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1205枚目「挑戦者たちへ2021:アゾリウス・コントロール」

さらい

Dream Trawler / 夢さらい (2)(白)(白)(青)(青)
クリーチャー — スフィンクス(Sphinx)
飛行、絆魂
あなたがカードを1枚引くたび、ターン終了時まで、夢さらいは+1/+0の修整を受ける。
夢さらいが攻撃するたび、カードを1枚引く。
カード1枚を捨てる:ターン終了時まで、夢さらいは呪禁を得る。これをタップする。

3/5

夢さらいが総ざらい。




 

スタンダードで活躍するデッキを基にメインデッキ60枚+サイドボード15枚、レアカードでもケチらず4枚収録が目立つ入門用商品『チャレンジャーデッキ』。最新版が2021年4月3日に発売となった。

基本的なことに触れつつ、収録されていない採用候補となるカードなど考察する教科書のような記事を目指すようで、ただ知識を吐き出したいだけである。

今日は青白【アゾリウス・コントロール】を眺めてみよう。

しっかり見たことなかったがかなり美人なんじゃないか?

いきなり余談

MTGは多くの異世界が存在する世界観である。その内、ラヴニカという次元は世界中全てを建造物が覆うほどに発展した都市で、この巨大都市ラヴニカ自体が世界そのものとなっている。そして、5色のマナの内2色ずつを体現する10個のギルドがそれぞれ文化を持ち、社会的な役割を果たしている。

カード的にも各ギルドに属するカードが2色で表現され、物語上の用語であるギルド名が2色の組み合わせを指す俗称としてプレイヤー間で定着。ラヴニカに関係がないセットでもデッキ名として冠するようになっている。

ギルドの1つ、「アゾリウス評議会」がで構成されることからこれに倣い青白のコントロールコントデッキは【アゾリウス・コントロール】と称される。

デッキリスト

メインデッキ
8:《島/Island》
8:《平地/Plains》
4:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
4:《平穏な入り江/Tranquil Cove》
2:《スカイクレイブの僧侶/Skyclave Cleric》
2:《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》
2:《夢さらい/Dream Trawler》
4:《海の神のお告げ/Omen of the Sea》
4:《メレティス誕生/The Birth of Meletis》
2:《ガラスの棺/Glass Casket》
1:《否認/Negate》
3:《中和/Neutralize》
3:《意味の渇望/Thirst for Meaning》
2:《払拭の光/Banishing Light》
1:《襲来の予測/Saw It Coming》
2:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》
2:《空の粉砕/Shatter the Sky》
3:《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》
1:《ドゥームスカール/Doomskar》
1:《サメ台風/Shark Typhoon》
1:《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》

サイドボード
2:《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
1:《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》
3:《当惑させる難題/Confounding Conundrum》
2:《本質の散乱/Essence Scatter》
2:《ガラスの棺/Glass Casket》
3:《神秘の論争/Mystical Dispute》
2:《払拭の光/Banishing Light》

ゲームの流れをコントロールし、優位を保ち続けるのがコントロールデッキである。青の打ち消し呪文と白のパーマネント除去で対戦相手の行動を阻害。ドロー呪文で手札を補充しつつ、攻め手をそいだ後に大型クリーチャーなどのフィニッシャーで速やかに勝利する。

難しい印象があるかもしれないが、「これを追放できます」「これを打ち消せます」「カード引きます」といったカードに書かれている以上の動きはなく、後出しで対処しつつフィニッシャーを叩きつける意外とシンプルな戦略である。対戦相手のデッキや環境に存在するデッキの傾向を読んで除去や打ち消し呪文の選択が必要な点から、「デッキを動かすこと」よりもサイドボード込みで「勝てるようにデッキを組むこと」が主題となる。

今回の【アゾリウス・コントロール】は色の特徴と強みを正面から捉えた古来より続く正統派なデッキでありながら、スタンダードに存在する各セットから選りすぐりのメカニズムを搭載した構成である。

備考1:土地

土地が24枚というのは順当に土地を展開し妨害呪文へと繋げたいコントロールデッキにとって若干少ない枚数。1ターンでも土地が詰まり呪文を構えられないのは致命傷となる。

だが、『ゼンディカーの夜明け』の両面カードを採用。裏面が土地カードなため状況に応じて使い分けることができる《スカイクレイブの僧侶》《エメリアの呼び声》の2種類は土地としてもカウントできるので実質27枚。

