示者》。《表現の反復》などの強固なドロー手段。これらのおかげでコンボは充分実現範囲なのだと。

デッキ
4 表現の反復 (STX) 186
2 廃墟の地 (MID) 262
1 這い回るやせ地 (ZNR) 262
2 書庫の鍵 (Y22) 59
1 セレスタス (MID) 252
1 砂漠滅ぼし、イムリス (AFR) 62
4 ゼロ除算 (STX) 41
2 不思議な秘本 (MID) 63
1 見捨てられた交差路 (Y22) 63
2 ドゥームスカール (KHM) 9
1 船砕きの怪物 (VOW) 63
2 日没を遅らせる者、テフェリー (MID) 245
1 ストーム・ジャイアントの聖堂 (AFR) 257
2 同族の否定 (Y22) 18
1 招待制 (VOW) 5
2 クローンの造り手 (Y22) 14
4 さびれた浜 (MID) 260
1 エメリアの呼び声 (ZNR) 12
4 山 (VOW) 401
3 平地 (VOW) 398
5 島 (VOW) 399
2 トラルフの信奉者 (Y22) 44
4 削剥 (VOW) 139
2 嵐削りの海岸 (VOW) 265
1 公式発見 (Y22) 15
1 河川滑りの小道 (ZNR) 264
1 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
1 悪魔の稲妻 (KHM) 129
2 テレポーテーション・サークル (AFR) 39

サイドボード
1 アルカイックの教え (STX) 57
1 記憶留出法 (STX) 25
1 謹慎補講 (STX) 7
1 環境科学 (STX) 1
1 マスコット展示会 (STX) 5
1 殲滅学入門 (STX) 3
1 予言学入門 (STX) 4

結論から言うと酷かった

勝手に生えてくる除去でマウント取ってからの《副陽の接近》、《時間のねじれ》からの《時間のねじれ》、《時間のねじれ》を《新たな芽吹き》。

追加ターンはどうやっても面白くならんからもうあきらめてほしい。

このデッキはBO1用だが、サイドボードの余地は多分にある3色なのでBO3でも十分通用するように思う。ただ、現状では青白で構築が試されているようだ。

赤を足す利点はまず《表現の反復》。《削剥》で相手の《書庫の鍵》を割れる。それと3色であるが故に《書庫の鍵》ドラフト受けの広さ。壊されても《稲妻》《電解》《稲妻のらせん》が打てます。

感想文

《書庫の鍵》が面白いカードなのは間違いない。しかし、やりすぎなように感じた。少なくとも《時間のねじれ》は余計だった。おそらく呪文書の内容は変更されるような、修正されるカード筆頭の1つだろう。

そう、あくまでその1つに過ぎない。私個人が感じた現状やばそうなカードを記しておく。これらが強すぎて調整版カードとかどうでもよくなってる。

《霊媒者》

アグロたちがついに手にした1マナ2/1をしっかり受け止める謎の1/3。膠着させた上に3マナ以上の呪文を2マナも軽くしてしまう。1マナ《ゼロ除算》されたときの気持ちを考えてほしい。余計にコントロールが強くなった。

1マナ重くなるかパワーかタフネス1下がりそう。

《審問官の隊長》

当たり確定の《集合した中隊》。冷静に考えて最大7マナの動きを4マナでやる何かがおかしいカード。《正義の戦乙女》《サリア》《精鋭呪文縛り》ら白の優秀な軽量クリーチャーはまだしも、《玻璃池のミミック》を持ってきて誘発ループしだしたりする。人間、クレリックで部族適性が高すぎる。

マナ総量2以下になるんじゃないか。

《血塗られた刷毛》

血トークンでドレインとクリーチャー死亡時にドレイン。これ単体というよりも《食肉鉤虐殺事件》との併用による部分が大きい。《這いよる怪異》《ひきつり目》に加えて《呪い縛りの魔女》なる除去討つのもばかばかしく、チャンプブロックすらさせたくない死んだら得する1マナクリーチャーが増えたことで凄まじい遅延性能を発揮している。

《恐るべき仔竜》

恐れを超えて萎えるまである。先攻2ターン目《恐るべき仔竜》への対処は困難を極め、1度でもターン終了を迎えた時点で役目を終えている。《恐るべき仔竜》自身もドラゴンなためにこの恩恵を受け2枚目以降は平然と1マナで登場し、2マナ軽減していく。

現スタンダードでは、戦場に出さえすればきわめて強力な4マナ5マナドラゴンに満ち溢れており、6マナ以降にも《星山脈のドラゴン》《ヴェロマカス・ロアホールド》が控えている。

もしあなたがドラゴン好きとして。これら屈強でかっこいいドラゴンを使いたいがために《恐るべき仔竜》を出し、ターンを終了しさえすればおおよそそこが決着である。「よーし!ドラゴンだすぞー!」の「よ」の時点で相手は消し飛んでいてもおかしくない。3マナ4/4飛行+メリット能力持ちなどどうにかできるゲームではなく、以降も永久的に軽くなっていく。まだわからないって?いや、知らんよ。手札見えねえし。

《街焼きの暴君》もミシュラランド対策に登場したようだが、出すべきではなかったと思う。

《執拗な仔狼》

1マナ1/2で次に唱えたクリーチャーが強化される。戦場に出た時点で役目を終えており、地味にライフ1点回復。その強化性能が凄まじく+1/+1、トランプル、警戒の各カウンターを獲得するというもの。

《審問官の隊長》と双璧を成すアグロ陣営が手にした最強格のカードにあたると思う。というか、これくらい盛らないと太刀打ちできないんじゃないかってくらいコントロールが強い。強いのはわかるし、文句が出てもおかしくないくらいだが。

お気持ち

「あのカード強すぎるナーフしろ」だの「禁止しろ」だのは愚痴はまだしも本気で言ってる人とは距離を置きたいタイプなのだが、デジタル専用かつテコ入れしまくるアルケミー。修正しなければ存在意義がないアルケミー。新時代のMTGはこうなってしまったのだという意味を込めてあえて記すこととした。思えば、カード修整を追っかけるのに疲れ果ててシャドウバース触れなくなったんだよなと悲しくなってしまった。

逆に言えば、これらのカードをいつまで今の性能で使えるのかわかったものではない。今のうちに楽しめるだけ楽しんでおくのが正解なのは間違いないだろう。「調整版スタンダード」なんて生易しいものでなく「完全新規フォーマット」がアルケミーである。

さあ、書庫に鍵を差し込め。





 

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  1. ヒスブロに必要なカードが多すぎる

  2. まさに時代の変化ですね…

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