Syr Gwyn, Hero of Ashvale / アッシュベイルの英雄、グウィン卿 (3)(赤)(白)(黒)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
警戒、威迫
あなたがコントロールしている装備しているクリーチャーが攻撃するたび、あなたはカードを1枚引き、あなたは1点のライフを失う。
あなたがコントロールしている装備品(Equipment)は騎士(Knight)に装備(0)を持つ。王国中の従者が、彼女の気っ風の良さと武芸の腕に憧れている。5/5
アッシュベイルの英雄、グウィン卿に魅せられた。
『エルドレインの王権』神話レア。通常のカードとは異なりブロール構築済みデッキ収録。同商品は英語版しか存在しないのだが、コレクターブースターの「その他のカード枠」からブロールデッキの新カードが登場することがあり、これにより日本語版が存在する。
そういうわけで、ブロールの話をしていきます。
ブロールとは
要約
・スタンダード
・デッキ枚数は統率者1枚+固有色に則した59枚の計60枚
・基本土地以外1枚制限
・3人以上では初期ライフ30点、2人対戦では25
・1度のみ枚数の減らないフリーマリガン可
・独自の禁止カードリスト
《ドラニス判事》
《呪文追い、ルーツリー》
《王冠泥棒、オーコ》
《創造の座、オムナス》
《ルーンの光輪》
《魔術遠眼鏡》
《軍団のまとめ役、ウィノータ》
基本的には「スタンダード版統率者」なのだが、独自のルールとしてはプレインズウォーカーも統率者に指定可能。さらに、MTGアリーナでは他人数戦は実装されておらず1対1のみ(初期ライフ25)となる。
改めて確認するが、スタンダードとは別の禁止カードリストである。具体的に言うと《むかしむかし》《創案の火》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などといったスタンダード禁止カードもブロールでは使用可能である。
雑感
MTGアリーナでのプレイを通して感じたことは以下の通り。
・軽量かつシナジー重視の統率者が強くなる傾向。
・デッキの色数が強さに繋がり5色統率者ともなれば万能に等しい。
・他人数戦ではない関係で妨害行動を自ら用意しておかなければ強力な動きを咎めることが非常に難しく、やはり妨害とドローの最高峰青を含んでさえいれば1つ上の強さ。
・土地加速して統率者頼みでも通用し、緑もかなり強い。【緑単】でも統率者が豊富。
・スタンダードでは重さや色の関係であまり採用されることのない「戦場に出さえすれば強力なプレインズウォーカー」が確実に戦場へ出てくるので改めてプレインズウォーカーというカードタイプそのものの強さを実感する。(例:《呪われた狩人、ガラク》)
・運要素、理不尽さからぶっちゃけ人を選ぶ。
参考:ブロールのメタゲーム
※『カルドハイム』実装間もないので参考程度に
なぜかキナンとはほとんどマッチングしていないのだが、他は概ね私の体感と一致している。
【グウィン卿】
改めて我が騎士《グウィン卿》の話をしよう。『カルドハイム』実装後のデッキは以下の通り。
どういうデッキなの
こういうデッキ。
うおおおおおおおおお pic.twitter.com/oglzg7AKZ7
— 今日の一枚 (@Atogoyf) February 1, 2021
役割別カードリスト
統率者
《アッシュベイルの英雄、グウィン卿》
6マナと重めだが、5/5で威迫と警戒。特に女騎士は点数が高い。装備品では付けづらい威迫を所持しているのが大きい。
騎士なら誰でも装備コスト0になるが、グウィン卿自身が非常に優秀なのでかき集めて殴り抜くことが多い。
ドロー能力の方もライフ損失が意外と痛く、おおよそ装備品をかき集めたグウィン卿が単騎で駆け抜けていく。
序盤からクリーチャーで攻め立てるアグロプランを取りつつ、対戦相手の展開が追い付き膠着状態に持ち込まれても装備品にまみれたグウィン卿が一気に屠るデッキとなる。
騎士団
《グウィン卿》が持つ装備コスト0能力を活かせるクリーチャータイプ。しかし彼女自身が身に着けることが多くあまり機能していない。
『エルドレインの王権』メインテーマの1つで部族シナジーこそあるが、それ以降のセットで戦力が増えずそのままなのも痛手。
それでも軸にしているのは騎士道精神としか言いようがない。
《熱烈な勇者》
【赤単アグロ】でお馴染みの1マナ1/1速攻、先制攻撃。通常ほとんど無視される隠された効果扱いの装備コスト軽減もこのデッキでは機能する。
《立派な騎士》
