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1208枚目「挑戦者たちへ2021:緑単ストンピィ」

水晶壊し

Gemrazer / 水晶壊し (3)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast)
変容(1)(緑)(緑)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
到達、トランプル
このクリーチャーが変容するたび、対戦相手がコントロールしている、アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。

4/4

水晶壊しが到達したのは自然への回帰。




 

スタンダードで活躍するデッキを基にメインデッキ60枚+サイドボード15枚、レアカードでもケチらず4枚収録が目立つ入門用商品『チャレンジャーデッキ』。最新版が2021年4月3日に発売となった。

基本的なことに触れつつ、収録されていない採用候補となるカードなど考察する教科書のような記事を目指すようで、ただ知識を吐き出したいだけである。

今日は【緑単ストンピィ】を眺めてみよう。

アンギラスだったり目が光ったりするよ。

いきなり余談

「ストンピィ」とはクリーチャーで対戦相手を踏みつける様からつけられた速攻デッキ。主に緑単色で組まれたものを指すが、【エルドラージ・ストンピィ】のように主力となるクリーチャータイプの名を冠することもある。

「アグロ」「ビートダウン」とはほとんど同じ意味で現在では【緑単アグロ】と称されることが多い。
だが、《飛びかかるジャガー》に《怨恨》など全盛期の活躍を胸に抱くプレイヤーたちはその憧憬から【緑単ストンピィ】の名を呼び続けている。

デッキリスト

メインデッキ
19:《森/Forest》
4:《僻森の追跡者/Wildwood Tracker》
3:《群れのシャンブラー/Swarm Shambler》
2:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
2:《ヘンジの槌、ファレン卿/Syr Faren, the Hengehammer》
2:《僻境生まれの保護者/Wildborn Preserver》
4:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
3:《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》
3:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
2:《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ/Yorvo, Lord of Garenbrig》
2:《水晶壊し/Gemrazer》
2:《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
2:《蛇皮のヴェール/Snakeskin Veil》
4:《強行突破/Ram Through》
2:《変わり樹の共生/Turntimber Symbiosis》
3:《原初の力/Primal Might》
1:《解き放たれた者、ガラク/Garruk, Unleashed》

サイドボード
3:《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》
1:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
3:《オークヘイムの敵対者/Oakhame Adversary》
2:《巻き添え/Run Afoul》
2:《蛇皮のヴェール/Snakeskin Veil》
2:《自然への回帰/Return to Nature》
2:《カルニの待ち伏せ/Khalni Ambush》

緑は強力なクリーチャーが最大の特徴である。だがその持ち前の戦闘力で圧殺するだけのようで、戦闘ダメージにより破壊を確定させる「接死」、クリーチャーを直接クリーチャーにぶつける「格闘」、緑が持つことは稀だが逆に破壊するのは得意な飛行破壊などの多様なクリーチャー除去。
エンチャント、アーティファクトを破壊する呪文のみならず、《打ち壊すブロントドン》《水晶壊し》のように戦闘用クリーチャーとしても一線級のコストパフォーマンスを持つメインデッキから採用に支障がないクリーチャーたち。
その実クリーチャーに関係すれば何でもできるという高い汎用性を持つ。

緑単色だけでも多様な生態系を有し、似てるようで異なる複数のデッキを組み上げることが可能なほど。今回のチャレンジャーデッキでは、+1/+1カウンターに着目した構成なようだ。
強いクリーチャーを強く鍛え上げて圧殺を目標にしつつ、クリーチャー除去、エンチャント破壊に「呪禁」による対戦相手の妨害を回避するカードで攻撃を通すシンプルな構成で初心者向けに相応しいデッキと言えるだろう。

備考1:+1/+1カウンターと変容

デッキ内で目立つのは《群れのシャンブラー》《漁る軟泥》《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》など+1/+1カウンターにパワー/タフネスを委ねたクリーチャー。

マナをつぎ込んだりターンをかければ強くなるクリーチャーたちで、元々のパワー/タフネスは低めとなる。そこで機能するのが「変容」を持つ《水晶壊し》。

《水晶壊し》を上に置くことで元々が4/4到達トランプルという優秀な戦力に乗っていた+1/+1カウンターがそのまま加算。一気にゲームを終わらせるフィニッシャーへと膨れ上がる強力なコンボとなる。
このチャレンジャーデッキでは主戦略に位置するだろう。

変容が登場した『イコリア:巨獣の棲処』には他にも変容を持つクリーチャーが存在するが、この用途では《水晶壊し》が最強格で枚数こそ悩むが他のカードを無理に足す必要はない。
次点で3/4土地サーチを持つ《渡る大角》がおすすめではある。

動きが気に入ったのなら足してみるといいだろう。

また、変容の取り扱いは少々特殊なのでわからない部分は素直にwikiを読んだほうがいい。

変容 - MTG Wiki

最低限これくらい覚えておけば大丈夫だろう。

・「変容させるクリーチャー呪文」として自分の人間でないクリーチャーを対象に唱える呪文。
・唱えた際に対象に取ったクリーチャーが破壊されたらそのまま戦場に出る。この場合は変容していないので「変容するたび」能力は誘発しない。
・変容されている限り1体のクリーチャーとして扱い、1枚のカードとして戦場を離れる。一時的な追放からは変容が解除されたバラバラの状態で戦場に戻る。

