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1051枚目「上位者の啓蒙」

永遠の大釜

The Cauldron of Eternity / 永遠の大釜 (10)(黒)(黒)
伝説のアーティファクト
この呪文を唱えるためのコストは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき(2)少なくなる。
あなたがコントロールしているクリーチャーが1体死亡するたび、それをオーナーのライブラリーの一番下に置く。
(2)(黒),(T),2点のライフを支払う:あなたの墓地からクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。

永遠の大釜とは発見された。





エルドレインの王権神話レアにして伝説のアーティファクト。五つの王宮の遺物サイクル、ロークスワイン担当なので黒い。
その秘宝たる所以は、蘇生。すなわち、再生の力を持つ『魔法の大釜』。

『魔法の大釜』

次元:地球。鉄器時代、キリスト教以前のヨーロッパ。大釜は調理具として用いる身近な存在であった。
中央アジアから渡りヨーロッパ全域へと広まったケルト民族は、生命(食材)を入れて、新たなもの(料理)へ作り出す行為に神秘性を覚え、信仰の象徴として神性に結びついたとされ、祭祀にも用いられていた。
ケルト神話にて豊穣と再生を司る神『ダグザ』は象徴の1つとして食料が無限に湧き出る『魔法の大釜』を持つ。
さらに魔法の大釜は死者を入れると生き返らせるとされ、これらのイメージが後に登場する『聖杯』の原型となった、とされている。

要は、『伝説的な大釜』というだけで重要な意味を持つという話である。

『聖杯』

かの『最後の晩餐』にて用いた杯、かの『十字架』から滴る血を受けたとされる杯。キリスト教文化圏において最重要、本人に由来する聖遺物。
この杯で飲み干すと『いかなる病を治す』奇跡を起こす伝説と化し、その所在を探求する騎士道物語を形成。
他の伝説と複雑に絡み合い、キリスト教由来のものとは関係がない『アーサー王伝説』にも組み込まれた。
そのため、アーサー王伝説における聖杯は『いかなる病を治す』奇跡だけでなく、『音楽が鳴り食事をもたらす』もので、ケルト神話の『魔法の大釜』からの影響がみられる。

要は、ファンタジー作品にもたびたび登場するようになったという話である。

冬木の大聖杯

あらゆる願いを叶える万能の願望器。聖杯と名付けられているがその在り方は大きく異なる。
その正体は第三魔法の再現を目的に組み上げられたーーーこれ以上は聖杯探求の物語を探求する事になる。
本題へ進もう。

トゥメルの汎聖杯

狩人が夢見しヤーナムで

エルドレインの王権

次元:エルドレイン。五つの宮廷の一つ、ロークスワインの遺物《永遠の大釜》。
相応しいと認めたものに不死性と長命をもたらすとされる。

トムとジェリーかな。

しかし何世代も前にロークスワインから失われ、そのために《ロークスワイン城》は常に浮遊、移動し続けるので領土を持たない。

ロークスワインを統べる女王アヤーラ。
男性を魅了する彼女には求婚者が後を絶たず、そして彼女への求婚は《永遠の大釜》の探索を意味する。
しかし探索へ挑んだ者は例外なく命を落とし、ロークスワインでは婚礼と葬送が繰り返されているのだった。
アヤーラが喪服のような姿なのはこのためだろう。

彼女が次の求婚者を選ぶと、哀悼はすぐに祝福へと変わった。

「前の者を嘆きながらも、我々は喜んで次の者に目を向ける。次の求婚者こそ、大釜を持ち帰ってくれることを期待して。」

――ロークスワインの元首、アヤーラ





エルドレインの王権物語終盤。
王宮の支配が及ばない『僻境』にて。呪縛が解けたガラクは、ウィルとローアンにオーコが連れていた大鹿が行方不明だった父にして崇王、ケンリスだと告げる。
ガラクはプレインズウォーカー狩りの怪物性の赴くままにオーコを探し、双子はその後を追う。
川の岸で呪いに苦しむガラクに獣が襲い掛かり戦闘、川へと沈んでいくのだった。
『父なら助けるに違いない』とウィルは川へと飛び込み、マーフォークを切り払い、ガラクを掴み水中でもがいていると紫色の光に誘われながら金属に触れ、ガラクはその中に落ちていく。
ウィルは水面へと顔を出し呼吸を落ち着かせ辺りを探ると、大釜の中で眠るガラクの姿を見る。

