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1207枚目「挑戦者たちへ2021:赤単アグロ」

鍛冶で鍛えられしアナックス

Anax, Hardened in the Forge / 鍛冶で鍛えられしアナックス (1)(赤)(赤)
伝説のクリーチャー エンチャント — 亜神(Demigod)
鍛冶で鍛えられしアナックスのパワーは、あなたの赤への信心に等しい。(あなたの赤への信心とは、あなたがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれる(赤)の総数である。)
鍛冶で鍛えられしアナックスか、他の、あなたがコントロールしていてトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、「このクリーチャーではブロックできない。」を持つ赤の1/1のサテュロス(Satyr)・クリーチャー・トークンを1体生成する。そのクリーチャーのパワーが4以上であったなら、代わりにそのトークンを2体生成する。

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鍛冶で鍛えられしアナックスは自由を奪われた。




 

スタンダードで活躍するデッキを基にメインデッキ60枚+サイドボード15枚、レアカードでもケチらず4枚収録が目立つ入門用商品『チャレンジャーデッキ』。最新版が2021年4月3日に発売となった。

基本的なことに触れつつ、収録されていない採用候補となるカードなど考察する教科書のような記事を目指すようで、ただ知識を吐き出したいだけである。

今日は【赤単アグロ】を眺めてみよう。

星座版もあるよ。

いきなり余談

「アグロ」とはクリーチャーで積極的に攻め立てるデッキタイプ。「ビートダウン」とはほとんど同じ意味。

かつて赤単では毎ターンマナを使い切ることを重視した超速攻デッキを「スライ」と称したが、現在では【赤単アグロ】に統合され死語と言っていいだろう。

デッキリスト

メインデッキ
16:《山/Mountain》
2:《エンバレス城/Castle Embereth》
4:《アクームのヘルハウンド/Akoum Hellhound》
4:《熱烈な勇者/Fervent Champion》
4:《カルガの威嚇者/Kargan Intimidator》
4:《リムロックの騎士/Rimrock Knight》
4:《鍛冶で鍛えられしアナックス/Anax, Hardened in the Forge》
4:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
3:《朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell》
4:《ショック/Shock》
4:《棘平原の危険/Spikefield Hazard》
4:《乱動の噴火/Roil Eruption》
2:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》
1:《エンバレスの宝剣/Embercleave》

サイドボード
4:《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
3:《轟く叱責/Thundering Rebuke》
2:《乱動する渦/Roiling Vortex》
2:《秘宝荒らし/Relic Robber》
2:《魂焦がし/Soul Sear》

赤は速攻を持つ攻撃性能の高いクリーチャー、攻撃を阻害するクリーチャーの除去とプレイヤーに直接ダメージを与えとどめを刺しきる火力呪文を特徴として持つことから時代を問わずアグロデッキを成立させる。

去年の『チャレンジャーデッキ:行軍の猛攻』も【赤単アグロ】で構成に重複している部分が多いことはまず伝えねばならない。

1074枚目「挑戦者たちへ:行軍の猛攻」

購入していたのなら今年はスルーしていいんじゃなかろうか。

ローテーションによりスタンダードの使用可能セットこそ変わったが、【赤単アグロ】の強さを支えた根幹の部分は続投。
歴代でもカードパワーの高いクリーチャーに、本当に必殺技となる《エンバレスの宝剣》。

攻撃クリーチャーの頭数分軽くなり、二段攻撃とトランプルの突破力。瞬速による奇襲性でクリーチャーが3体程度いれば総攻撃からいきなり即死するのも珍しくない【赤単アグロ】で最も恐れられる存在。
前年から引き続き収録された【赤単アグロ】を成立させ続ける立役者で、最重要カード。
今後【赤単アグロ】を使い続けるのなら《エンバレスの宝剣》を4枚まで増やしていこう。再録を経てもなお1000円を超えるカードで続投にはむしろありがとうを云うべきところである。

毎ターンクリーチャーを展開、攻撃の手を緩めずに《エンバレスの宝剣》で殺しきる。極論だがただそれだけの攻撃力に振り切ったデッキである。先攻での強さは特筆に値する。

しかし、対戦相手は人形ではない。クリーチャー除去を筆頭に妨害手段を講じ延命を図る。
【赤単アグロ】側は相手の手札を読んで攻め続けるか、戦力を温存して除去に備えるかを決断しなければならず、一手読み違えただけで立て直しは困難。勝ち続けるのは意外と難しいデッキである。

備考1:クリーチャー

1マナ

クリーチャーの質自体は歴代でも屈指のものである。が、1マナに限っては難がある

1/1速攻、先制攻撃の《熱烈な勇者》は間違いなく最強。4枚済み確定な存在だが、他の選択肢が芳しくない。今回のチャレンジャーデッキでは《アクームのヘルハウンド》でお茶を濁している。

1枚でも土地が置ければパワー2となりコストパフォーマンスがいいものの、常に攻撃をし続けたい【赤単アグロ】では置けなかった時が致命的にもほどがあり、土地の枚数がそんなに多いデッキではない。

