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1190枚目「カルドハイムのレア、神話レア雑語 更新終了」

戦乙女の猛威

Rampage of the Valkyries / 戦乙女の猛威 (3)(白)(黒)
エンチャント
戦乙女の猛威が戦場に出たとき、飛行と警戒を持つ白の4/4の天使・クリーチャートークン1体を生成する。
あなたがコントロールしている天使1体が死亡するたび、他の各プレイヤーはそれぞれクリーチャー1体を生贄に捧げる。

「この地は汚れている。浄化せよ。」

あったカルドハイムで待っている。





 

前置き

カードの強弱。それはカードを手にデッキを組んだ後に知ること。
込められたフレイバーを味わうのは、封を解くその時に。

だが、発売前にあれこれ語るのもMTGを楽しむ醍醐味。すべてのカードについて書ききるのはあまりにも無茶、ガイドブックを書くレベルの作業になってしまうので、レア神話レアについて絞ることとする。

注意点

・ソースが明確なカードが公開され、気がついたら更新。速報性はない。
基本的にカード単体で見る個別評価。後から公開されたカードとの関連に気がついたらいくらでも書き直す。
・公式サイトの「Card Image Gallery」にカード画像が掲載されたのに気がついたら日本語画像に差し替える。
・モードを持つ両面カードは、それが許可されているならどちらかを選んでプレイできる。
・画像はタップで拡大可能。
・世界観に関する記述は後に公式記事が出ると思うので、その時に書き加えたり加えなかったりする。
・北欧神話の知識は多くの創作物、特にラグナロクオンラインと、その影響で学生時代に読んだ本1冊。ヴァイキングの知識はヴィンランドサガ(週刊少年マガジン連載分、ほとんど覚えてない。)、ワンピース(ほとんど出てこない)、FGO(全く本筋に絡まないエイリーク)のみ。当店はマウント取り放題となっております。

初稿:2020年12月26日
最終更新:2021年1月21日 全カードリスト公開

メカニズム

予顕 誇示 モード両面 氷雪 英雄譚

予顕
自分ターンならいつでも2マナ支払って裏向き追放でき、後のターンに予顕コストで唱えられる。基本的には重い呪文の分割払い。追放領域という手の出しにくい場所に手札破壊からカードを逃がす手段にもなる。

誇示
攻撃すると起動できるようになる能力。1ターンに1度

モードを持つ両面カード
表と裏、別々のカードを選んでプレイする。『ゼンディカーの夜明け』から続投。

・氷雪
カードが持つ特殊タイプ。氷雪であること自体には意味は持たないが、氷雪カードを参照する呪文や能力、氷雪パーマネントが生み出す氷雪マナを参照するカードがある。

・英雄譚
戦場に出た時と自分アップキープ時に伝承カウンターを乗せ、個数に応じた能力が誘発するエンチャント。『ドミナリア』『テーロス環魂記』にも登場。

神話レア

《戦闘の神、ハルヴァール》//《領界の剣》

4マナ4/4のクリーチャーにして、2マナの装備品。この使い分けによって同一の伝説のパーマネントは1つしかコントロールできないデメリットを回避できるのは見逃せない。

ハルヴァールは、白らしくオーラ、装備品サポート。《きらきらするすべて》のような優秀な修正値のみをもたらすオーラに二段攻撃という突破力を持たせることができる。彼自身が持つ《領界の剣》自体が装備品として悪くない性能なのも魅力的。
おまけに戦闘開始時のオーラ、装備品を1つ移動させる能力。移動させる条件は「あなたがコントロールしているクリーチャーについている」なのでオーラ、装備品自体のオーナーは問われていない。対戦相手につけられた妨害オーラを他のクリーチャーに移すことができるのは一応覚えておいたほうがいいかもしれない。

領界の剣は、装備2マナの+2/+0に警戒。装備しているクリーチャーが死亡すると手札に戻ってくるので、オーラをつけたクリーチャーが死亡することによるアドバンテージの損失を緩和できる。また、《夢の巣のルールス》がやっているように《命の恵みのアルセイド》《無私の救助犬》といった軽量で自身を生贄にすることで起動する強力な能力を持つクリーチャーを使いまわすコンボが行える。アルテマウェポン。ラストフェンサー。ムーンライトソード。

やはり登場した「神」。ギリシャ神話テーマの『テーロス』、エジプト神話テーマの『アモンケット』とは異なり、破壊不能はなく、クリーチャーとしての機能に制限が一切ない。これは北欧神話の神は普通に死亡するし、人々の信仰よりも、人間味の溢れる描写が多く、詩人たちが語り継いだ物語として親しまれたことの表現かもしれない。

北欧神話は、最高神オーディンから連なる系統アース神族を中心とした神話で、中には神の死を取り扱った物語も存在する。なにより、その終焉であるラグナロクは、神々と巨人の均衡が崩れすべての生命が消える最終戦争。そして、生き残った神による新たな世界の始まりを描く、平たく言えば、「世界の代替わり」である。

ハルヴァールは「信仰の色である白」「戦闘」を象徴することから、戦争を司る最高神オーディンを彷彿とさせる要素こそある。世界の終焉ラグナロクに備えて死した優れた戦士の魂をヴァルハラに集めていたことも《領界の剣》の能力に通じる部分はある。

だが、オーディンは「魔術(ルーン)」や「知識の探究」といった側面がより強く、カラーパイ的には青の方が適切に感じる。なにより、オーディンを象徴する武器といえば槍「グングニル」である。(まさか、斬鉄剣ってことはないだろう。)

「豊穣」に加えて白のシンボルでもある「太陽」を司り、「勝利の剣」を持つフレイが基となっているかもしれないし、両者を兼ね備えたかもしれないし、軍神テュールかもしれないし、全然関係がないかもしれない。公式記事を待とう。

《シュタルンハイムの解放》

カルドハイムにおけるヴァルキリーの領域シュタルンハイムから飛び出してくる呪文。4マナで4/4飛行・警戒のトークン1体。この時点で1マナ軽い《セラの天使》という時代を感じさせる1枚

予顕はXXでX体の天使となる。計5マナなら2体で《セラの天使》2体分。裏向きを経由することでワンテンポ挟むとはいえゲームを決めるには充分すぎるくらい強い。

各色に大量のトークン生成を行う呪文がある。カルドハイムは、世界樹を中心に10の次元が漂う世界観で、時折次元同士が衝突する現象ドゥームスカールが発生する。大規模な地殻変動ともに各次元の住民同士による争いになるとされる、北欧神話におけるラグナロクだろう。これを意識したサイクルなのだろうか。

《輝かしい司令官》

戦場に出た時と死亡した時に全体強化を行う天使。条件がやや特殊で、誘発時に墓地から他のクリーチャーの追放し、そのカードを共通のタイプに+1/+1カウンターのご提供。

天使や戦士を追放しても自身にはカウンターは置かれない。周りを強化するだけの部族デッキ要員である。3マナ3/3飛行で戦力としても充分。重くなりがちな天使デッキの低マナ域を埋められるか。




レア

《戦乙女の先触れ》

特定のカードで構成される「テーマブースター」収録。日本語版が発売しないのだが、「セットブースター」にもテーマに基づいた内容が収録され、こちらから登場することがある。

6マナ4/5飛行+絆魂に、各ターン終了時にライフを4点得ていれば4/4飛行+警戒の天使トークン生成。《輝かしい天使》を重くしたような性能。6マナは流石に重いが、攻撃したら天使トークンが防御に回るので、ライフ回復シナジーのデッキでなくとも単体で機能するのは大きな強みだろう。

Valkyrie(ヴァルキリー)とは北欧神話において戦死者を運ぶ存在である。その内、勇敢な戦士の魂を選定し、オーディンの治めるヴァルハラの館へと向かう。

外見は女性として描かれること、戦場に姿を見せる武装した様子からMTGの天使像に近いだろう。『コールドスナップ』では《アダーカーの戦乙女》が登場し、ここから戦乙女という訳が定まった。

