Timetwister (2)(青)ソーサリー各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。その後、カードを7枚引く。
Timetwisterとは禁断の手段。
やり直したい過去。戻りたい場所。
誰でも一度は思い描くであろう過去への旅路。
何もそれは追憶のためだけに行うものではない。
ある男が私腹を肥やすために過去へと旅立った。
場所は1993年 アメリカのホビーショップ。
目標は「マジック・ザ・ギャザリング」現在でいうリミテッド・エディション。
即ちα版の入手。
「祖先の回想」「時間旅行」「時間歪曲」「Mox」そして「黒蓮」・・・通称「パワーナイン」
今や完全な状態で実物を見ることが人生で一度あるか無いかの代物。
他にも多色地形サイクル「デュアルランド」に「対抗呪文」「神の怒り」といった名だたるカードの原典。
そのすべての入手。
「火山島」「黒の防御円」だけはどうにもならないが問題ない。
20XX年でのその価値はシングルカードでももはや言い値の世界。
未開封は現存すら危ぶまれている。博物館に所蔵されるほどの価値。
たった数ドルで億万長者だ。
彼は時間旅行から帰還して違和感を覚え、すぐにその正体に気づいた。
トレーディングカードゲームこそあるが、マジック・ザ・ギャザリングが存在しない。
ほんのわずかなホビー関連の書籍やウェブサイトに「世界初のTCG」として名を刻んでいるのみ。
誰が作りどこが発売しどんなゲームなのか解説すらない。
販売されたのはα版のみ。β版すら発売していない。
拡張セット「アラビアン・ナイト」も「アイスエイジ」も制作されていない。
マジック・ザ・ギャザリングは広まらなかったのだ。
彼が買い占めてしまったがためにプレイヤーが居ないのだ。
プレイヤーが居なければそれを追従するメディアも無く、物言いする批評家すら居ない。
どんなに面白いものでも求める人が居ないのならば、幅が広がらなければ作られもしない。
誰もやらないゲームには何の価値もない。
こうして彼の手元には1円にもならない紙束と、何者にも賞賛されない功績だけが残った。
フレイバーテキスト
なるほどなあ
イタリバ辺りを買い占める程度なら・・・
オリジンで戻ってくるとか頭おかしい…
面白かった
彼はレアカードを願ったが、それを売り捌くための市場を願い損ねた。
ショッギョムッジョ!!
そして、彼は再び過去に戻りカードを買い漁ろうとする自分にこのことを伝えてこういった。
[おとなしくタルモ買っとけ]
面白い、管理人の文才は光るものがある
超短編SF!
シヴドラゴンいっぱい持っていけばmoxがいっぱい手に入るらしい
公式のコラムのタイムワープしてマローがマジックの反省、改善案をいろいろと話しに行くやつ思い出した
イイネ・
購入を4枚制限にしなかった店員が悪い(暴論)
やはり文才。
買い占められたのに増産しなかったのは無能
星新一あたりでありそうな話。文才あるな。
時間旅行から帰ってきたら、もう一人の自分に出会っちゃいそうだなー
1箱でも十分稼げるのは間違いない