ただの1/1だが死亡時にダメージを飛ばす能力を持つ《火刃の突撃者》の方がより適しており、こちらが主流となっている。

《リムロックの騎士》《エンバレス城》でパワーを上げれば飛ばせるダメージが増やせることは覚えておきたい。

2マナ

チャレンジャーデッキに採用されたのは《カルガの威嚇者》。彼自体は悪くない。マナが余ったり手札を使い切っても打点を上げたり臆病者にして攻撃を通すことができる。

しかしそれ以上に《義賊》の攻撃性能が高い。

先行1ターン《熱烈な勇者》→2ターン目《義賊》の速攻こそが【赤単アグロ】最高の圧力。除去の返しに殺しきれる点からも速攻持ちはアグロデッキにとって重要な存在である。

カード奪取能力の方も常に動き続けることから手札枚数が対戦相手より少なくなることが多く誘発しやすい。実際に唱える機会は少ないだろうが、多色デッキに多用される占術1を行う土地「神殿」への妨害として役立ち無駄な能力ではない。

『エルドレインの王権』神話レアだがそこまで高くもないので《ガルカの威嚇者》か《乱動の噴火》と差し替えていくといいだろう。

3マナ

《鍛冶で鍛えられしアナックス》と《砕骨の巨人》の二大巨頭。

マナシンボルを参照する「信心」によりパワーが決定する《アナックス》。クリーチャー展開が《アナックス》のパワーを高めると同時に、トークン生成能力により除去にも強くなる非常に重要な役割。
通常の伝説のクリーチャーは「レジェンドルール」により1枚しか存在できないことで2枚目以降が手札で腐ってしまうのだが、《アナックス》が真っ先に対処されることとトークン生成能力が《アナックス》自身でも誘発することから問題なく4枚積みされる。
去年の記事がおおよそ《アナックス》の販促になってしまうほどに重要である。

《砕骨の巨人》は「出来事」の《踏み付け》自体は2マナ2点で火力呪文としては最低限のものだが、本体が3マナ4/3という破格の存在。
2ターン目に地ならししつつ、3ターン目から進撃する巨人。タフネス2以下に自由などない。
歴代赤のカードでも屈指の効率を持つカードで去年から2年連続4枚収録。それが納得できる高い採用率を誇り、10年以上引きずるほどの存在感を持つ。

【赤単アグロ】が【赤単アグロ】である限りこの枠が変わることはないだろう。

彼ら4枚ずつに追加して《灰のフェニックス》採用をおすすめしたい。

3マナ2/2と控えめながら飛行と速攻で攻撃が通しやすい上に3マナでパワーを上げ、「脱出」により+1/+1カウンターの載せて舞い戻る。
残り数点のライフを削り切るゲーム決定力が高く、1枚だけでも仕込んでおきたい。墓地を捧げよ。すべての犠牲は今この瞬間のために。

トーブラン

ダメージが2点増える赤単の絶対王者。攻撃クリーチャーが複数いるときに出せれば致命傷を負わせ、更地に出しても無視できない存在感を放つ。

【赤単アグロ】にとって4マナは若干重く、伝説であるが故に2枚目以降が腐るリスクがあるが、ゲーム中1枚でも致死量に至る。都合よく引けることを祈ろう。

備考2:氷雪

『カルドハイム』で登場した氷雪土地と氷雪を参照するメカニズム。赤には氷雪パーマネントが3個あれば3点ダメージになる《霜噛み》が効率の良いクリーチャー火力として登場した。

これに加えて、氷雪マナによりクリーチャー化する《不詳の安息地》。

プレイヤーに通らないが1マナ3点火力の効率は他の追随を許さず、火力呪文は《砕骨の巨人》と《霜噛み》のみに絞っていいほど。これらで対処できないクリーチャーの除去はサイドボードに用意する。

《不詳の安息地》は計4マナで4/3。ただでさえ除去を避けやすいクリーチャー化する土地でありながら、警戒すべてのクリーチャータイプを持つ。
警戒は攻撃により《エンバレスの宝剣》を軽くしつつ、そのままマナも生み出せるので2マナ分の働きとなる。
すべてのクリーチャータイプを持つ。つまり、騎士なので《熱烈な勇者》のパワー上昇能力が誘発し、ならず者なので《義賊》が追放したカードをプレイ可能とする。
これら副次効果が【赤単アグロ】に異常なまでに噛み合っているのである。

氷雪全般に言えることになるが《傑士の神、レーデイン》というアンチカードが存在するのは覚えておきたい。裏面《守護者の盾、ヴァルクミラ》の方もかなりの脅威で間に合ってしまったら【赤単アグロ】で勝つのは困難となる。

そのリスクを負っても《霜噛み》《不詳の安息地》を採用するメリットの大きさからこれらを採用すべく基本土地の山をすべて《冠雪の山》へと置き換えた【赤単氷雪】とも称すべきデッキが【赤単アグロ】の主流となっている。

焔のように熱く。氷のように冷ややかに。

最後に

値段的な側面から考えると《エンバレスの宝剣》1枚と《髑髏砕きの一撃》2枚収録でどれも1枚1000円程度と見ると希望小売価格3500円はそんなに悪い話ではない。

先にも触れたが、去年のチャレンジャーデッキ『行軍の猛攻』とは《熱烈な勇者》《砕骨の巨人》4枚ずつなど重複するカードが多く、購入していたのなら《エンバレスの宝剣》を買い足すのをおすすめする。

氷雪を推したがそもそも完全に初心者となると20枚弱の《冠雪の山》入手に手間がかかるので無理に氷雪にする必要はないかもしれない。

デッキを崩さずそのまま突き進むのも、自由だ。

あなたの挑戦をお待ちしております。





 

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