《神に愛された者、シグリッド》

瞬速と戦闘に参加しているクリーチャー限定ながら一時追放を行う事実上インスタント除去として機能するクリーチャー。状況次第ではそのままブロックに参加し、2体のクリーチャーを倒せる。パワー2と控え目だが先制攻撃を持つので狙いやすい。

神に愛されているがプロテクションによりクリーチャー化した神の影響を受けない。『テーロス環魂記』の神々は戦場において信心が足りない場合クリーチャーではなくなるので対象に取ることができる。

「シグリッド」という名前的に北欧神話の中でも著名な英雄シグルド(ジークフリート)を彷彿とさせるが、彼を語る上で欠かせない「財宝」や「龍殺し」といった要素は見られない。

能力的には神々の寵愛を受けた光の神バルドルを感じさせる。悪夢に苛まれたバルドルを心配した母にしてオーディンの妻である最高位の女神フリッグは、世界中すべての存在にバルドルを傷つけぬように約束させた。(しかし唯一ヤドリギだけ契約することができず、これを見抜いたロキの策略により命を落としてしまう。)

《兵員の結集》

クリーチャータイプ指定の全体強化エンチャント。『オンスロート』に存在した《共同の功績》の自分クリーチャー限定にしたリメイクである。

全体強化エンチャント全般に言えることだが、現在のMTGはクリーチャーの質が高く、単純にクリーチャーを増やした方が効果的な盤面は多い。それでも例によって頭数を稼げるトークン生成との相性は良好ではある。また、『基本セット2021』に《栄光の頌歌》が再録されていることから、これらを併用し部族特化アグロの安定面での貢献はできる。

ヴァルハラに集められた勇敢な戦士の魂エインヘリアルを意識したであろうカード。

《栄光の探索》

3マナサーチ呪文。氷雪パーマネント伝説英雄譚とその範囲は非常に広い。これを採用するデッキならば探し出せないカードの方が少ないだろう。

おまけに使用した氷雪マナ分、最大3点のライフ回復。盤面を対処すべく探し出そうにもそのまま敗北してしまうといった状況を回避できる。『テーロス環魂記』の《牧歌的な教示者》と同じコストで、3マナで1枚という使いにくさだけが目立つのに比べると、かなり使い勝手のいいカードだろう。

プレインズウォーカーニコ・アリスは、テーロスにおいて自身に定められた運命に疑念を抱き、《運命の神、クローティス》に抗い自らの手で「英雄」となることを選んだ。

公式記事 – ニコ・アリスの創造

《傑士の神、レーデイン》//《守護者の盾、ヴァルクミラ》

3マナ2/3飛行、警戒に妨害能力を持つ白らしいクリーチャー。

まずは氷雪対策として対戦相手のみ氷雪土地タップイン。パーマネントでなく土地のみ、3マナでは遅い感は否めないが・・・。

さらに、対戦相手のみマナコストが4以上、クリーチャー出ない呪文のコスト増加。こちらは氷雪に関係なく通用する。

レーデインが持つ《守護者の盾、ヴァルクミラ》も盾らしくダメージ軽減と追加1マナを課す防御アーティファクト。名称的に装備品のようだがそんなことはない。

レーデインは「若く熱狂的で正義に全身全霊を捧ぐ神」とのこと。

北欧神話で正義を司ると言えば、司法の神フォルセティが該当する。《守護者の盾、ヴァルクミラ》通常版のイラストを見ると司法の象徴である「天秤」の意匠に見えなくもないので意識しているかもしれない。

フォルセティは最も雄弁かつ賢明、そして柔和な神とされる。彼の住居兼法廷である宮殿グリトニルに揉め事を持ち込んだ者たちはすべて和解されて帰って行くことから、人々からも神々からも慕われていたという。
ちなみに、フォルセティは光の神バルドルの子で、バルドルは最高神オーディンの子。つまり、オーディンの孫にあたる。

ヴァルクミラについては、北欧神話で盾と言えばスヴェルだろう。太陽(太陽の女神ソルとも)と大地の間に存在し、その膨大な熱から大地を守っているという。オゾン層だね。
ダメージ軽減、対象に取る呪文や能力にコスト増加と、膨大な熱=火力呪文から守ってくれる盾になっている。

《栄光の守護者》

4マナ3/4瞬速・飛行で天使以外の自分クリーチャーを任意の数追放。《栄光の守護者》が戦場を離れると帰ってくる、白のエンチャントが良く行う追放系能力である。

瞬速により除去回避が行い目論見を大きく潰せる。また、予め戦場に出しておくことでクリーチャーたちの前に立つその身を盾にした除去耐性としても見ることができる。

だがやはり主目的はコンボ要員だろう。スタンダードでは《空を放浪もの、ヨーリオン》によるブリンクコンボを軸にしたデッキが存在するが、《栄光の守護者》では戦場から離れさせる手段が必要なことと、クリーチャーのみなので劣ってしまう。それでもヨーリオンを相棒に据えれば80枚デッキとなるので単純にコンボパーツ増量を目的に採用されるか。

コストやサイズ、能力は《修復する天使》を意識したものだろうか。

《正義の戦乙女》

最近、特に『基本セット2021』で顕著となる白のライフゲイン戦略を大きくサポートする天使。3マナ2/4飛行という序盤では頼りになるブロッカー。そして、天使かクレリックを出すたびにそのタフネス分回復する能力で対アグロ性能が高い。

さらに、初期ライフが開始時より7点以上(通常27点)ならば、+2/+2修正を受ける。自分クリーチャーすべてが。自身は4/6、《正義の戦乙女》自体が天使かつクレリックなのでライフ回復もきちんと誘発し、全体強化の恩恵も増していく。もう《正義の戦乙女》だけでいい・・・

・・・ようでこの「初期ライフより7点以上」という条件は、結構難しい。同条件を持つ《天界の語り部》を使用した経験がある人ならわかるだろう。特に序盤から攻め立ててくるアグロデッキに対しては困難を極める。1マナ1/1だろうが存在を許すだけで遠のいてく。

そこで登場した《正義の戦乙女》の対アグロ性能と破格の全体強化はまさに福音だろう。さあ、天使と僧侶のお尻をチェック!

《ルーン鍛えの勇者》

戦場に出た時ルーンをサーチし、ルーンのマナコストをたったの1マナにしてしまう戦士。サーチはデッキ内のみならず墓地にも対応という凄まじさ。

しかし肝心のルーンは『カルドハイム』に5枚。いずれもアンコモンで各色を象徴するキーワード能力を持たせるもの。確かに便利ではあるが物足りない。だが戦場に出た時に1ドローを行う、いわゆるキャントリップ。うまく活用すれば白にしてはデッキを掘り進めることができそうだ。

ルーン魔術は、かつて北欧に住んだゲルマン人たちが使用していたルーン文字を用いる魔術。叶えたい願いのルーン文字を刻むことで効果が発揮するとされ、北欧神話にも登場する。

カルドハイムにおいてもそれは再現され、パーマネントに着けるオーラで、そのパーマネントタイプにより異なる効果を発揮する。(とは言っても、同じ効果を持たせるのがクリーチャーか装備品かの違い。)

さて、北欧に深く根付いているルーンだが今後増えることは叶うのだろうか。

『カルドハイム』ルーン一覧

《ドゥームスカール》

いつの時代どこの世界でも白は「すべてのクリーチャーを破壊する。」

現代の基準では5マナソーサリー相当、これより軽量ならばデメリットや条件が付与される傾向にある。《ドゥームスカール》は通常では5マナ、予顕により3マナでのプレイを可能とする。これにより、2マナを支払い1テンポ遅らせることで3ターン目でのクリーチャー破壊を実現可能とした。手札破壊や手札公開の回避という面でも予顕を持つことは恩恵は大きいだろう。

