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1123枚目「大釜の禁止」

大釜の使い魔

Cauldron Familiar / 大釜の使い魔 (黒)
クリーチャー — 猫(Cat)
大釜の使い魔が戦場に出たとき、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
食物(Food)1つを生け贄に捧げる:あなたの墓地から大釜の使い魔を戦場に戻す。

その猫は毎日戻ってきて同じネズミを殺す。ネズミは再び大釜の中へと沈む。
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大釜の使い魔は禁止である。





『エルドレインの王権』アンコモン。黒き宮廷「ロークスワイン」より失われた秘宝《永遠の大釜》により不死性を獲得している黒猫である。名前はまだ無い。

その《永遠の大釜》とは死亡時にライブラリーに帰ってしまうことから相性は劣悪にもほどがあり、専ら《魔女のかまど》へと放り込まれている。

《魔女のかまど》
『エルドレインの王権』
いきなり余談となるが、『基本セット2021』に《魔女の大釜》という非常に紛らわしく、しかもそんなに相性が悪くないアーティファクトが登場。デッキの入れ間違い、カード名を指定する呪文や能力でのミスには注意したい。

《大釜の使い魔》を《魔女のかまど》で食物トークンへと変換→食物トークンをコストに《大釜の使い魔》を墓地から戦場へ。これにより《大釜の使い魔》が戦場に出るたびに1点ドレインが誘発。極論だがこれを繰り返すだけで勝ててしまう。

『エルドレインの王権』の食物トークンを扱うメカニズム。その内、製作者が意図的に仕組んだデザイナーズコンボともいうべき代物である。《魔女のかまど》のタップだけで起動できる使い勝手の良さに、戦闘時に《大釜の使い魔》をブロックさせて起動することでのダメージを帳消しする防御性能の高さ。(トランプルには突破される。)
なにより、《魔女のかまど》起動と食物トークンでの「生贄」という行動を複数回行っていることで、生贄時や死亡時に誘発する能力を持つカードとの相性が抜群によく、「サクリファイス」系デッキのメインエンジンとして採用された。

・パーマネント生贄時に1点ダメージを飛ばす《波乱の悪魔》を合わせた「ラクドスサクリファイス」
・《金のガチョウ》《パンくずの指標》、そこからさらに性能が噛み合った《フェイに呪われた王、コルヴォルド》をフィニッシャーに加えた「ジャンドサクリファイス」
・《王冠泥棒、オーコ》現役時の「フード」とのハイブリットデッキ
・相棒変更前《夢の巣、ルールス》の「ルールスサクリファイス」(黒赤型、《残酷な祝賀者》採用の白黒型)

《波乱の悪魔》
『灯争大戦』
《フェイに呪われた王、コルヴォルド》
『エルドレインの王権』※
《残酷な祝賀者》
『灯争大戦』

※《フェイに呪われた王、コルヴォルド》はブロールデッキに収録され、通常ブースターからは出てこない。コレクターブースターには収録、日本語版はここからのみ入手可能となっている。

これら様々なデッキを生み出し、特に「ジャンドサクリファイス」は環境上位デッキの一つとして数えられ、《王冠泥棒、オーコ》禁止により衰退した食物デッキ最後の生き残りとしてエルドレインを知らしめていた。

2020年8月3日 禁止制限告知

現スタンダードで最後の大きな大会「プレイヤーズツアー2020ファイナル」を終え、9月発売『ゼンディカーの夜明け』でのローテーションまで走り切るのかと皆が思っていた矢先の出来事だった。

突如として、予告なく禁止改訂が告知

スタンダード
《荒野の再生》禁止
《成長のらせん》禁止
《時を解す者、テフェリー》禁止
《大釜の使い魔》禁止
パイオニア
《真実を覆すもの》禁止
《隠された手、ケシス》禁止
《歩行バリスタ》禁止
《死の国からの脱出》禁止
ヒストリック
《荒野の再生》一時停止
《時を解す者、テフェリー》一時停止
ブロール
《時を解す者、テフェリー》禁止
発効日:2020年8月3日

「ティムール再生」の天下であるスタンダード。《荒野の再生》に、同デッキの弱点となる《時を解す者、テフェリー》禁止。元より上位に位置し、これらの禁止後に最強となったであろう「ジャンドサクリファイス」からのキーカード《大釜の使い魔》禁止。生贄エンジンである《魔女のかまど》こそ残るが、大きな弱体化は免れないだろう。

記事内で触れられているが、特に赤黒、ジャンドで行われた《大釜の使い魔》のドレイン、ブロックかまどによる戦闘回避によりアグロデッキ全般に対して高い防御性能を発揮していた問題。そして、毎ターン複数回猫かまどコンボによる、その都度操作、演出を見なければならないデジタル上での煩わしさから禁止となった。アナログでは口頭で処理できることとの大きな違いで、MTGアリーナを推していく現代MTGならではの理由である。実際、私個人も幾度となくアリーナで目の当たりにし、強さ以上にその煩わしさから投了ボタン炸裂させていた面は否めない。

サクリファイスは様々なパーツが絡み合い強力な動きを形成する、まさにカードゲームを実感できるデッキで、深く愛された。それと同時に、大人気生物「猫」でありながら、ここまで憎まれた存在は少ないだろう。

永遠の終焉。

~合掌~





 

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フレイバーテキスト

  1. やっぱり猫はろくな奴がいないワンね〜

  2. ミナショコラミナショコラ…(いにしえの呪文)

  3. 猫かまどパンくずの3点セットは、変態無限コンボデッキの安定化に多大に貢献してくれました
    今までありがとう、猫ちゃん

今日の手札

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