Doubling Season / 倍増の季節 (4)(緑)
エンチャント
いずれかの効果があなたのコントロール下で1個以上のトークンを生成する場合、代わりにそれはその2倍の数を生成する。
いずれかの効果があなたがコントロールするパーマネントの上に1個以上のカウンターを置く場合、代わりにそれはその2倍の数をそのパーマネントの上に置く。
何もかもがダブル。
再録セットであるマスターズ。何かと豪華な再録が話題となるシリーズだが、今回の目玉何と言ってもボックストッパー。40種のフルアートが登場し、デッキを2倍彩ってくれるカードたちである。通常版1ボックスに2枚、VIP版にはFOILが2枚収録と、入手難度も2倍。いや、2倍どころじゃないかもしれない。
とにかく、それらをただ、眺めながら語りたい。あえて原典とは並べず、ただフルアートを眺める。そして、ページを分ける。そういう回があったっていい。
なんせ、「ダブル」だからな。
白
《大天使アヴァシン》 |
『アヴァシンの帰還』神話レア。ソリン・マルコフが創造した、人類の守護者。 かつて次元:イニストラードでは、人類の脅威である怪物が隆盛し、自由気ままに血を嗜む吸血鬼たちの死活問題となりかねなかった。そこで、ある種生態系の調停者として創り出され、その活躍から信仰を集めた。だが、ナヒリによるエムラクール召喚の影響で精神が汚染されてしまう。守るべき人々すらも焼き払う暴走状態となったことでソリンに《苦渋の破棄》された。これを踏まえた上で鑑賞したい。 |
《議会の採決》 |
『コンスピラシー』レア。多人数戦をテーマの1つとした特殊セットらしく「議決」という投票により効果を決定する能力が特徴的である。また、同セットの新規カードはエターナル環境で使用可能。つまりは、通常の1対1ではお互いに最も邪魔な土地でないパーマネントを対象を取らずに追放する呪文として機能する。特にプロテクション(選ばれたプレイヤー)という絶対的な能力を有する《真の名の宿敵》対策として脚光を浴びた。 |
青
《渦巻く知識》 |
『アイスエイジ』初出のコモン。『基本セット第5版』や『メルカディアンマスクス』で再録されている。1マナ3枚ドローはかのパワー9《Ancestral Recall》と同じ性能だが、2枚を戻してしまうので実際は手札が増えない。だがシャッフル手段との併用による実質的な手札交換、手札破壊に合わせることでの回避、一番上に積み込むことでコンボ利用など決してデメリットと言い切れない側面を持ち、そもそもデッキを見れる枚数の多さから歴代最強格のドロー呪文の1種として評価されている。 |
《サイクロンの裂け目》 |
『ラヴニカへの回帰』レア。青赤ギルト「イゼット団」の能力「超過」を持つバウンス呪文。通常は基本的な単体バウンス呪文だが、7マナで唱えると全体化するゲームエンド級の呪文となる。スタンダードでは《ニクスの祭殿、ニクソス》により膨大なマナを生み出せる「信心」と相性が良く、青単信心に採用されていた。その後は「超過」が対戦相手全員に効果が及ぶことから多人数戦となる統率者での需要が発生している。 |
黒
《致命的な一押し》 |
『霊気紛争』アンコモン。《流刑の道》登場以降、クリーチャー除去最強色から陥落してしまっていたことから登場した、黒の1マナクリーチャー破壊。基準が基準なだけに使い勝手は見事なもので、軽さを強みとして採用するクリーチャー全般をたった1マナで処理できる。当時のスタンダードで基本除去として定着したのみならず、あらゆる環境で採用され、見事に除去第1色の座を取り戻す役目を果たしたと言っていいだろう。 |
《毒の濁流》 |
『統率者2013』収録。ライフを支払うことで性能を調整できる全体マイナス修正。自分が一番大きいクリーチャーをコントロールしているなら一方的な盤面にすることができる非常に優秀な呪文である。歴代の黒い全体除去呪文と比べても遜色ないどころか最上位に位置し、レガシー、ヴィンテージでも採用される。 |
赤
《騙し討ち》 |