先に土地を2枚寝かせる3マナ全体破壊に対して、後に土地を全部寝かせる《バントゥ最後の算段》を見比べるのは面白い。

ドゥームスカールとは、カルドハイムに存在する10個の世界がお互いに衝突することにより生じる現象で、それに伴い住民同士の争いが生じる「世界の終末」。北欧神話における世界終末の予言ラグナロクに相当する。この「予言」に対して最高神オーディンはヴァルキリーを使い勇敢なる戦士の魂を集めるなど回避策を練っていたのである。

そして訪れたラグナロクでは、神々と巨人による死闘が繰り広げられ、オーディンやトールといったアース神族を象徴する神々を始め、ロキに巨人族、ロキの子であるフェンリルたち怪物もほとんどが死に絶え、スルトの炎により9つの世界は滅び去る。

その後、生き残った神と人間の男女一組による新たな世界の始まりで北欧神話は幕を閉じる。




神話レア

《星界の神、アールンド》//《囁く鴉、ハーカ》

青の神は5マナ1/1にして手札参照。つまり《マロー》。マーク・ローズウォーターはMTGの神である。(アールンドは手札だけでなく、予顕しているカードも参照。)

自分ターン終了時に指定したカードタイプを最大2枚手札に加える能力。手札増強と自身のサイズ修正に噛み合っているが、不確定要素が強く期待しにくい。占術できれば・・・。

囁く鴉、ハーカは2マナ2/3飛行とクリーチャーとして非常に優秀。しかし、攻撃が通ると手札に戻ってしまう。おまけに占術2。この占術は手札に戻る能力にくっついているため他の手段では使いようがない。

序盤は優秀なハーカ、充分な手札が揃ったらアールンド。複数枚来てもハーカでアールンドのサポートに回れるといった構成だろうか。

肩に鴉を乗せたご老人。隻眼ではなさそうだが、片目だけ光っている。そして、手札=知識を求める能力。これでもかといったほど直球なオーディンである。裏面がグングニルでなく鴉なのはより青らしさを強調するためだろうか。

オーディンに付き従う2羽のワタリガラスフギンムニン。朝に飛び立ち、夜に戻ってくると世界中空集めた情報を耳元でささやくという。1羽だけのハーカは大変そうだ。

耳元で「バーカ」と囁く鴉のネタは公式4コマでやると思う。

《アールンドの天啓》

定期的に登場する青の追加ターン呪文。今回は7マナでソーサリー。おまけに鳥トークンを生成する。こちらではきちんと2羽。追加ターンを得たのに1ドローして土地アンタップするだけで終わりとはならないのが特徴だろう。

予顕に回してもさほど6マナで軽くなることはない。幸いなことにスタンダード内でも土地加速は充実しているので実践の余地はある。

再利用防止措置である追放が唱えた時の効果なので、墓地に置いておいての悪用は気付いたもん勝ち。ティボさん、聞こえますか。

《万物の姿、オルヴァール》

あらゆる姿を持つ多相にして、あらゆるパーマネントをコピーする神話クリーチャー。インスタント・ソーサリーで対象に取るたびにそのコピーを生成する。自分の呪文自分がコントロールするオルヴァール以外のパーマネントを対象にしなくてはならないことと、インスタント・ソーサリーのみなことには注意がいるだろう。オーラでも変容でも誘発しない。

この手の能力では極めて珍しく土地すらもコピー可能。というか、土地のコピートークンを生成するカードを他に知らない。トークンカードとして基本土地カードを使うのは混ざって面倒なことになるからやめておこうね。

さらに、オルヴァールが対戦相手に捨てさせられたときにもコピーが誘発。こちらでは対戦相手のパーマネントもコピー生成が可能。手札破壊能力を持つパーマネント、特に《クロクサ》への強烈なカウンターとなる。やはり土地もコピー可能なのでマナ加速しても良い。




レア

《セルトランドの精霊術師》

特定のカードで構成される「テーマブースター」収録。日本語版が発売しないのだが、「セットブースター」にもテーマに基づいた内容が収録され、こちらから登場することがある。

7マナに追加コストまで要求する8/8。追加コストは巨人カード1枚の公開か、(2)マナの『ローウィン』方式。
攻撃するたびに手札からインスタント・ソーサリーをコスト不要で唱える能力は、打ち消し呪文を筆頭に相手の行動に応じて動く手札を構えるコントロールデッキには不向き。より重い呪文を踏み倒すにはやはり重すぎる。むしろ《セルトランドの精霊術師》を踏み倒したい。

北欧神話に登場する巨人族ヨトゥン。日本語では「霜の巨人」と称される、大自然の破壊を象徴する存在。極寒の地ヨトゥンヘイムに住む。神々とは敵対関係にあるのだが、時として交流を、それも血縁関係を結んだり、ロキのように霜の巨人の血筋でありながらアース神族として加わる者まで居り、神との境界は実に薄い。

「霜の巨人」のイメージ通り、創作物では氷属性な巨人で登場することは多く、過去には《霜のタイタン》というそのものずばりなクリーチャーが存在する。

《リトヤラの反射》

通常版 バンドルプロモ

部族サポートエンチャント。10の領界それぞれに部族が住むカルドハイムは部族テーマのセットと言っていい。純粋にクリーチャー2倍は部族シナジーを考慮しなくともゲームをぶっ壊す。

例によってすべてのクリーチャータイプを持つ多相とは相性が良い。多相の初登場となった『ローウィン』ブロックでは、多相に加えてクリーチャータイプを持つ部族カードが存在する。相性の良さそうなカードを遡って探してみるのもいいだろう。

《星界の軍馬》

4マナ3/3瞬速・飛行というサイズも戦力も充分なクリーチャー。しかし、スタンダード内には瞬速持ちの優秀なクリーチャーが多く、《星界の軍馬》に頼らなくても良さそうなのがむしろ欠点である。

予顕サポート能力は1マナ軽減とどのターンでも使用可にする便利な物で、自身も予顕を持つ。伝説のクリーチャーでもおかしくないカードなのだが、自身が持つ予顕サポートを存分に受けることができ、4枚積みも視野に入る。

最高神オーディンの愛馬スレイプニル。8本の足を持つ最高の軍馬と称される。《星界の軍馬》もイラストを見ると6本足である。

アース神族が人間の住む世界ミッドガルドを建築している頃。石工が神々の元へと訪れた。ミッドガルドを囲む城壁を建造する代わりに報酬として太陽と月、そして女神フレイヤとの結婚を求める。そこで、ロキは「誰の助けも借りず、半年間で仕事を終えるなら」と条件を付け、石工は石の運搬に馬スヴァジルファリを使用していいならばと交渉が成立する。

この石工、無茶を要求するだけあって相当に仕事が速い。期間内での完成が迫り、神々は条件付きで許したロキを責め立てる。そこでロキは牝馬へと変身、スヴァジルファリを誘惑することで妨害工作を仕掛け、見事に性交する。

石工は期間内での完成が不可能だと悟ると、怒り出して巨人としての正体を現す・・・が、トールにミョルニルで粉砕された。

こうして神々は良質な城壁を無料で獲得。ロキはスヴァジルファリとの子を出産、オーディンの愛馬スレイプニルとなった。

《隆盛するスピリット》

氷雪マナを使用し強力な戦力へと隆盛していくスピリット。

第1段階の2/3ではまだ物足りないが、第2段階は4/4でサイズも充分な飛行。第3段階になると+1/+1カウンター2個とドロー能力を獲得。《隆盛するスピリット》だけでも勝利が見えてくる。氷雪4マナ支払うごとに+1/+1カウンターを稼げるようになるので、隙を見つけたら乗せ続けていいだろう。

注意点としては、クリーチャータイプが条件となっているので順番通りに起動していかなければ強化されていかないこと。逆に言えば、クリーチャータイプさえ満たしていれば段階を飛ばして起動できる。つまり、多相を持たせれば・・・?

