Investigator’s Journal / 調査官の日誌 (2)
アーティファクト — 手掛かり(Clue)
調査官の日誌は、プレイヤー1人がコントロールしているクリーチャーの数のうち最も多い数に等しい個数の容疑(suspect)カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
(2),(T),調査官の日誌の上から容疑カウンター1個を取り除く:カード1枚を引く。
(2),調査官の日誌を生け贄に捧げる:カード1枚を引く。
調査官の日誌とは手掛かりである。
『イニストラード:真紅の契り』実装早3日目。この間私は、限りある時間をドラフトにぶつけてはこの環境まるで分らんぞと《船砕きの怪物》に轢かれ、4T《血瓶の調達者》を見上げていた。
露骨なまでのレアピックとなけなしの報酬のパックから得たカードと、それなりのプレイ期間の成果たるコモン、アンコモンワイルドカードを叩きつけ、思い至ったデッキを組み上げていった。相変わらずの《よろめく怪異》、膨れ上がる《滅びし者の勇者》に負け、コピー呪文を見た瞬間に天啓を得たり、そして、たまにメタ外故のえげつない勝ちをする。
本日はそんな調査記録を記していきたい。とは言っても、いずれもBO1。話のタネ程度に楽しんでいただきたい。
1.セレストマグナ
デッキリスト
4 表現の反復 (STX) 186
2 廃墟の地 (MID) 262
1 這い回るやせ地 (ZNR) 262
3 予言の像 (VOW) 256
1 セレスタス (MID) 252
1 溺神の信奉者、リーア (MID) 59
1 砂漠滅ぼし、イムリス (AFR) 62
4 ゼロ除算 (STX) 41
1 不思議な秘本 (MID) 63
1 運命的不在 (MID) 18
2 ドゥームスカール (KHM) 9
1 船砕きの怪物 (VOW) 63
2 日没を遅らせる者、テフェリー (MID) 245
1 ストーム・ジャイアントの聖堂 (AFR) 257
3 才能の試験 (STX) 59
1 招待制 (VOW) 5
4 消えゆく希望 (MID) 51
4 さびれた浜 (MID) 260
1 エメリアの呼び声 (ZNR) 12
6 平地 (VOW) 398
4 山 (VOW) 401
5 島 (VOW) 399
1 マグマ・オパス (STX) 203
3 削剥 (VOW) 139
2 嵐削りの海岸 (VOW) 265
1 信仰縛りの審判官 (VOW) 12
サイドボード
1 アルカイックの教え (STX) 57
1 記憶留出法 (STX) 25
1 謹慎補講 (STX) 7
1 環境科学 (STX) 1
1 マスコット展示会 (STX) 5
1 殲滅学入門 (STX) 3
1 予言学入門 (STX) 4ア
土地とマナアーティファクトのダブルアンタップ、《不思議な秘本》の手札供給と変身後《凍える伝記》の遅延性能から伸びたマナの注ぎ込み先に《這い回るやせ地》と色マナ安定化を兼ねる《マグマ・オパス》の採用。
要は《セレスタス》で《マグマ・オパス》。ならば【セレストマグナ】の名が相応しいだろう。
コンセプト
本デッキの発端は『イニストラード:真夜中の狩り』が実装したすぐ後に開催されたブロールイベントである。
当セットのプレインズウォーカー《レンと7番》《群れの希望、アーリン》はデッキ構築の方向性がわかりやすく見た目通りに、いや、見た目より強いカードだとすぐに感触を得られていた。
そこで、《日没を遅らせる者、テフェリー》はどうなのかと挑んだデッキである。
《テフェリー》を有効活用するに最も重要視すべきは、[+1]の対象。クリーチャーに関しては《砂漠滅ぼし、イムリス》なる露骨なまでに相性のいいクリーチャー、それと土地としてもクリーチャーとしてもカウント可能なミシュラランドの存在からすぐに解決に至る。
氷雪土地である《不詳の安息地》よりも駄々余るマナの注ぎ込み先として《這い廻るやせ地》を採用している。あいつ警戒ついてて損した気になるし。
アーティファクト
なにより、相性のいいアーティファクトを採用しなければ十全と機能させるに至らず、この選択にこそ《日没テフェリー》の構築が光る部分だと私は考えている。と、大見えを切りたいところなのだが、《セレスタス》なるわかりやすい使い道が用意されているのでそこまで悩む必要はない。
次いで、使ってみると明らかに《テフェリー》用だと発覚した《不思議な秘本》//《凍える伝記》を発見。さらに《ストリクスヘイヴンの競技場》という勝利手段になってしまうマナアーティファクトまであった。