「呪いは解けた。」

失われた《永遠の大釜》は、『僻境』の川の中に隠されていたのである。

「つまり、ウィルはアヤーラ女王と結婚しなきゃいけないってこと?」

「ローアン!」

ダイジェストのダイジェストをした形になるので詳細が知りたい人はちゃんと読むように。

『エルドレインの王権』物語ダイジェスト:第7回 野生語りの帰還

《永遠の大釜》

12マナという膨大な、というか黒単色としては史上最大のマナコスト。アヤーラ女王の愛と同じくらい重い。
とは言っても、墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき無色2マナずつ減っていくのでそのまま払うことはまず無く、《永遠の大釜》を使うデッキならば墓地からクリーチャーを戦場に戻すのがデッキの主体となるために噛みあっている。黒マナ2点分だけで済むようにクリーチャーは多めに採用すべきだろう。アヤーラ女王の哀と同じくらい軽くなる。
しかし、クリーチャー死亡時に戦場から墓地へ送られない、蘇生もソーサリータイミング限定タップかつ2点払うと、呪いが如き悪用防止策が取られており、使い勝手は悪い。

テーロス環魂記。あの黒単信心の代名詞、《アスフォデルの灰色商人》再録が公表された際に、僕は気づいたのである。
なるほど、《ロークスワインの元首、アヤーラ》などで《永遠の大釜》を軽くし、《アスフォデルの灰色商人》を釣り上げる。ウィザーズの思惑は伝わったよ、と。《永遠の大釜》はダブルシンボルだ。アヤーラ女王、探索行ってきます。
死亡時ライブラリー送りなのはしょうがない。灰色商人連打は危険だからね。

ーーー後に公開された《悪夢の番人》がすべての問題を解決し灰色商人連打を実現すると、《永遠の大釜》は失われた。そこに哀悼はなく、すぐに祝福へと変わった。

そんなある日。僕は手慰みにMTGアリーナでBO1フリー対戦をプレイしていた。

対戦相手は青黒。まず登場したのは《半真実の神託者、アトリス》。
手札増強が行える、青黒コントロールに合致したクリーチャー。なるほどね、と束を分けると次のターン。《深海住まいのタッサ》が登場。
束を分ける際に《秘本綴じのリッチ》が見えており、青黒ブリンクとも言うべきデッキであることがわかった。

手札増強は青黒に噛みあっている。良いデッキだな、と思っていたらーーー

2マナで出てきた《永遠の大釜》である。
やけにアトリスで見えてる土地を選ぶな、《湖に潜む者、エムリー》は《タッサの信託者》か《ジェイス》特殊勝利狙いか?と思っていたら《永遠の大釜》である。早くティマレット来てくれ。
その後、《永遠の大釜》は《裏切りの工作員》を蘇らせ、《深海住まいのタッサ》とのコンボが成立、僕は屈した。おい、ティマレットどこいった。
呼吸を整えるとまずそこに浮かんだのは、祝福だった。
異常に完成度が高いコンボデッキ。なにせパーツ探しとコンボが一体化している。
たった1戦で全貌を見たわけではないが、多数のクリーチャー・カードが必要な構成上、青黒の強力な呪文こそ見る機会はなかった。それでも先述した特殊勝利も視野に入り勝ち筋が複数組み込める。
墓地対策が刺さるようで、《裏切りの工作員》+《深海住まいのタッサ》コンボまで到達できたらまだ勝ち目がある。
なにより、《永遠の大釜》。手札、ライブラリーからの墓地送りは一切阻害しない。
あの対戦相手はーーー《永遠の大釜》を見つけ出したのだ。
つまり、アヤーラ女王と結婚しなきゃいけないってことになる。

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フレイバーテキスト

  1. 俺たちはかまどにネコちゃんを叩き込むばかりだったのに
    やはり伝説の勇者
    結婚不可避

  2. (墓地肥やしは)儲かりまっか?

    • 墓地墓地でんな

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