1マナ1/1に起動するごとに強大な存在へとなっていくクリーチャーは『イーブンタイド』の《運命の大立者》が始り。その後、『運命再編』に《始りの木の管理人》が登場している。
両者とも構築実績がある強力なクリーチャーなので《隆盛するスピリット》への期待が隆盛っていくだろう。

《竜巻の召喚士》

7マナ7/7に手札から唱えていた場合に大規模バウンスを行う巨人。同族である巨人とウィザードと土地は免れる。自身が残るのはいいのだが、特に汎用的な部族であるウィザードを含んでいるのが厄介で、取りこぼしが多発しかねない。
昨今の土地へ介入するカードを減少する方向性に加えて、7/7と充分なサイズがあるためか、土地バウンスは許されなかった。

《神秘の反射》

今回の明らかにやべえ枠。「次に戦場に出る」クリーチャーかプレインズウォーカーを、対象の「伝説でない」クリーチャー1体のコピーにしてしまう。

特に複数のトークンを生成するカードとの相性が異常。出てくるトークン全てを同一のクリーチャーにしてしまう。戦場に出た際に誘発する能力(CIP)持ちをコピーすれば増やした分だけ誘発する。つまり、戦場に出た時にトークンを生成するクリーチャーを増やすと戦場がトークンまみれになる。

さり気に対戦相手にも機能し、例えばプレインズウォーカーを出して来たら1/1苗木に変換するといった妨害が行える。予顕は本当にトラップカードのようだ。

《航海の神、コシマ》//《領界船》

テキストが長い女神。自分アップキープ時に追放され、土地を出すたびに航海カウンターを置いてもよい。置かなかったら航海カウンター分の+1/+1カウンターとドロー。

要は、カウンターとカードを獲りに漁へ出る神様である。「上陸」を軸とするデッキならば一気に稼ぐことができるが、明朝アップキープ出航で即効性はない。

《領界船》は2マナ搭乗1にして3/3と良好な機体。これ自体に限らず機体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたびに点数分のライブラリー追放、その中から土地を漁獲する。陸の漁師。

コシマ自身のサポートを考えずとも土地限定の衝動的ドローとして優秀である。かと言って調子に乗り過ぎてセルフライブラリーアウトに陥るのは注意したい。乱獲による漁業資源枯渇問題はゲームの中でも同様に発生する。

追記修整:普通に読み違えてた。乱筆による脳内資源枯渇問題はブログ運営上重要な課題となっている。

北欧神話の海の神にはエーギルニョルズが該当する。

エーギルは海難、自然としての海を司る。戦場での死者がオーディンの元へ行くように海上での死者はエーギルの宮殿へと行くという。エーギルは妻ラーンとの間に様々な形へと変化する「波」を象徴する9人の娘「波の乙女」がおり、彼女らと海底の宮殿に住み海を支配しているという。

ニョルズはエーギルが自然としての海なのに対し、人間の営む場としての海、航海を司る。豊穣神フレイ、フレイヤ兄妹の父にして海の豊穣を司る神である。

コシマの航海により荒々しさと手札をもたらす能力はこの両者が入り混じったものだろう。

《領界船》については、北欧神話では神が所有する伝説となるにふさわしい船がいくつか登場する。しかし、フレイが持つ神々全てを乗船できるほどの大きさながら折りたたんで運べる魔法の帆船、ラグナロクの際に巨人や死者を乗せて攻め込んでくる船で、漁船となるとちょっとわからない。

イラストを見るにヴァイキング船の独特な形状をしていることがわかるので、神話にこだわらずヴァイキング要素として採用したのかもしれない。

《彫像の伝承》

5マナ3ドローインスタントカルドハイムにて氷雪強化された《ジェイスの創意》。支払った氷雪マナ分最大5の占術を行ってから引く。

この手の重いドロー呪文はコントロールデッキがゲーム中盤から終盤での手札補充が役割で、デッキに1~2枚採用したいカード。そこに占術で質まで高めることができるわけで相当に強い。あとは、青系統の氷雪コントロールが存在し得る環境の速度なのか次第だろう。

《氷砕きのクラーケン》

クラーケンはノルウェーやアイスランド、つまりは北欧の沖合発祥の怪物。つまりは、原点回帰という事になるらしい。

12マナ8/8という圧倒的な体格を持つが、氷が大好物らしく氷雪土地の分だけ軽量化し最小で2マナ。サイズは申し分ないが回避能力は一切ない。

そして氷雪土地3枚と共に手札に戻ってくる。出し直すのは大変なので本当に緊急手段だろう。それとも一気に手札4枚も増えることに着目するか、上陸を誘発できるとみるか。




神話レア

《嘘の神、ヴァルキー》//《星界の壊し屋、ティボルト》

黒の神は2マナ2/1でクリーチャー限定の追放手札破壊。(ナイトメア能力と言って伝わるのだろうか。)さり気に全ての対戦相手で統率者戦への意識を感じさせる。

おまけに、マナコストを支払ってそのコピーになる能力。ターン終了時までではない。戦場に出た時の能力こそ誘発しないが、手札を1枚完全に奪う形となるので相当嫌らしい。

そして、裏面はまさかのティボルト。7マナと相当重い。黒赤のプレインズウォーカーは(アングラスこそ登場したが)数の少なさが嘆かれており、かつてオブ・ニクシリスと共に適正があると語られた彼がついに登場することとなった。

常在型能力で追放したカードを色無視でプレイ可能とする紋章を獲得し、各忠誠度能力もそれぞれ異なる場所からの追放能力でこれをサポートするもの。

正直未知数である。相手依存のカードは弱い傾向にあるが・・・。

嘘の神、ヴァルキー(とティボルトの肩書)はその名称、変身能力から北欧神話のロキに相当するとみて間違いないだろう。

神々の敵である巨人の血を引きながら、オーディンと義兄弟となり神々の地アースガルドへと住むことを許された異端の神。狡猾で悪戯好きな側面が強く、特技である変身能力を駆使して物語を引っ掻き回すトリックスターの代名詞。ドヴェルグ(ドワーフ)を騙しグングニルやミョルニルといった著名な武具を作らせる、牝馬に変身して馬と子を成し、それがオーディンの愛馬スレイプニルになるなど、神々の利となる行いもするが・・・。

(この辺は昔読んだ本の記憶を頼りに記述。)あるとき、巨人がアスガルドへと訪れる。「神々はかつて恩がある」と主張し滞在するが、それを疎ましく思い罪を被せ殺してしまう。
ロキはその亡骸から心臓を喰らうとアースガルドを飛び出し、巨人の地ヨトゥンヘイムへと向かう。
その後、巨人アングルボザとの間に3人の子を成し、アースガルドへと帰還。しかし、3人の子はいずれも怪物だった。大狼フェンリルは繋ぎ止められ、毒蛇ヨルムンガンドは海へと捨てられ、半死人ヘルは死の国ニヴルヘイムへと追放されてしまう。(この辺終わり。)

オーディンの息子であるバルドルは死を彷彿とさせる悪夢に苛まれるようになり、その身を案じた母フリッグにより世界中の存在と傷つけられないように契約を交わす。
しかし、ロキは唯一ヤドリギだけが契約を交わしていないことを知ると、盲目の神ヘズをたぶらかし、バルドルをヤドリギで貫かせ殺させてしまう。
世界中が悲しみに暮れる中、ニヴルヘイムを統べるヘルは「世界中の者がバルドルの死に涙するなら蘇生させる」と約束すると、ロキは巨人へと変身、ただ一人泣かないことでバルドルの死を決定的なものにする。

神々の宴の場でロキは集った面々を侮辱し「世界を炎が覆う」といったラグナロクを彷彿させる言葉を残しその場を去る。バルドルの件も合わせて溝は決定的なものとなる。ついにロキは囚われの身となり、毒蛇の液滴る岩へと繋がれてしまう。