騎士呪文に反応し1/1人間を連れてくる騎士。減りつつあるデッキ内の騎士だが、相手からしたら知ったことではないアド装置。1度でも誘発できれば役割をこなしたと言える。
人間トークンは後述する《クードロ将軍》への捧げものとしても機能する。
《黒槍の模範》
騎士へ接死、絆魂付与。自身が騎士なので大体自分で持ち、戦闘時限定の除去として働くことが多い。装備品によりトランプルを得ている騎士がいれば接死付与で致死ダメージをばら撒けることは頭に入れておきたい。
《リムロックの騎士》
【赤単アグロ】でお馴染みの騎士その2。効率の良いクリーチャー強化の出来事付き。例によって《エンバレスの宝剣》での致死量を跳ね上げる。
序盤からクリーチャーとしてそのままプレイして攻め立てても良い。
《エンバレスの盾割り》
スタンダードでお馴染みアーティファクト破壊付き騎士。ブロールでは統率者戦ほどではないが《秘儀の印鑑》を筆頭にマナ・アーティファクトは珍しくない。マナファクト設置からの統率者プレイを妨害される不合理な現象を盾割り行政という。
《冬荒野の指揮官》
軽量接死持ち。タフネスはそれほど多くならないが、攻撃時に他の騎士を破壊不能にする能力も合わせて嫌らしさが尋常ではない。
《嵐拳の聖戦士》
お互いドロー能力だが、誘発するのは自分のアップキープなので必ず自分から動ける。それでもハイランダー構築の関係で1枚の重みが通常とは異なることには注意したい。
威迫持ちで攻撃を通しやすく装備との相性良好。
《評判高い挑戦者》
3マナ3/3にしてサーチ能力。主に装備品が目当て。文章が長く見落としがちだが騎士がいないと誘発しないことには注意したい。誰もいない時に出すと真顔になる。なった。
《残忍な騎士》
幅広く活躍している汎用性の高い除去付き騎士。特筆すべきは《領界の剣》により回収可能な除去呪文と化す事だろう。
《バスリの副官》
単体でも強い上に2/2騎士を残せる騎士。《フェリダーの撤退》と併用するとクリーチャー全員がこの能力を誘発するようになる。
装備品
予てより装備品の総数が乏しい中でも必要最低限のものは揃っており、そこに『カルドハイム』で優秀な神器が加わることとなった。
《影槍》
『テーロス環魂記』を象徴する雑に強い装備。これこそが神槍グングニルだと言い張れ。
呪禁、破壊不能を消し去される能力は《太陽冠のヘリオッド》との遭遇率が高いのでよく覚えておきたい。
《水晶の靴》
唯一の速攻付与。《グウィン卿》の動きやすさが段違いなので必須と言っていい。探してた姫君はグウィン卿だったんだよ。
《鏡の盾》
唯一の呪禁付与。《グウィン卿》にはまずこれをつけたい。接死で止まらなくなるのも素晴らしい。
《金脈のつるはし》
マナ加速。まだテスト段階だが、統率者が重い関係で悪くない選択肢だと考えている。
《スカイクレイブの大槌》
装備コスト無視。序盤は適当な騎士に殴らせ、後続の《グウィン卿》も装備コストが0。飛行+威迫の止めにくさは尋常ではない。
《領界の剣》
《領界の剣》が優秀過ぎて《ハルヴァール》が戦場に出ることはほとんどない。出来事持ち、特に《残忍な騎士》との組み合わせは凶悪極まる。
間違いなく『カルドハイム』最大の収穫。
《トラルフの鎚》
装備品としては心許ないが、使い回しの効く3点火力。
《グウィン卿》は装備0マナで使い勝手が増す上に、警戒持ちなので投げ役にも適しているという抜群の相性を誇る。
《エンバレスの宝剣》
スタンダード最強の剣がブロールで弱い道理はない。
装備品サポート
アドバンテージ獲得に難のある赤白だが、昨今では装備品、オーラとのシナジーにより確保していく路線を開拓している。
《鍛冶場主、コル》
オーラ、装備持ち強化。+1/+1修正はトークンのみだが、トークンでないクリーチャーは死亡時に手札に戻ってくるようになる。実質装備品全てが《領界の剣》となり影響力は大きい。
《恐れなき探査者、アキリ》
赤白に貴重なドロー能力。「第二の統率者」と言っていいほどの存在。少し癖がある破壊不能も侮れない。
余談となるが、当初《古代を継ぐ者、ナヒリ》も採用していたのだが・・・。
[+1]クリーチャーよりもつけれる装備品がない方が深刻。装備コストは《グウィン卿》が踏み倒してる。
[-2]騎士主体なのでサーチハズレ頻発。
[-3]点数があまりに不安定かつ、2枚=4点でも足りないことが多い。一番頼りにしたいサーチ能力を使うと打つのが困難。
これら総合的な使いにくさで抜けてしまった。
《タイライト剣の鍛錬》
マナ加速に装備品サーチがついた英雄譚。《ハルヴァール》ご指名により通常の装備サーチでは不可能な《領界の剣》もサーチ可能なのは《タイライト剣の鍛錬》最大の特徴と言っていい。
同じく赤白の英雄譚《スカルドの決戦》も有力な候補だがまだ試していない。