『ウルザズ・サーガ』レア。たった1マナであらゆるクリーチャーを出せるエンチャント。基本的には1度しか攻撃できないが、1度で壊滅的な状況を造り上げることができる「でかくて怖い」クリーチャーと抜群に相性が良く、その筆頭である《引き裂かれし永劫、エムラクール》登場後に主軸となるデッキを形成した。そうでなくとも、強力な能力を持つクリーチャー全般と相性が良く、汎用性の高さから組み合わせの列挙に暇がないほど。 |
緑
《輪作》 |
『ウルザズ・レガシー』コモン。カード名の通り、土地を別の土地に変更する輪作を行う。サーチ先に何も制限がないことからデッキの主戦略となる強力な土地をサーチする手段として有用で、《トレイリアのアカデミー》や《暗黒の深部》を耕す手段として使用されている。元はコモンで安価なカードだがイラストとフレイバーテキストの合わせ技が秀逸な1枚。 |
《踏査》 |
『ウルザズ・サーガ』レア。制限が緩すぎた《Fastbond》の調整版となるカード。文字通り一歩先を踏み出せる土地追加プレイで、同系統の呪文や土地を手札から出す呪文こそ他にもあるのだが、エンチャントなのが大きな強みである。やはり真価を発揮するのは土地で殴り、土地で守り、土地で勝利を目指す土地単のようなデッキ。必須級である。 |
《貴族の教主》 |
『コンフラックス』レア。次元:アラーラの断片の一つ、バントの3色に対応した1マナのマナ・クリーチャー。それに加えて、バントに割り振られた「賛美」を持つことで中盤役目を終える従来のマナクリとは異なり、打点強化に貢献できることが最大の特徴で、「最強のマナクリ」と称されることもある。 |
多色
《法務官の声、アトラクサ》 |
『統率者2016』収録。次元:ミラディンが新ファイレクシアの侵食に際し、ミラディンの人々を撤退させるべく立ち向かった天使。白の法務官、エリシュ・ノーンはその不屈の精神が「完成」に役立つと興味を示し、青のジン=ギタクシアス、黒のシェオルドレッド、緑のヴォリンクレックスが賛同。この4色を以て各色を象徴する能力に、新ファイレクシアの増殖を持つ「完成」した天使となった。 |
《巨大なるカーリア》 |
『統率者』収録。5つの断片が《衝合》により1つの次元となったアラーラに住むクレリック。バントだった地域の村で、ナヤのレオニンに遭遇し、共に《グリクシスの首領、ネファロックス》召喚の儀式を阻止しようとするが巻き込まれるという、衝合により人生が大きく変わってしまったであろう人物。巨大な力を蓄え、復讐と報復に衝き動かされている。清純なる天使に、復讐の相手であるデーモン、力の象徴であるドラゴンいずれかを解き放つ能力で人気な統率者である。 |
無色
《アカデミーの廃墟》 |
『時のらせん』レア。かつてウルザがファイレクシアのドミナリア侵攻に備え研究施設と人材育成を目的に設立した《トレイリアのアカデミー》の廃墟である。全盛期とは違い膨大な青マナを生み出すのではなく、墓地からのアーティファクト回収となった。スタンダード当時は《アカデミーの廃墟》と縁のある「ウルザトロン」が基本セットに再録されデッキが構築、7マナのアーティファクト・クリーチャー《トリスケラバス》を採用しており、《トリスケラバイト》トークンの量産体制を実現した。 |
《荒廃鋼の巨像》 |
『ミラディン包囲戦』神話レア。「完成」した《ダークスティールの巨像》である。元々圧倒的な戦闘力だったところに感染を持つことで、毒カウンター10個による即死まで狙えるようになった。12マナという膨大なマナが必要となるが、おおよそ支払われることはなく、何らかの踏み倒し手段と併用される。 |
《金属モックス》 |
『ミラディン』レア。時代を経て登場した0マナのマナ・アーティファクト「モックス」の一角。同ブロックの刻印により手札1枚を追放し、そのカードの色マナを生み出せる。《モックス・ダイアモンド》の調整版といった立ち位置となる。デッキの多色化に役立ったあちらとは異なり、出せる色の関係で単色デッキでこそ輝く性能となった。それ以外は全く差異はなく、モックスらしい強力なマナ加速として重宝される。クリーチャーのような見た目だが、ただのアーティファクトである。 |
《探検の地図》 |