そして、戒めが解かれると巨人を率いてアース神族との対峙に赴き、「ラグナロク」が勃発する。

世界の終焉であるラグナロクの大きなきっかけをこれでもかと作った存在だが、その動機がいまいち不透明。とにかく物語をかき回す存在なのがトリックスターと称される所以である。

追記:ショーケース版《星界の壊し屋、ティボルト》はカード名のルビがミスにより「ほしかい」となっているが「せいかい」がせいかい(氷雪)

他にもミスが告知されているので確認する様に。(公式サイト

《撲滅する戦乙女》

4マナ4/3飛行、絆魂にプレインズウォーカーからの呪禁。鹿にならないが、鹿にしてくる奴がいない

さらに、誇示で2マナとクリーチャーをコストに各対戦相手もクリーチャーかプレインズウォーカー1体を生贄。基本性能は高くそれほど悪いとは言えないが、同コストで同じく飛行を持ち戦闘を介した生贄能力を持つ《悪ふざけの名人、ランクル》の存在がどうしても引っかかる。部族や対プレインズウォーカーが目立つ面で差別化したい。

4マナ4/3、キーワード能力詰め合わせの神話レア天使。《折れた刃、ギセラ》を彷彿とさせる。

《燃えルーンの悪魔》

悪魔の数字666。飛行持ちでクリーチャーとして充分優秀。

さらに、戦場に出た時に異なるカード2枚を探し、対戦相手1人に選択を迫り、片方は手札へ、もう片方は墓地へ。手札サーチと墓地サーチを同時に行う、黒の神話らしい強力な能力。《けちな贈り物》と同様に「本命カード」+「墓地回収カード」の組み合わせでサーチすれば実質確定サーチとなるのは覚えておこう。

燃え燃えルーン☆

《憑依の航海》

クリーチャータイプ1つを墓地から戦場に戻す呪文。通常は2枚だが予顕なら全部。あまりに豪快だが予顕すると重くなるし、よく考えたら2枚だけでも充分だった、そもそも2枚しかなかったなんてこともあるので出航は計画的に。

過去には《総帥の召集》という【ゴブリン召集】や【ゾンビ召集】を召集しまくってたカードが存在する。同様の部族デッキを考えてみるのは悪くないだろう。




レア

《肉裂きの死神》

特定のカードで構成される「テーマブースター」収録。日本語版が発売しないのだが、「セットブースター」にもテーマに基づいた内容が収録され、こちらから登場することがある。

実に珍しい、4枚目となる黒単色の天使。5マナ5/3飛行+トランプルという攻撃的な性能で、タフネスの低さを墓地からの手札への回収能力で補っている。条件は「天使か狂戦士を戦場に出したとき」。例によって自身がこの両者であるので単体での運用は可能。ライフ3点も許容範囲だろう。

死者の魂を運ぶヴァルキリーは白単色というよりも確かに白黒の方が相応しいだろう。死者の魂を導く様から「死神」と見る向きもあったという。しかし、《肉裂きの死神》はむしろ自ら命を刈取りに来ており、狂戦士の通り、本来の在り方から変わってしまった存在なのかもしれない。
追記:カルドハイムの世界観に関する記事「プレインズウォーカーのためのカルドハイム案内 その2」によると、白の戦乙女は勇敢な死者を導く番人、黒の戦乙女は臆病者を殺す死神という役割を持つ。それぞれヴァルキリーの認識を分けたものだろう。

《血空の主君、ヴェラゴス》

伝説のデーモン。攻撃により2マナで好きなカードを一番上に置くタイプのサーチ能力を誇示する。デーモンなこととコストで《悪魔の教示者》感があるが、一番上である。接死持ちなので攻撃が通しやすいのは魅力的。

さり気に他のプレイヤーにも探させることができるが、探すのはそのプレイヤー自身なので有効活用はしにくいだろう。

《ドローガーの屍術師》

4マナ4/4。対戦相手のクリーチャーを墓地に送らず、氷カウンターを乗せて追放。そして、氷雪マナを任意の色マナとして扱いつつ、唱えるようにする冷凍庫。

単純に墓地対策クリーチャーとして機能するが4マナは若干重いか。

《マーンの戦慄の隆盛》

3マナのトークン生成呪文。ターン中に死亡したクリーチャー分の2/2ゾンビとなる。全体除去の返しになるが、「トークンでない」の一文には注意がいる。

悲哀の徘徊者》や《フェイに呪われた王、コルヴォルド》と《スカイクレイブの影》などによる生贄シナジーをデッキの軸とする【サクリファイス】系統のデッキならば、トークンの生成数確保も使用先も充分で噛み合ったカードといえる。禁止となった「猫かまど」が健在だったらやばかった臭いがする。

《恐怖の神、ターグリッド》//《ターグリッドのランタン》

ターグリッド自身は5マナ4/5威迫の戦闘力。やはりそれ以上に目が行くのはパーマネント奪取。対戦相手が生贄か捨てるたびにそのパーマネントカードをノーコストで戦場に出すという、とんでもない緩さ。

《ターグリッドのランタン》はターグリッドの能力に噛み合った生贄か手札破壊。しなければライフ3点を失わせ逃げ道が全くない。4マナアンタップで再利用が本当にいやらしい。

単体で完成された強力なカード。その上美人。統率者に据えたい人は少なくないだろう。

元ネタがわからない。ダークリッドは影を象徴としていることから名前に「影」の意味を持つとされるスカジ、墓地からのパーマネント帰還は死の国を支配し、死者を蘇らせる権能を持つヘルを思わせるが・・・。しかし、ランタンの方がさっぱりわからない。

ケルト神話における、影の国の女王にして武芸に長けた戦士スカサハに、スカジを影繋がりで習合させたスカサハ=スカディ説の可能性がわずかながらに(Fate/GrandOrder好評配信中)

《死の神、イーガン》//《死の玉座》

3マナにして6/6接死というとんでもねえ死の神。やはり維持コストが存在し、墓地から2枚ずつ追放しなければならない。それでも、アップキープなので最低1ターンは戦場にいてくれる。維持できなく生贄に捧げたら1枚ドローでやけにやさしい。

《死の玉座》は墓地活用、イーガンの維持に役立つ1枚切削に、ドローの起動型能力。たった1マナの玉座。

墓地2枚ずつは決して楽な維持コストではないが、現行スタンダードにおける強力なデッキの一つ【ディミーアローグ】は切削しつつ殴ってくることから強烈極まりないアンチカードとして機能する。あまりに刺さり過ぎて可哀そうになる。

やはり《死の玉座》から死の国を統べる女王ヘルが基となっているのだろう。(イーガンは少年とのこと)

ロキがアングルボザとの間に儲けた3人の子の1人だったが、オーディンにより死の国へと追放されてしまう。そこで、強力すぎて死の国を支配したとも、オーディンの命により支配することになったとも言われる。

3マナで圧倒的なパワー/タフネスに維持コストを要求する《朽ちゆくレギサウルス》を彷彿とさせる。パイオニアなどで共存する環境では競合するようで、手札を要求するレギサウルスと相性が良く、むしろ並べたくなる。

《スケムファーの報復者》

トークンでない他のエルフと狂戦士死亡時にドローへと変換する。それでいて2マナ3/1とアグロ性能が高く、序盤から終盤まで役割を持てる良質なクリーチャー。

ライフ損失は強制、しかも対処しにくい「失う」なので使い過ぎに注意。手札0枚でも勝利することはあるが、ライフ0は敗北してしまう。

『ラヴニカのギルド』収録《真夜中の死神》と非常によく似ている。愛用していた人はその違いに注意したい。(自戒)

