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土地

332枚目「ウルザの運命」

ウルザの塔

Urza’s Tower / ウルザの塔 
土地 — ウルザの(Urza’s) 塔(Tower)
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。あなたがウルザの(Urza’s)・鉱山(Mine)とウルザの・魔力炉(Power-Plant)をコントロールしている場合、代わりにあなたのマナ・プールに(3)を加える。

資源集めについてのトカシアの教えを、ウルザはいつも上手に生かした。

ウルザの塔とはこれだけ3マナだよ。





3種類の特殊土地から成る、通称:ウルザトロン。初出は『アンティキティー』のコモンで、イラストが4種類ずつ存在する。

《ウルザの鉱山》
《ウルザの魔力炉》
《ウルザの塔》

余談だが、「トロン」とはギリシャ語由来の接尾辞で「(接頭辞)の研究施設」といった意味となる。つまり、ウルザトロンは「ウルザの研究施設」を意味する通称である。メガトロンやサイバトロンはよくわからない。

単体では無色1マナずつしかでないが、これら3種類揃えることで3枚で7マナもの無色マナを生み出す。「単体でも機能するが、組み合わせることで真価を発揮する」という、ウルザの意向そのものの土地である。

『アンティキティー』の頃はまだこの膨大なマナを活用する手段に乏しく、『基本セット第5版』に再録された際にも同様で、これといった実績はない。
余談だが、僕は第5版の塔と鉱山しか持っていなくて、揃ったらどうなるんだろうと想い馳せたものである。


間を開けて『第8版』に再録。新枠になると共に、イラストも新しいものとなった。

《ウルザの鉱山》 《ウルザの魔力炉》 《ウルザの塔》

当時はあの『ミラディン』ブロックである。膨大なマナ、それも無色マナの使い道となる強大なアーティファクトにありふれているだけでなく、《森の占術》と《刈り取りと種まき》という特殊地形にも対応したサーチがあったことでついに実戦に顔を出すようになる。おおよそアーティファクトが主体となる環境で、緑のアーティファクト対策を搭載しやすいことも追い風であった。

《森の占術》
『ミラディン』
《刈り取りと種まき》
『ダークスティール』

ウルザトロンを高速で揃え《歯と爪》を双呪で唱えて踏み潰すデッキ「歯と爪」に代表される緑系トロン、意味深に7マナの《メムナーク》を主力に据えたフレイバー漂う「青単トロン」が活躍した。


『ミラディンー神河』期を駆け抜けた後、続く『第9版』にも再録。『ラヴニカ』ブロックにてマナファクト兼フィルターである各ギルドの《印鑑》を獲得する。これにより色マナを生み出すことが容易となり、「歯と爪」無き後もトロン系デッキは姿を変えて登場することとなる。

X火力にXバウンス《撤廃》を有し、『神河』期には青のフィニッシャー《曇り鏡のメロク》、『時のらせん』期には赤の《ボガーダンのヘルカイト》を有効に使えた青赤のイゼットロンが長く活躍した。『時のらせん』では新たなウルザの土地《ウルザの工廠》も登場。ウルザトロンの生み出す7マナを2/2の組立作業員に変換する性能、背景共に見事なカードで、多くのトロン系に搭載された。

《ウルザの工廠》
育ての親にして師匠であるトカシアの日記を記したフレイバーテキストの通り、先立って『アンティキティー』に登場していた《ミシュラの工廠》は組立作業員となる土地であると同時に、組立作業員を強化する起動型能力も持っていた。
さらに『時のらせん』では、この《組立作業員》自体もカード化している。

これ以降、基本セットでの再録は途絶えたが、すでにその活躍はスタンダードに限ってものではなくなっていた。《引き裂かれし永劫、エムラクール》に代表されるエルドラージに、《ワームとぐろエンジン》といった常軌を逸している無色のフィニッシャー、そして、ジャスト7マナで復活したプレインズウォーカー《開放された者、カーン》といった「重くて壊れてる」系統のカードが時代ごとに増えていき、モダンのメタの一角を担うまでに成長している。

ウルザトロンは永き時を闘争の中に委ね、旅路の中で得た知識、経験を糧にする、まさにウルザの生き様そのもののようなデッキである。

追記 2020年07月21日:

『ダブルマスターズ』にてウルザトロンと《解放された者、カーン》の再録。そして、ショーケース版新アートが発表された。​

《ウルザの鉱山》 《ウルザの魔力炉》 《ウルザの塔》 《解放された者、カーン》
カード同士がつながることからもわかる通り、これらは1枚のパノラマアートになっている。
「ウルザトロンが稼働してる」かつ「カーンがプレインズウォーカーとなっている」ことから、いったいいつの場面なのかといろいろ考えたが、結局のところ答えは引用元に明記されていた。

というわけで、『ドミナリア』で語られた、対新ファイレクシアのために、かつてウルザが起動、ミシュラを大陸ごと吹っ飛ばしたアーティファクト《Golgothian Sylex》を回収すべくドミナリアへと帰還した頃をイメージしたもののようだ。(翻訳ミス、認識違いでなければ。)

また、ウルザトロンのみならず、過去の様々なカードを思い起こさせる描写が背景に仕込まれているようで、Twitter上に考察があったので引用しておく。

入手難度は相当な物、しかも、ウルザの意向通り揃えてこそのカード群である。
執念を以て一式揃える覚悟を問われている。それこそ、打倒ファイレクシアに生涯を費やしたウルザのように。





 

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フレイバーテキスト

  1. とりあえず読み切った達成感。
    書き切った人、おつかれさま。

  2. 凄く面白かった。やっぱりこのサイトは毎日楽しみだよ

  3. やっぱ兄弟戦争って神だわ

  4. 思えばモダントロンで、ウルザトロンからカーン出すのってスゲーかっこいいのな。
    出された方は殺意しかわかんが。

  5. ウルザの物語はやっぱり面白いですね。
    そんなにザンチャにご執心だったとは…。

  6. ウルザランド3種でちょうどカーンが出せるのはフレーバーを意識してのものだったのかもね。

  7. 確か何かの記事で。
    カーンはトロンでだせるように意図的に7マナにしたって言ってたな

  8. つくづくmtgのデベロップにはすごいなあと感心させられる。ぜひ別柄で揃えて行きたい。
    pauperのウルザトロン、もーすこし流行んねえかなあ

  9. モダマスで再録しなかったし、1000円ぐらいいってもおかしくないカード達

  10. 時のらせん期は白単トロンまであったからな
    でも一番好きなのは、ダークスティール直後の緑単トロンだわ

  11. ウルザ、カーン、そしてファイレクシアが採用されるウルザトロンは考え深い物がありますね

  12. 何回読んでもウルザ関係の物語は面白いなぁ。
    色んなカードも絡んでて良い。

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