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1230枚目「永遠の青」

時間のねじれ

Time Warp / 時間のねじれ (3)(青)(青)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはこのターンに続いて追加の1ターンを行う。

さあ、もう一回!
――― 船室係のゴブリン、スクイー

時間のねじれはもう1回どころじゃすまなかった。





『テンペスト』初出のレア。追加ターンを獲得する5マナソーサリーで、かの伝説「パワー9」の1つ《Time Walk》の調整版に位置する。

純粋に3マナ増えただけで、あとは全く同じ。土地を全てアンタップし、1枚ドローし、メインフェイズと戦闘フェイズを得る。これ単体では劣勢を覆すことは叶わず、「ただカード1枚引いただけで終わり」と揶揄されることもあるが、あと1回の攻撃を通せば勝てるライフだったり、対戦相手の土地が全てタップ状態で妨害行動を行えないなどの優勢時にゲームを押し切る用途としてはゲームエンド級の圧力を誇る。

・・・青様がそんな真っ当な勝負勘をお持ちなわけがない。原典である《Time Walk》をそのままリメイクした関係で《時のらせん》は「墓地に落ちる」という特性を有することとなった。後に断続的に登場する追加ターン呪文の数々は、きちんと追放したり、ライブラリーへ戻っていく効果を持つことで再利用法が制限され、このこと自体が《時間のねじれ》が持つ強みとなっている。

​これにより、墓地から回収を行うカードを用いて追加ターンを獲得し続ける、ずっと俺のターン!こそが青様らしい振る舞いに他ならない。

【エターナルブルー】(旧スタンダード)

『テンペスト』ブロック+『ウルザ』ブロックに存在した【エターナルブルー】。《サファイアの大メダル》のマナ軽減と、ドローエンジン《吠えたける鉱山》を背景にしたタイムデストラクション(時間稼ぎ、遅延)デッキである。

打ち消しには《記憶の欠落》。《サファイアの大メダル》の恩恵を受けられることと、デッキの上に戻すドロー遅延を兼ねることから《対抗呪文》よりもデッキの方向性に合致している。

クリーチャーと土地にアンタップ制限を課す《疲労困憊》、《プロパガンダ》でさらに攻撃制限と、相手の展開を徹底的に遅延。

その間に《時間のねじれ》での追加ターンや《直観》で充分な土地と必要なカードを集め、《回想》や《復習》で《時間のねじれ》を使い倒す。

フィニッシャーは当時を代表するインチキクリーチャー《パリンクロン》、もしくは《天才のひらめき》によるライブラリーアウト。

《吠えたける鉱山》が対戦相手にも機能する点がデメリットなようで、ライブラリーアウトを見据えるのなら利点になり得る。総じて、完成度の高いデッキである。

参考

【デッキ考察】エターナルブルー

余談となるが、【エターナルブルー】はメタゲーム上優位な位置ではなく、MTGwikiでも軽く触れられるにとどまっている。私も上記記事序文にて語られている通り、情報に難儀していた。
その中で「バトン」として繋ぐ意思を以て書かれたブログを発見できたのは喜ばしく思う。

【青赤昇天】(旧スタンダード)

時はねじれて『基本セット2010』。《時間のねじれ》は神話レアでの再録を果たす。

『アラーラ』ブロック+『ゼンディカー』ブロックのスタンダード。《稲妻》《マナ漏出》《思案》《定業》を有し、ローテーションで『ミラディンの傷跡』ブロックに移ると、最終的に《ギタクシア派の調査》加入というもはやインフレの極致にあった時代となる。

えっ、なにこれ。

これら軽量の呪文で《紅蓮術師の昇天》を稼働させる【青赤昇天】が構築された。

モダン禁止となるほどに優秀過ぎた《思案》《定業》連打により昇天祭は幕を開ける。《時間のねじれ》をコピーして追加ターンを継続。さらに例によって《時間のねじれ》が墓地にあるので《思い起こし》により《時間のねじれ》を回収する。

《紅蓮術師の昇天》が達成されていれば2枚回収となるので、墓地に《時間のねじれ》と《思い起こし》が揃っていればずっと俺のターン!が実現する。
その前に対戦相手は重いお腰を上げ投了してくれるに違いない。