《雪上の血痕》

全体除去としては重い6マナだが、支払った氷雪マナ以下のクリーチャーかプレインズウォーカーを蘇生する氷雪ソーサリー。

上限6マナは相当範囲が広く、フィニッシャー級クリーチャーを更地に着地させる事実上のエンドカード。

真冬》も氷雪枠が似合いそうだ。

《夢貪り》

予顕がないカードに予顕を持たせたうえで2マナ軽減と、予顕するたびに+2/+0修正を受ける能力を合わせ持った予顕特化デーモン。悪魔で僧侶は夢を見せる。

予顕するにはしっかり2マナ必要なので単純なコスト軽減にはなっていないが、奇襲性に関しては天下一品。あらゆる呪文がリバースカードとなる。

そして、2マナ以下の無色のカードを大量に予顕送りにし、次のターン以降0マナでプレイしまくったり、手札0枚で機能するカードなどの悪用路線の研究成果はどうなるか。

祖先の幻視》などはマナコストを参照する際には0マナとして扱うが、マナコストを持たないので軽減しようにもマナコストはなく唱えることは不可能・・・のはず。この手の他のカードとの兼ね合いを考慮する必要のあるカードなのでリリースノートを読んだほうがいいだろう。

《激しい恐怖》

選んだタイプでないクリーチャーすべてに-3/-3修正を与える全体除去呪文。逆《魔女の復讐》。

条件付きらしく4マナだが、タイプ指定しても取りこぼす余地に、そもそも修正値が足りないなどの信用性の薄さから単純に全体除去呪文としてコントロールデッキに採用するのは厳しい。部族デッキならば一方的に除去可能で、こちらが主題となるだろう。その場合は同じく4マナかつ一方的な戦場を創ることのできる追放呪文《絶滅の契機》が立ちはだかる。

とにかく全体に打ちたいときには「マイナークリーチャータイプ選手権」が開催される。ブラッシュワグがスタンダードにいることに注意したい。




神話レア

《怒りの神、トラルフ》//《トラルフの鎚》

《怒りの神、トラルフ》は4マナ5/4トランプルに加えて、少しややこしい能力。
戦闘でない過剰ダメージを、他の対象にも与える。火力呪文にトランプルを持たせたようなものとすればわかりやすいかもしれない。全体火力呪文や、赤の発生源のダメージを増やすカードとの組み合わせで致死量のダメージを放つコンボにはロマンしかない。それらとの兼ね合いなどの詳細はリリースノートに記されるはずなので、それを待ってから考えてもいいだろう。

《トラルフの鎚》は装備クリーチャーが伝説でなければ修正値がないが、装備を介して使い回し可能な火力。2マナ、タップ、《トラルフの鎚》をはずすことでそこでも3点、まさに《稲妻の一撃》を飛ばして手札へと返ってくる。かなり元ネタに近い。

使い回し火力《ボガーダンの鎚》を改めて原典へと作り直したような装備品。同様にマナさえあれば何度でも投げつけられるが、装備先がいなければならないのは無視できない欠点だろう。

トラルフは間違いなく雷神トール。トラルフの鎚はミョルニルだろう。

トールはアース神族最強の戦士で、その力はアース神族すべてを連ねても敵わないとされるほど。だが、謀に弱く、策略に長けたロキに誑かされることが多い。その割に関係性はむしろ良好で、二人連れ立って巨人の国へ旅をしたりする。

ミョルニル(トールハンマーとも)は、ロキがドヴェルグ(ドワーフ)を騙して作らせた財宝の一つ。投げつけても手元へと戻る上に一撃で巨人を屠る威力を発揮し、トールの象徴として巨人族に恐れられている。しかしアース神族でも最も力のあるトールをもってしても力を倍加する帯メギンギョルド、鉄の手袋ヤールングレイプルがなければ扱うのはできないとされ、《トラルフの鎚》が伝説のクリーチャーでなければ修正値を受けないのはこれを意識したもの思われる。

トランプルを持つ銀枠火力呪文《Super-Duper Death Ray》、『イコリア』で登場した過剰ダメージをプレイヤーへと与える《炎の氾濫》と、《怒りの神、トラルフ》の能力への布石が打たれていた。

《黄金架のドラゴン》

5マナ4/4に飛行、速攻を持つドラゴンの系譜。その攻撃性能は《雷口のヘルカイト》や《嵐の息吹のドラゴン》など先人たちが証明済み。

攻撃するか、呪文の対象となるたびに宝物トークンを生成し、さらには宝物トークンが生成するマナを2点に増やせる能力で赤らしい一時的なマナ加速を実現。まず1回は殴れるので2マナ分確保できる。つよい。

宝物との関連の深さからやはりファフニールを基にしたドラゴンだろう。

あるとき、オーディンたちは旅の折にカワウソに変身していた人間(ドワーフとも)オッテルを殺してしまう。オッテルの父フレイズマルは神々に賠償金を求め、大量の黄金と魔法の指輪を手にする。
しかしオッテルの兄ファフニールはその魔力に憑りつかれてしまい、父を殺害、弟レギンと分け合うことも拒み逃亡。黄金を守るべく毒を吐くワイワームへと変身する。

その後、鍛冶師となったレギンが鍛えた魔剣グラムを手にした英雄シグルドによりーーー

どうやら原典ではドラゴンと明示されていないが、「爬虫類のような容姿」と「毒の息吹」からドラゴンとして描かれることが多く、ファンタジー作品によく登場する「財宝を貯め込む欲深き竜」の原典となっている。

《揺れ招き》

ライフ回復の阻害。そして、戦場か墓地に《揺れ招き》があれば2点ずつダメージを飛ばす、終末の炎。

墓地での誘発には巨人のコントロールが必要となるが、それにしても破格。例によって最強の巨人《砕骨の巨人》がいることから決して難しくはない。

世界の終焉ラグナロクにおいて一族を率いアースガルドを襲撃する巨人スルト。「霜の巨人」たちとは異なる「炎の巨人」である。ラグナロクの際に南方の灼熱の国ムスペルヘイムから進軍、炎の剣を振りかざし世界を焼き尽くすとされる存在である。
極寒のイメージが強い北欧神話の終焉を告げる「炎の巨人」というあり方から、「自然界の破壊」の中でも極寒の北欧、アイスランドの火山噴火と関連付けられている。

基よりMTGでの巨人は主に赤を中心とした部族ではあるが、『カルドハイム』では青と赤に割り振られたようだ。

《揺れ招き》は伝説ではないが、巨大な剣を持ち、炎を2点ずつ振りまく姿はやはりスルトのイメージだろう。通常版では可愛げのある顔をしているが、フルアート版ではよりそのイメージに近い。




レア

《厚顔の無法者、マグダ》

他のドワーフを+1/+0修正するロード。自身を含めたドワーフがタップ状態になるたび宝物トークンを生成。要は、殴りかかればいい。宝物トークンは純粋にマナ加速として機能するだけでなく、5つ生贄に捧げればライブラリーからアーティファクトかドラゴンを直接戦場へ探し出す。ありったけの夢をかき集めて捜し物探しに行け。

総じて、ドワーフの部族デッキを組むには充分魅力的な性能が備わっており、それまでドワーフたち控え目過ぎたが故に許されていた《ドワーフ徴募兵》が市場から姿を消すこととなった。

童話などに登場する小人であるドワーフは、北欧神話に登場する妖精「ドヴェルグ」がその起源とされる。洞窟に住み、工芸に長けるといった特徴も北欧神話のものである。

しかしカルドハイムのドワーフ、少なくともマグダは、北欧神話と同じくテーマとなっているヴァイキングが持つ「財宝を求める野蛮な略奪者」といったカードで、両者を掛け合わせた存在のようである。ドラゴンとの関係性も公式記事で語られることだろう。

《セルトランドの投げ飛ばし屋》

特定のカードで構成される「テーマブースター」収録。日本語版が発売しないのだが、「セットブースター」にもテーマに基づいた内容が収録され、こちらから登場することがある。

攻撃するたびに《投げ飛ばし》を行う巨人で、さらに生贄に捧げたのが同族である巨人ならばダメージが2倍になるという投げ飛ばし屋を名乗るにふさわしいクリーチャー。「友情よりも勝利。」《豪腕のブライオン》に強力なライバルが登場した。