表面が控え目な効果、裏面がタップインだったとしても「必要な時に使い分けできる」という強みはデッキの大部分が土地で占めるMTGにおいて見た目以上に強力なことは覚えておきたい。

他にも《海門の修復》《ジュワー島の攪乱》が実用的な両面カードに該当する。《スカイクレイブの僧侶》が微妙に感じたら差し替えて見るといいだろう。

また、両面カードで言えば『カルドハイム』にて表裏異なる色を出せる土地カードの1つ、青白《連門の小道》が登場している。

《平穏な入り江》をこれに入れ替えるのが最初の目標となるだろうか。しかし、タップインながらライフ1点回復が延命したい戦略に合致しているのでそこまで悪く言えなかったりはする。

最後におすすめしておきたいのは『エルドレインの王権』から《ヴァントレス城》。

4マナ+タップの計5マナで占術2。手札は全く増えないが、長期的にゲームを見るコントロールデッキなら起動は充分視野に入り、終盤の過剰な土地など不要札を弾ける。1枚あるだけでも便利な土地。
終盤でこそ強いが序盤はアンタップインに島があるのが条件なので肝心な時に島がなかったり、出せる色が増えない点には注意がいる。

備考2:フィニッシャー

最も真っ当な勝ち方は、強固なフィニッシャー《夢さらい》による攻撃。

6マナと重いが飛行により攻撃を通しやすく、絆魂でライフ回復。さらには攻撃するたびにドローし、1枚引くたびにパワーが上昇。自分ターンの通常ドロー分を合わせて最低でもパワーが5となり、ドロー呪文を合わせるとさらに増える。
それでいながら、手札1枚を引き換えに呪禁を持ち対象を取る呪文や能力による対処が困難。【アゾリウス・コントロール】に完全に合致した攻防一体、文句のつけようのないフィニッシャーである。

次いで《太陽の恵みの執政官》が採用。『テーロス環魂記』はエンチャントがテーマの一つで、扱いやすいエンチャントと、エンチャントが戦場に出た時に誘発する「星座」をメカニズムとして持つ。

《太陽の恵みの執政官》のペガサス展開も相当な圧力があるのだが、星座のためにさらにエンチャントを展開する必要性や、防御能力を一切持たない点から過信は禁物。

そして、《サメ台風》

特にサイクリングによりサメトークン生成が強力。飛行クリーチャーをいつでも調達可能、能力によるものなので呪文ではなく打ち消しが困難である。対戦相手の除去や飛行が薄いと見れば小さなサイズで殴り続けてもいいし、終盤膨れ上がったサメで殴り勝ってもいいし、飛行ブロッカーとして戦闘に介入してもいい便利すぎるカード。
4枚あってもいいほど。しかし、トークンは対処がしやすいこと、クリーチャーとしてもドローとしてもそれのみを目的とした本筋のカードには劣る点から多く採用しないのが主流なようだ。

エンチャントとしての通常プレイも視野に入るのだが、6マナ出る段階で何もしないカードを出す状況はよほどの事である。もちろん、無事ターンが返ってくれば勝利に直結する強力な効果なので一考の余地はあるが、本当に一考だと留めておきたい。

備考3:ヨーリオン

青と白を考える上で欠かせない存在になっているのが『イコリア:巨獣の棲処』で登場した相棒の一人《空を放浪するもの、ヨーリオン》。

※ルール変更により、相棒は「ゲーム外部から唱える」ではなく「(3)マナで手札に加える」特殊な処理になっている。

通常のスタンダードではデッキの最小サイズは60枚。なので、《ヨーリオン》を相棒にするには80枚必要。MTGに限らずあらゆるカードゲームでデッキの動きを最適化、最も強い展開をしやすくする目的からデッキ枚数は最小にするのが基本で、それに対して大きく制限を課す相棒条件となる。

しかし、カードタイプなどの制限は一切課されていない。それこそコントロールのように特定の戦況で役立つカードを選別、種類を散らすデッキではとりあえずそれらを増やせばいいし、元より土地枚数を多くとって動くこと。
なにより、5マナ4/5飛行の充分な戦闘力に加えて、戦場に出た時の一時追放能力により、既に戦場に出したパーマネントの再使用するコンボ用途のメリットが大きく、相棒条件による事故以上の恩恵をもたらすことから、10種いる相棒の中でも特に採用率は高い。