ブロールでの《ストリクスヘイヴンの競技場》10点勝利は《テフェリー》による点数加速とクリーチャーアンタップによる攻防一体のおかげで容易に達成可能だった。しかし、ネタコンボだろこんなものと、スタンダードに仕立て直すにあたり外してしまっていた。赤青白の3色で挑むことから、無色マナ生成を嫌ったのも大きな要因である。
だが実際スタンダードで導入している例が見られ、もっと強気にアピールしておくべきだったと、ありもしない機会損失の念を抱く。
それでも、時を進めなければいけない。『真紅の契り』ドラフトを通しコモン、アンコモンを中心に使用感を確かめていく中で、新たに発見したのが《予言の像》である。
3マナの好きな色を出せるマナアーティファクトにしてクリーチャー。《テフェリー》[+1]カウントを両面で満たすことが可能なマナ加速。さらには、5/5という申し分のないサイズへと変身する。
ストーリーで文字通り本当に日没を遅らせたテフェリーだが、彼は時間に関する魔法のスペシャリスト。時を止めるのみならず、加速させ発掘作業を早めることも造作はない。
問題は、召喚酔いだった。他のマナアーティファクトは魂無き器物故に酔うことなくマナを賄う。例えば、3マナ設置からの1マナ残しで《消えゆく希望》を構える仕草は、より長い生存を主眼とするコントロールデッキにおいて本懐に等しい。
そして、アーティファクトにしてクリーチャー。両者の除去が効いてしまうという基本に立ち返ることとなった。自らも握りしめる《削剥》に脆く、砕け散っていく。
未だ変身に至っていないことからもう少し粘ろうとは思う。
《調査官の日誌》ももちろん相性がいいのだが、延命に全く機能しないので《不思議な秘本》がある以上出番はない。
フィニッシャー
青が有するあまりある妨害呪文は数多のロングゲームを造り出す。その果てのゲームエンド。
当初フィニッシャーとしてせっかくのマナを活かすべくX火力《夜を照らす》に目を向けたものの、《心優しき霊》の加護無くばまず通ることはない圧がある。それを以てしても、ゼロで割り切れてしまい重大な隙が生じる。
《黄金架のドラゴン》を使うならばもはや《アールンドの天啓》まで入れて【イゼット天啓】にしてしまえばいいし、しない理由がない。そんな存在意義を奪うような真似はすべきでないし、多少オリジナル感を出したところでそれは【イゼット天啓】である。
『真夜中の狩り』ではここで時が止まった。ただ遅らせるだけで感電天啓の絵合わせを見届けるだけのデッキに成り果てていた。
そうして『真紅の契り』にお目見えしたのが《船砕きの怪物》である。
同じポーズなことからもわかる通り、《溺神の信奉者、リーア》の全フラッシュバックとの相性は特筆に値する。なおイゼットデッキ全般に無理なく組み込め、至る所で試行錯誤されている模様。もはやこう使えって書いてる。
辛うじて、とんでもなく長いゲームが続いたことから《兇徒の審判》が成立するのではと目論見、これの採用に至っているがーーー
ゼロで割り切れてしまうだけなら大きな問題ではないが履修。《殲滅学入門》などの講義で対処されてしまうことが致命的にもほどがあり、手札に用意されただけで苦痛が生じてしまう。
備考
本デッキはとにもかくにもロングゲームと化す。決着に向けて積み重ねるスタックに、お互い10枚以上並ぶ土地。つまるところ、【イゼット天啓】と向き合う形となる。
よって、多分に漏れず《アールンドの天啓》に対する《才能の試験》は必須に値し、《ストームジャイアントの聖堂》を潰す《廃墟の地》も1枚では絶対に足りない。
素早く削り切るデッキでないのであれば、かのデッキは意識し続けねばならない。
散らかった思考
結果、「ミシュラン」「イムリスか船破りの怪物」「兇徒の審判」「履修マスコット展示会」と勝ち筋が散らかることとなった。
対処の異なる勝ち筋を複数用意し、多角的に構えるのは悪いことではない。しかし、アーティファクト有効活用で存在意義こそ担保しているものの、つまるところこれは天啓レス天啓に成り果てていないか。ただ使いたくないだけで逃げていないかと苛まれている。
《マグマ・オパス》増やした方がそれっぽくなる気もするし、メイジタワー観戦キップを握るテフェリーの姿を見るかもしれない。
つづく
デッキ3個まとめて書こうと思ったけどなんか長くなったので次に回します。
フレイバーテキスト
ヒストリックブロールですが、日没テフェリーデッキを愛用しています。
私のはアーティファクト利用に特化した構成で、多めのマナファクトでのマナ加速と、きらきらするすべて・イラクサ嚢胞でのハードパンチが魅力です。
確かに同じポーズだがw
>>《調査官の日誌》ももちろん相性がいいのだが、延命に全く機能しないので《不思議な秘本》がある以上出番はない
サムネ日誌「ゑ?」