現環境を代表する巨人《砕骨の巨人》でも充分すぎるダメージを飛ばせるので巨人デッキを構築するなら一考の余地はある。というか巨人は投げたいだろ。

《災厄を携える者》

4マナ3/4で巨人にしては控え目なようで、巨人のダメージを2倍にする本当に災厄持ってくる奴。この能力により、実質パワー6である。巨人クリーチャーのパワーが全部2倍になると考えてもいい。

同セット《揺れ招き》のダメージが倍になるだけでも世界の危機。相性の良さから巨人デッキを構築するなら採用に値するだろう。
同じく《セルトランドの投げ飛ばし屋》とも相性が良いが、巨人は中~高マナが多いので並び立て投げつけるのは難しい。

《ティボルトの計略》

極めて稀に、忘れた頃に登場する赤の打消し呪文。しかし赤。単純に打ち消すわけもなく、特に《ティボルトの計略》は赤の混沌を象徴とする無作為な変身呪文に近い。

まず呪文のコントローラーは1~3枚無作為に切削する。おそらくこれは自分の呪文を打ち消すことによる、ライブラリー操作、占術などによって積み込んだカードを踏み倒すコンボを防止するための措置だろう。

その後、打ち消した呪文と異なるカードをマナコスト不要で唱えてもよくする。

単純に打ち消すだけなら青に頼ればいい話になってしまうので《ティボルトの計略》が赤であるという最大の特徴をどう考えるかによるだろう。もちろん、切削を乗り越えてなお踏み倒すコンボを考えるのもいい。俺たちはティボルトの計略に嵌っている。

《無謀な船員》

装備品+機体分の2/1トークンを生成する呪文。さらには装備品をそれぞれつけさせることまでできる。1~2体生成できればいい方だろうか。

トークンはドワーフなので《厚顔の無謀者、マグダ》と相性が良く、機体があればマグダの能力も有効活用できる。

極論、装備品と機体だけでデッキを構築し、クリーチャー分を全部《無謀な船員》に委ねた無謀な構築が試されるかもしれない。

《ツンドラの噴気孔》

プレイヤーに通らない3マナソーサリー4点火力。これだけなら正直微妙なのだが、氷雪マナを支払った分無色マナで返ってくる。実質0マナ

とは言っても、無色マナを使い切るのは意外と難しい。無くならないとは言ってもターン終了時までなので持ち越しはできない。それとソーサリーなあたりなんとか正気を保っていたようだ。

ちなみに、氷雪マナは氷雪パーマネントが生成するマナなので氷雪ソーサリーである《ツンドラの噴気孔》が生成するマナは氷雪マナではない・・・のだが、あくまで氷雪呪文が登場するカルドハイム前の話であり、リリースノート待ちとなるだろう。

《龍族の狂戦士》

2マナ2/2先制攻撃と、もはや珍しくなくなった強くて赤い熊。誇示を軽減するサポート能力持ちではあるが、並べにくい大型クリーチャーの代表ドラゴンの頭数分である。

誇示するのは能力をサポートするドラゴントークンの生成。5マナ5/5飛行でコストに見合ったもので、自身が持つ誇示コスト軽減によってよりコストパフォーマンスは高まっていく。

先制攻撃により序盤から攻撃しやすく、ゲームが長引いたらドラゴンを呼び起こしフィニッシャーにも転じる。まるで無駄がない良質なクリーチャー。他に有力な誇示持ちがいれば優先度は高まるだろう。

《傷頭のアーニ》

頭に何か刺さったままの本当に狂戦士。3マナ3/3にして速攻という極めて優秀な戦闘能力だが、トロールに頭突き一発で勝つには足りないだろう。

そこで誇示するのは、1マナでパワーを戦場最強にする能力。自分クリーチャーの中から選ばなければならないが、既に戦場に出ているクリーチャーの打点にアーニが+1で加わり、速攻で一緒に殴ってくる戦法となる。

アーニ自身が誇示のパワー参照から外れていることと、誇示は1回しか起動できないので無限マナからの無限パワーにならないことには気をつけよう。

彼の武勇伝は英雄譚として語り継がれている。

《語りの神、ビルギ》//《芳醇の角杯、ハーンフェル》

呪文を唱えるたびに赤マナを注ぎ、誇示を2度謳いあげる語りの神。

赤マナはターン終了時まで無くならず、攻撃時にしか使用できない誇示に賄うようになっているが、呪文を唱えなければいけないのでマナ自体は増えにくく使いやすいとは言い難い。

それでも危険な臭いは消しきれない。赤にも手札入れ替え呪文や衝動的ドローといった手札増強カードが増えて言っているので広いカードプールを見渡せば悪用される可能性はある。

《芳醇の角杯、ハーンフェル》はまさにその衝動的ドロー。マナ無しで不要札を2枚に変換できるので効率は良いが、5マナと重め。

ビルギは自慢好きでいくつもの領界を渡り歩きそのカリスマ性から常に注目の的となるとのこと。そのようなイメージはないが、やはり「語りの神」である以上、北欧神話における詩の神ブラギに相当するだろう。卓絶した雄弁を持つブラギならばカリスマ性も注目の的になるのも頷ける。

ブラギの象徴としては竪琴になるが、ビルギは杯となっている。とはいっても杯、というより酒に関してはそう遠くはない。

アース神族とヴァン神族による神々同士の戦争の終わり。和睦の証として神々全員が器に唾液を吐きだし、そこからクヴァシルという人間を造り出した。
クヴァシルはあらゆる問いに答えられる知識を持ち、その知識を広めるために旅に出る・・・が、その道中出会ったドワーフの兄弟にを殺されてしまう。
兄弟は2つの桶と1つの瓶に分けられたクヴァシルの血に蜜を混ぜて蜜酒を拵えた。それを飲めば誰でも詩人や学者になれるほどの知識を得られるという。

その後、蜜酒はドワーフ兄弟から巨人スットゥングへと渡り、彼の娘グンロズが見張りをすることになった。知的探求心の強い神オーディンは、蜜酒の噂を聞きつけると、身分を隠して蜜酒の探索に赴き、紆余曲折を経てグンロズの元へたどり着く。
熱心に口説き落とし3夜を共にすると、完全に魅了されたグンロズは蜜酒を3口分だけ飲む許しを与える。性的探求心も強いようだ。
すると、オーディンは2つの桶と1つの瓶それぞれ3つの容器すべてを1口で全部飲み干して逃走

この時グンロズはオーディンとの子を身籠り、生まれたのがブラギだという。
その生誕を地下の洞窟に住むドワーフたちは「詩の神が生まれた」と歓喜し、竪琴造り与えた。

我々の血に等しい手札を注ぎ、新たな知識へと。詩というある意味衝動的な知識へと酔いしれる様は、詩人の神への憧憬を抱くには充分なフレイバーかもしれない。




神話レア

《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》

突然やってきたやべえやつ。新ファイレクシア法務官の一人《飢餓の声、ヴォリンクレックス》である。

6マナ6/6速攻トランプルでシンプルに強い。そしてカウンターだけ2倍となる《倍増の季節》に、対戦相手は半分の季節。あからさまに「ぎらつかせ」に来ているが・・・。

緑の派閥「悪意の大群」は弱肉強食、適者生存、自然淘汰。ファイレクシアでない者をすべて抹殺、究極の進化であるファイレクシアへと取り込む思想を持つ。

公式サイトにかつてのファイレクシア、新ファイレクシアと五人の法務官について解説記事があるので目を通したほうがいいだろう。

背景世界のアイコニック 第2回:新ファイレクシアと五人の法務官

《タイヴァー・ケル》

カルドハイム現地在住エルフのプレインズウォーカー。肉体美を晒している。

常在型能力によりエルフすべてが黒マナ生成可能。[+1]はエルフの強化、[0]で1/1エルフトークン、[-6]でエルフに速攻、エルフを唱えるたびに2枚ドローの紋章と、とにかくエルフ特化。初代《ニッサ》を彷彿とさせる。

タイヴァー・ケルは、エルフの王ヘラルドの弟。兄を模範とし、栄光を求め英雄として生きることを望む。自信に満ち溢れ、戦績を雄弁に語る姿は傲慢すら感じるが、鍛錬により培われた戦闘技術は本物。カリスマ性も持ち合わせ彼の下には多くの者が集う。

自慢の肉体美を晒しているのもそのため。「僕を見ろ!