【ジェスカイ・ターン】(ヒストリック)

そして、今回本題となる。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に特殊収録された、過去の呪文たち「ミスティカルアーカイブ」。この中に《時間のねじれ》が再録された。

「ミスティカルアーカイブ」が使用できるのは元の使用カードが許されているフォーマットのみで、スタンダードにはほとんど関係がない。

しかし、ヒストリック。「MTGアリーナ」に実装された範囲で構築するフォーマットでは、一部例外を除き「ミスティカルアーカイブ」が解禁されている。《汚れた契約》解禁による【オラクルパクト】一強状態を経て《タッサの神託者》禁止、デッキ構築不可能となったのは記憶に新しい。

それを経て、先日開催された「『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ」。スタンダードとヒストリックの複合形式で開催された本大会。トップ8に4人も進出したデッキが【ジェスカイターン】である。

『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ メタゲームブレイクダウン(ヒストリック)|イベントカバレージ|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

まず軽く説明すると、フィニッシャーも兼ねる《ヴェロマカス・ロアホールド》による呪文踏み倒しデッキである。

デッキの上から7枚見て、コストがパワー以下の呪文を1つそのまま唱える。未強化状態でのパワー5、その中で最適解に位置するのが《時間のねじれ》だった。
なにせ、《ヴェロマカス》がぶん殴り続ける。

流石に7マナと重いが、解決したのは《不屈の独創力》。これにより《ドワーフの鉱山》で働くドワーフトークン、《プリズマリの命令》《マグマ・オパス》が生成できる《宝物》トークンを捧げてデッキ唯一のクリーチャーである《ヴェロマカス》を直接呼び出す。

要は、踏み倒すために踏み倒す

同じく「ミスティカルアーカイブ」で解禁された《渦まく知識》がデッキの安定に貢献。コンボパーツが手札に来てしまったらデッキ上に戻せる点でも機能する。

そして、《ミジックスの熟達》。例によって《時間のねじれ》は墓地に行くので、墓地の呪文を唱えるこれもまた追加ターンをもたらす。

特徴としては、今までの《時間のねじれ》デッキよりも決着が速いことだろう。
順当にいけばX=1《不屈の独創力》の4マナからスタートで追加ターン連打開始。飛行速攻パワー5が殴り続けてライフは一瞬で溶ける。

初動を対処できるインスタントがなければそのまま終了。また、それを匂わせる土地アンタップ状態はおおよそ必須となるが、打ち消し呪文を構える余裕を与えたら対処ができなくなるデッドラインが存在する。

それでいて厄介なのは、コンボ一辺倒のデッキというわけではなく、それこそ《マグマ・オパス》を普通に放つようなコントロールデッキとして戦えること。
コンボプランを選択できるコントロールデッキ」なのが【ジェスカイ・ターン】の真髄なように思える。

2021年6月9日 禁止制限告知

2021年6月9日 禁止制限告知|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

告知日:2021年6月9日

ヒストリック
《時間のねじれ》禁止
MTGアリーナ発効日:2021年6月10日

さようなら、ねじれちゃん。

先の大会での活躍と、ヒストリックトップメタに君臨する【イゼットフェニックス】の存在から《渦まく知識》禁止説、ついでに《信仰無き物あさり》も禁止されそうといった予想が建てられる中で、まず《時間のねじれ》がヒストリック禁止となった。

文中でも触れられている通り、《渦まく知識》は監視対象となっている。個人的にはすぐ消えると思います。弱い場面は確かにあるけれど、組み合わせた時の効果がでかすぎて、有効活用できるデッキとできないデッキの格差がすごいことになってると思います。

なお、ヒストリックは「MTGアリーナ」のみのフォーマットなのでやはり財布は全く痛くはない。

本文中書きそびれたが、《時間のねじれ》を用いたデッキはモダンでも挑まれている。

いつまでも続くターンを味わおう(モダン)|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

また、他の追加ターン呪文と合わせて統率者戦での需要が高いことから《現物のねじれちゃん》はお役御免となることはないだろう。

~合掌~





 

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