ルーン
《ルーン鍛えの勇者》《速度のルーン》
《グウィン卿》で殴り抜く上で最も重要となる速攻がつく装備品が増えなかったため、《速度のルーン》とそれをデッキ、墓地問わず探し出し、1マナにする《ルーン鍛えの勇者》をセットで採用。試案段階だが使い勝手は悪くない。
絆魂の白ルーン、接死の黒ルーンも悪くはないが、枠の圧迫が無視できず不採用。
《ルーン鍛えの勇者》と同様のサーチ手段を持つ装備品《ルーンの冠》も枠の理由で採用せず、クリーチャーであることと、1マナにする能力も持っている《ルーン鍛えの勇者》を優先した。
汎用品
《真面目な身代わり》《秘儀の印鑑》《精神迷わせの秘本》
まず必須パーツとなる《秘儀の印鑑》。忘れがちだが『エルドレインの王権』に属するカードなのでスタンダード範囲内のカードである。(同様に《統率の塔》も使用可)
赤黒白の三色デッキなので色の安定化を目的に《真面目な身代わり》、無色のドローソースとして《精神迷わせの秘本》を採用している。
除去
基本的に騎士道を掲げるアグロデッキなため除去に避ける枠は少ない。
《血の長の渇き》《不吉な》《払拭の光》
汎用性の高さから打ち分け可能な《血の長の渇き》、土地以外のパーマネント全般を対象に取れる《払拭の光》を採用。
騎士たちは大体人間なので《不吉な戦術》は問題なく使用可能。
《絶滅の契機》《髑髏砕きの一撃》
《絶滅の契機》は状況次第では一方的な除去にもなるとんでもない性能で実にアグロ向き。シングルシンボルで三色デッキにやさしい。
また、統率者《ラーダ》《アシャヤ》《ファイラス》などの上陸デッキはメジャーと言っていい存在で、もれなく湧いてくるファイラス産苗木と《硬鎧の大群》への有効打になる。
《髑髏砕きの一撃》はおおよそ土地カウントだが、あるとないとでは違う。
《将軍の執行官》《ドラニスのクードロ将軍》
イコリアの兵士組。スタンダードほど《ウーロ》を見る機会はないが、《影さす太枝のニッサ》など墓地活用のデッキ自体は存在するので無理のない範囲でなら墓地対策はあったほうが良く、それを抜きしても良質なクリーチャーである両者。
《将軍の執行官》は伝説の人間=統率者である《グウィン卿》を破壊不能で守りつつ、墓地掃除。対戦相手はまずこいつを倒さなければならない。
《クードロ将軍》は人間ロードにして墓地掃除。さらには、人間2体でパワー4以上を破壊する除去能力持ち。大半の騎士たちは人間である。設定通りの《将軍の執行官》に加えて《立派な騎士》《アーデンベイル城》で人間トークンの生成もできるようにしている。
彼の存在は思った以上に大きく、大型クリーチャーで立ち止まる機会がかなり減った。
当初デッキがしっくりこなかった折に拝読したマッサン氏のnoteで気付いた1枚である。心から感謝を捧げたい。
フェリダーの撤退
《フェリダーの撤退》
純粋なカードパワー一点採用。上陸シナジーはないが、クリーチャーの頭数も全体強化も極めて有用。
《バスリの副官》がいるとクリーチャー全滅しても騎士となって帰ってくるコンボになる。
土地
枚数は24+《髑髏砕きの一撃》+《エメリアの呼び声》の計26枚。
ドロー、土地サーチに難のある三色で、色を揃えることを重視しトライオーム両面神殿タップイン全投入。戦闘要員の軽量クリーチャーを採用するデッキはそれほど多くなく、タップインまみれでも騎士たちが先に動くことは珍しくない。
『カルドハイム』産の4/4天使へと変換する《シュタルンハイムの大聖堂》とオーラ、装備品サーチの《アクスガルドの武器庫》を採用しているが、なくてもいいかもしれない。
最後に
《グウィン卿》は「雑感」に記した「ぼくのかんがえたさいきょうのぶろーる」項目を1つも満たしていない。ブロール内では強くない方だろう。勝率も計ったわけではないが高くはない。
だが、統率者を主軸にしてデッキを組み、勝利の栄光を掴み取る様は統率者のお手本と言っても過言ではない。スターライトマナバーンの《さまようもの》のように、装備品に飲まれてもなお戦い抜く彼女の姿は実に誇らしい。
もちろん、今回のデッキはあくまで一例にすぎず、《グウィン卿》はあなたの好みに染め上げていいし、それを受け入れてくれる度量の持ち主である。気っ風がいいと評判だ。
MTGアリーナにおけるブロールは決してメジャーな遊び方ではないだろう。それでもマッチングに時間がかかったことは一度もなく、愛好家たちは常に乱闘している。ランクには一切関わらないのにも関わらずだ。
構築戦、リミテッドとも一風変わったこの戯れ。迷い込んだ貴公らと剣を交わす日が来ることを願う。騎士道に火を灯せ。
フレイバーテキスト
今ブロールはエシカが流行ってるからアグロ向きのデッキはいいかも