1062枚目「回らない木馬」

Akroan Horse / アクロスの木馬 (４)
アーティファクト クリーチャー — 馬(Horse)
防衛
アクロスの木馬が戦場に出たとき、対戦相手１人はこれのコントロールを得る。
あなたのアップキープの開始時に、各対戦相手はそれぞれ白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを１体生成する。

0/4

アクロスの木馬とは生きている。

トロイアの木馬

ギリシャの最高神ゼウスは増えすぎた人類を調節する方法を考えていた。
そんなある日催された海の女神テティスと英雄ペーレウスの婚礼の儀。すべての神々が招かれる中で唯一、争いの女神エリスだけが招かれなかった。
このことに腹を立てたエリスは、宴席に『最も美しい女神へ』と書いた黄金の林檎を投げ入れたのである。
これに『自身こそが最も美しい』と三女神が名乗りを上げる。
ゼウスの妻にして最高位の女神、ヘラ。ブチギレて夫の浮気相手に報復しまくる嫉妬の女神として著名。
工芸や戦略といった知識を司る女神、アテネ。最強の防具『イージス』が有名。
愛と美を司る女神、アフロディーテ。あの絵画「ヴィーナスの誕生」で誕生している。貼ろうと思ったがあまりにも健全すぎるので脳内にイメージを送る。煩悩。

ギリシャ神話に譲り合いの精神などまるでないので対立は治まる気配はなく、ゼウスはトロイア王子、パリスにその審判を委ねるとした。
するとヘラは世界を支配する力を、アテネはいかなる戦争にも勝利する力を、アフロディーテは最も美しい女性をなどと、パリスを篭絡すべく自らを選べば望みを叶えると訴えかけたのである。
健全な少年だったパリスはアフロディーテを選び、絶世の美女と名高いヘレネーを娶る。

しかし問題があった。ヘレネーはスパルタ王、メネラオスの王妃なのである。娶るというかＮＴＲである。現代日本においては創作の一ジャンルとして成立しているが、実際にあったらそれこそ争いの火種には充分である。
これが発端となりギリシャ連合軍が結成されトロイアを包囲、「トロイア戦争」が勃発する。

トロイアの守備は盤石で、アキレウスやヘクトールなど両軍ともに名だたる大英雄が参戦、死没する混戦を極めた。
これを終結させたのが智将オデュッセウスの妙案、「トロイアの木馬」である。
戦場に謎の巨大木馬とトロイアに顔が知られていない兵を一人残し、上手いこと言わせ門を壊して城の中へと入れさせる。
結果：木馬の中から兵士がこんにちは。

これにより10年続いたトロイアの戦争は、1夜にしてトロイア滅亡という結末を迎えた。

いくらなんでも都合が良すぎるが、トロイアの遺跡が発見されており、その地層から人為的な破壊や火災。即ち、戦争の痕跡が見つかり、トロイア戦争自体はあったとされている。
巨大木馬は話盛り過ぎ感があるが、基となった何らかの奇襲作戦があったのかもしれない

騙し打ちの代名詞としてデータを偽装し受信者に開かせるコンピューターウイルスのように現在でもよく見聞きする言葉である。

参考：世界史の窓-トロイア戦争

アクロスの木馬

テーロスの都市国家アクロスは、古代ギリシャの都市国家スパルタによく似ている。
テーロス環魂記にはトロイア戦争を基にした英雄譚《アクロス戦争》が登場した。

詳細は語られていない。語られていたら教えてほしい。
しかしイラストから窺うに、伝承１は王妃略奪、伝承２で軍備、伝承３が戦闘シーン。
よく見たら紡がれている途中の織物で描いているようで、その結末は見ることができない。
戦争はアクロスが存続し、王（アナックス）がいる＝王朝が継続している以上、アクロスの勝利で終結しており、恐らく最後には《アクロスの木馬》が描かれるはずである。

カードとしては原典に忠実で対戦相手のコントロール下に置き、自分の兵を続けざまに呼び出すまさに智将の妙技。多人数戦では連合軍として機能する様にもなっている。（ちゃんと統率者2016に再録している。）
それにしてもこの《アクロスの木馬》。ただのアーティファクトでなく、アーティファクト・クリーチャーの馬である。もしや生き物なのか。

しかし《アクロスの木馬》が壁として機能、戦争の邪魔をしすぎで陥落には程遠い。
展開した兵士たちも《アクロス戦争》においては伝承3により奪った王妃ごと全滅し、《アクロスの木馬》だけが戦場に残る。噛み合っていないような・・・。
一体どういうことだよ・・・。なんだよこの木馬・・・。意味わかんね・・・

この状況・・・まさか・・・！？

伝承4・・・作るのは、俺たちだ！！！！！

広告

神河：輝ける世界
発売日： 2022年2月18日
ドラフトブースター	Amazon	駿河屋
セットブースター	Amazon	駿河屋
コレクターブースター	Amazon	駿河屋