備考2:あった方が良さそうなカード

+1/+1カウンターを有効活用する戦略は幅広く用いられ、複数のセットに相性の良いカードが存在する。それらを自力で探し試してみるのが一番の楽しみだろう。

だが、入ってないことに驚いたカードを1枚記しておく。

『ゼンディカーの夜明け』収録《オラン=リーフの軟泥》である。

戦場に出た時に+1/+1カウンター1個、攻撃するたびに攻撃クリーチャー全員の+1/+カウンターを1個増やすすごい泥。《打ち壊すブロントドン》をサイドに引っ込めてダイスやおはじきいっぱい乗せような。

土地としては『エルドレインの王権』から《ギャレンブリグ城》。

純粋にマナを増やせる土地。緑マナしか出ず、クリーチャーに関する用途にしか使えないが【緑単】ではデメリットがほぼない。2枚もあれば充分だろう。

パワー4以上が問題なく達成できる点から『イコリア:巨獣の棲処』の《賢者の居留地》を採用してもいいだろう。

備考3:あった方が良いけど高くて勧めるのに躊躇するパワーカード

クリーチャーこそが最大のパワーである緑には神話レアに「最強じゃん」としか言いようがないクリーチャーが登場することが多い。

まずは『エルドレインの王権』の《探索する獣》。

「たんけも」や英語名から「クエビー」と称されるクリーチャー。
能力盛り過ぎの象徴で弱い場面が存在しない。唯一、伝説であるが故に1枚しか出せないのが欠点だが、除去されても続けざまに速攻で殴れる点から多く採用しても構わないほど。
1500円程度。

次に『基本セット2021』から《長老ガーガロス》。

5マナと若干重いが、3つのモードいずれも有用で自分に足りないものを補強していく。攻撃してもブロックしても誘発する能力でありながら攻撃してもタップしない警戒持ち。
無事ターンさえ返ってきたらどうにもなってしまう怪物である。
2000円程度。

そして、『カルドハイム』から《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》

6マナ6/6速攻、トランプルという圧倒的な戦闘力にあらゆるカウンターの増減。
4000円程度。

今回のチャレンジャーデッキでは+1/+1カウンターに着目した点から《ヴォリンクレックス》が最も相性が良いだろうか。

最後にクリーチャーから離れるが【緑単】最強と言っていいカード。
『エルドレインの王権』の《ストーンヘンジ》である。

2マナ出すわ、+1/+1カウンター置くわ、ドローするわ、回復するとんでもねえアーティファクト。
3マナ5/5《恋煩いの野獣》との相性は特筆に値し、4マナに軽量化することで次のターンに設置可能となる。あらゆる【緑単】でセット運用される、現代緑の象徴。
3000円程度。

運良くパックから入手できたり、【緑単】が気に入ってより強化したいのならこれらを集めるといいだろう。

備考4:食物

ここではチャレンジャーデッキから少し離れた【緑単】のバリエーションに触れておこうと思う。
『エルドレインの王権』に登場した食物トークンを扱う【緑単フード】である。

食物トークン自体はライフを回復するだけのものだが、これを生贄に捧げることで機能するカード群を駆使するデッキ。

食物トークンの供給する《金のガチョウ》《魔女のかまど》《パンくずの道標》。

《金のガチョウ》はマナ加速を行えるので優先度が高い。
《魔女のかまど》は対戦相手の除去に対応して起動すると無駄なく調理できる。
《パンくずの道標》は1マナ支払うことでデッキ操作。食物トークンを普通に3点で食べても誘発することは覚えておきたい。

食物の使い道として凶悪なのが《意地悪な狼》。

戦場に出た時に格闘を行い、食物を与えれば+1/+1カウンターと破壊不能を獲得。これにより一方的なクリーチャー破壊を行いつつ4/4になった《意地悪な狼》を戦場に残すことができる。
以降も食物を与えればその分だけ大きくなるし、破壊不能で対処が困難。

最後にフィニッシャーとなる《貪るトロールの王》。

手札から出すと食物3個。墓地からは食物3個で帰ってくる立派な王様である。

全体的にチャレンジャーデッキの【緑単ストンピィ】よりもコストが重くなるので『ゼンディカーの夜明け』から《絡みつく花面晶体》も必要になってくるだろう。

他の【緑単】を試したくなったり、「備考3」で触れたカードが高くて手が出せなかったときに考えてみてほしい。

最後に

値段的な側面から考えると希望小売価格3500円は結構厳しい。正直今年は《グレートヘンジ》が来ると思ってたが、《解き放たれた者、ガラク》と《共生の変わり樹》2枚だった。

しかし内容は+1/+1カウンターに着目しきちんと緑の特徴を活かしたゲームをしつつ、《漁る軟泥》《水晶壊し》《恋煩いの野獣》《カザンドゥのマンモス》といったスタンダードで活躍するレアをきっちり採用しており、他のデッキへ進む足掛かりになっている。
最初に買うデッキとしてそこまで悪いものではない。

これは私が撒いた道標。

追うか背くか、それともーーー

あなたの挑戦をお待ちしております。




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