『ゼンディカー』コモン。同系統の土地サーチアーティファクトは他にも存在するが、土地テーマのゼンディカーブロックらしく特殊地形にも対応しているのが大きな特徴となる。特に「ウルザトロン」を探し出せる無色の土地サーチとして採用されることが多い。様々な怪物が記された地図だが、この地には海に住むハイドラがいるようだ。クラーケンの見間違いかもしれない。 |
《稲妻のすね当て》 |
『ミラディン』アンコモン。速攻と被覆を0マナで持たせることで重めのクリーチャー全般の欠点を補う良質な装備品。装備品初登場のセットで使い回しが効くというオーラとの違いを示した1品だろう。統率者を攻守ともにサポートできる点で採用されることが多く、構築済みへの再録回数も多い。 |
《魔力の墓所》 |
元は黎明期の小説「Final Sacrifice」のプロモ。0マナにして無色2マナ生成。これに比べてデメリットは微々たるもので、ヴィンテージで1枚のみ使用が許されている。統率者戦で使用可能なことから需要が高く、それでいて入手難度が全く釣り合っていなかったカード。人気の高まりから『エターナルマスターズ』での初再録を皮切りに、再録できそうな機会があれば再録されるようになってきている。 |
《オパールのモックス》 |
『ミラディンの傷跡』レア。再び次元:ミラディンが舞台となったことで登場した0マナのマナ・アーティファクト「モックス」の一角。単体では何も起きないが、金属術を達成することで好きなマナを出せるようになる。この能力の関係からか、モックス唯一の伝説のアーティファクトである。アーティファクト主体のデッキでのマナ加速、多色化に貢献。モダンにおいて《最高工匠郷、ウルザ》登場以降、デッキが支配的となったことで禁止指定され、アーティファクトを主力とするデッキ全般に大打撃を与えた。イラスト、フレイバーテキスト共に『ミラディンの傷跡』版を意識した内容になっており、ミラディンの太陽ただ1度の完璧と、新たなるファイレクシアへの「完成」がかかった秀逸な1枚に仕上がっている。 |
《饗宴と飢餓の剣》 |
『ミラディン包囲戦』神話レア。かつて『ダークスティール』に登場した二振りの剣と合わせて対抗色5組のプロテクションと、それぞれに対応した能力を持つ剣。プロテクション(黒)は除去耐性として機能し、プロテクション(緑)はクリーチャーが強力な色なことから組み合わせとしては最強格。黒成分の手札破壊、緑成分の土地アンタップ共に非常に優秀。持ちにくそうだ。 |
最後に
美術館などにある絵画の下に貼ってある解説みたいなアレを目指して書いた。そう捉えてもらえれば幸いだが、思った以上に熱がこもり長くなり過ぎたし、2ページ目があることに気付かれない気がしてきた。
フレイバーテキスト
今の最強PWはレガシーで神ジェイスを弾き飛ばして採用されているあんちきしょうですかね・・・
奴の活躍で3/3が鹿に定義されて困ってます
石家事の神秘家の見た目パワー3はありそう
でもやっぱり一番は へ た く そ ですかね……
おじょうさん、おじょうずなんだよなあ
オパモのFTが意味深というか不穏というか
なにか動きがある前振りなのか・・・というか新Φまわりからの収録多いような・・・?
ミラ傷ブロックの純粋なカードパワーが成したことか、それとも・・・
そろそろだとは思うんですよね
議会の採決はあなた(呪文のコントローラ)がコントロールしておらず土地でないパーマネントなので・・・
1対1ではだいたい「そのネメシスに1票ね」「アッハイ私もこれに投票します」みたいなことに
本当ですね民主主義はなかった
マナクリプトエタマス版持ってるんですが、最近ほぼ使わないし売らなきゃと思いだしました
これで明日も食いつなげます ありがとうございました
統率者推しが続くなら再録回数もっと増えそうなんですよね
でも、組みたくなる統率者が増えることも意味しますし、マナクリプト持っておけばよかったとなるかもしれません
ここはひとつ、コイントスでどうでしょう
北のレガリアが自身と対をなしています。これもダブルマスターズ故か・・・
一見ただのコピペミスですが、ひょっとしたらダブルマスターズの光と影、その表現として文章化された概念なのかもしれないのでやはりダブルマスターズ故の事象となります