今回のチャレンジャーデッキにおいてもシンプルなドロー手段となる《海の神のお告げ》や、《メレティス誕生》《エルズペス、死に打ち勝つ》の「英雄譚」使い回し。単体除去として《ガラスの棺》《払拭の光》のエンチャント採用でその土台は作られている。当然、《太陽の恵みの執政官》がいれば星座も誘発できる。

80枚構築の目安として土地枚数は両面カード込みで33~36枚。《寓話の小道》《ラウグリンのトライオーム》といった便利なレア土地で安定感を持たせたくなるのがネックだが、今後他のデッキで使用することを視野に入れて購入してしまってもいい。

他は1~2枚収録されているカードをそのまま増量してもいい。特に全体除去である《空の粉砕》や《ドゥームスカール》はより引き込みたい存在で合わせて4枚は欲しいところか。
サイドボードにいるのが不思議なほどに汎用性の高い《スカイクレイブの亡霊》をメインに移しつつ増量して4枚。他には、同じく一時追放能力を持つ《魅力的な王子》。

《スカイクレイブの亡霊》は同系統の追放パーマネント《ガラスの棺》や《払拭の光》の役割をこなしてしまうことが多い。これらを削ってドロー呪文《多元宇宙の警告》の増量。多少値が張ってしまうが継続的なドロー手段として《精神迷わせの秘本》もおすすめである。

そして《ヨーリオン》自身。普通にクリーチャーとして優秀なので相棒用のサイドボードのみならずメインデッキに入れていい。

もちろん、コンボの爆発力と引き換えにした土地を引き続ける、逆に土地を全く引けなくなる危険性を受け入れることになるのであくまで選択肢の一つである。

備考4:打ち消し呪文

基本カードとなる《否認》《本質の散乱》は2マナで扱いやすいのと引き換えに、カードタイプ指定に特化した形で万能とは程遠く、対峙するデッキに応じて枚数を調整する位置。

範囲の広さから《否認》はとりあえず1~2枚用意されることが多い。その逆にあたるクリーチャー限定の《本質の散乱》は2マナで追加の除去手段といった立ち位置。とにかく強力なクリーチャーを続けざまに出してくる相手に対して使用する。

その上で、3マナ以上のカウンターをそれぞれが持つ利便性を考慮した上で採用する。

対青用のカウンター《神秘の論争》。青でなくとも3マナカウンターとしてもぎりぎり実用範囲でメインデッキに投入しても実用に耐える。終盤普通に3マナ払えてしまい、ゲームを決める局面でどうにもならなくなる欠点がある。

カウンターとして構えつつ不要ならサイクリングで1枚変換できる《中和》。
とにかく腐りにくい。

「予顕」により先に2マナ支払っておけば後から2マナでなんでも打ち消せる《襲来の予測》。
2マナと言えど隙を作ってしまうことが欠点。

収録されていないが《ジュワー島の攪乱》。打ち消し呪文としては非常に弱いが裏面タップイン土地。序盤使えればラッキーレベルで機会を逃したら土地を伸ばせる。

どれを何枚が正解なのかは環境を読み解く個人の判断に大きく寄る。メインとサイドそれぞれに散らしたい。この取捨選択こそが青系コントロールデッキ全般の楽しみである。デッキ構築段階から存分に頭を抱えてほしい。

最後に

値段的な側面から話をしてしまうと、希望小売価格3500円に対して《サメ台風》1枚で半額以上に達し、《スカイクレイブの亡霊》2枚も合わせてチャレンジャーデッキ4種の中ではかなりお得なことになっている。店頭価格では確実に盛られているだろう。

青白のまま《ヨーリオン》を試してもいいし、3色目に挑んでもいい。やけに《ヨーリオン》を推してしまったが60枚には60枚の利があるので無理に採用する必要はないし、《ニコ・アリス》に着目して「星座」に寄せてもいいし、《星界の軍馬》のように「予顕」関連のシナジーデッキの道もある。

カードゲームにおける「デッキを組む楽しみ」。その出発点として充分おすすめできるデッキである。

あなたの挑戦をお待ちしております。





 

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  1. 紙やってないので相棒ルールが今と違うのすっかり忘れてた

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