公式記事ータイヴァー・ケルの創造

《戦闘マンモス》

呪文や能力の対象になるたび手札を頂きマンモス。パーマネント全体に及び影響力は計り知れない。

そして、予顕持ち。最短4ターン目に6/5トランプルのマンモス級マンモス。【緑単】の象徴ともいうべき《恋煩いの野獣》出来事やマナクリ《金のガチョウ》といった1マナに比べて2マナは《漁る軟泥》程度で層は薄く、そこを予顕で埋めつつ4マナでのプレイは狙える。

しかし5マナとなれば我らが《長老ガーガロス》。そうでなくとも《怪物の予言者、ビビアン》と高いカードパワーが控えておりそこから枠が奪えるか。




 

レア

《梢の戦術家》

特定のカードで構成される「テーマブースター」収録。日本語版が発売しないのだが、「セットブースター」にもテーマに基づいた内容が収録され、こちらから登場することがある。

他のエルフを+1/+1修正するロード。タップで緑3マナ。戦術家らしくシンプルで遊びがない。

創作物に多く登場するエルフは北欧神話の「アールヴ」が基となっており、北欧神話を形成する「9つの世界」、その内に光のエルフが住む国「アルフヘイム」、闇のエルフが住む「スヴァルトアルフヘイム」がある。ここから多くの伝承を経て「悪戯好き」や「長命でとがった耳を持つ」「枝を折ったら骨を折る」といった様々なイメージへ分岐していくこととなる。

『カルドハイム』にも森に住む光のエルフと、闇のエルフが存在。既にカルドハイム出身エルフのプレインズウォーカー、タイヴァー・ケルが明かされており、その記事中にはカルドハイムのエルフたちについても触れられている。

公式記事- タイヴァー・ケルの創造

《領界渡り》

通常版 ボックスプロモ

クリーチャータイプをすべて持つ能力、多相。さらには、クリーチャータイプを指定し、デッキの上からのプレイを可能とする。時折登場する《未来予知》のバリエーションの中でも部族特化版。

標準サイズのクリーチャーであることからデッキの軸にするには心許ないが、やはり多相によりあらゆる部族の恩恵を受けることができるので一考の余地はある。『ゼンディカーの夜明け』で登場したパーティーの構成にも役立つ。

まだ世界観に関する記事は公開されておらず予想にしかならないが、「9つの世界」「それぞれに住む部族」といった北欧神話の概念から、「領界」とはこのことを指すのかもしれない。

追記:カルドハイムは世界樹でつながる10個の領界とのこと。

プレインズウォーカーのためのカルドハイム案内 その1

《秘密を知るもの、トスキ》

打ち消されず、破壊不能だが1/1とあまりに貧弱。しかし、クリーチャーが戦闘ダメージを通すたびに1ドロー。トスキ自身の指定でなく、コントロールしている各クリーチャーなのは破格である。

強力な《海賊の沿岸行為》のクリーチャー版だが、強制攻撃、忘れずに。

世界樹ユグドラシルに住むリスラタトスク。梢に住む鷹フレースヴェルグと根を噛む竜ニーズヘッグの言葉を中継し、その内容を誇張することで不和を招いているとされる。北欧神話のTwitter

リスマスに公開された。

《エルフの戦練者》

2マナ2/2、いわゆる「熊」。エルフに特化した性能で、エルフが1体以上出るとエルフトークンを呼び出す。この系統のトークン生成には珍しく、毎ターン1回との制限が欠けられているのには注意が必要。マナ生成能力により展開力に長けたエルフなら致し方ない制限だろう。

7マナでエルフを+2/+2修正と接死を持たせる強力な全体強化能力を持ち、トークン生成の展開力とフィニッシュ手段を合わせ持つ部族デッキを考察するに充分すぎるカード。強力なエルフが揃っているヒストリックで真価を発揮するしれない。

過去には『ミラディンの傷跡』で登場した《背教の主導者、エズーリ》が似たような役割を持っており、エルフデッキのフィニッシャーを勤めた。後に『完成』した

《老樹林のトロール》

トリプルシンボルながら3マナ4/4、そしてしっかりトランプル。この時点で合格点だろう。

死亡するとエンチャントとして戦場に戻り、森が森森となる上に、1マナと生贄で《老樹林のトロール》自身と同等のトークンを生成するオーラとなる。

これと言って弱い点が見当たらない。【緑単】なら雑に突っ込んでいいレベルのカードパワーではないか。

《樹の神、エシカ》//《虹色の橋》

3マナ1/4で警戒を持つマナクリ。おまけに他の伝説のクリーチャーにも警戒とマナ能力をもたらす。

《虹色の橋》は5色のエンチャントで大きく様変わり。エシカの能力を駆使すれば出しやすいだろう。その効果はアップキープ時にデッキからのクリーチャーかプレインズウォーカーの踏み倒し。エシカがめくれたらつらい。

エシカは世界樹を管理、その樹液から「星界の霊薬」を作り神々の超自然的な力を維持している。これは、アース神族に永遠の若さをもたらす「黄金の林檎」を管理する女神イズンが基になっているだろう。

さらに、《虹色の橋》は神々の地アースガルドと地上界にかかる虹の橋ビフレスト。この番をしているヘイムダルの要素も併せ持っているのだろう。

《冬の神、ヨーン》//《霧氷杖、カルドリング》

殴るたびに氷雪パーマネント全部を起こすやべえ神。ヨーンを採用するなら土地はすべて氷雪で統一しかねないほど。しかし、3マナ3/3が1ターン後に攻撃してやっと機能するので意外と悠長で悪用もしづらい。少なくとも、スタンダード禁止となった《荒野の再生》ほどの悪さはしないと考えている。

《霧氷杖、カルドリング》の方も、氷雪パーマネント1枚を墓地からプレイ可能とする能力だが、タップインの制約が課せられなおのこと悪用しにくい。ただし、氷雪であるフェッチランドがもし出てきたらブチギレていい。

元ネタがわからない。ヨーンに関して「気候の神」「並外れた追跡者」と称されている。気候方面では北欧神話で該当する存在は風の神でもあるオーディン、雷神トールとなる。氷雪パーマネントを起こす能力を冬からの目覚め=春の到来と見れば詩神ブラギ、豊穣神フレイの妻ゲルダかもしれないが、「冬の神」と名乗っている以上、むしろ冬を起こす側なのだろう。

追跡術を狩人要素と考えたら狩猟の神ウルと女巨人スカジ。両者は山に住みスキーが得意。しかし、その得物はやはり弓矢。杖であるヨーンとは大きく異なる。

北欧神話は多くの武具が登場するが杖となれば「魔術を跳ね除ける」とされる杖ガンバンテイン。カルドリングは青黒だが呪文を打ち消す能力は全くなく、関係なさそうだ。

《種族の神、コルヴォーリ》//《リングハルトの紋》

4マナ2/4と控えめながら伝説のクリーチャーが3体以上となれば6/6警戒へと跳ね上がる神。なお自身も含める。

さらに2マナ、タップでライブラリーの上から伝説のクリーチャーサーチ。6枚と範囲が広く意識して構築すれば不発は少ないだろう。コルヴォーリ自身の強化条件を満たすうえで役立つ能力な上に、警戒を獲得すればタップを含む起動型能力でもかなり使い勝手が良くなる。

《リングハルトの紋》は2マナで1マナ生成のマナファクト。しかし、使い道は選んだクリーチャータイプか伝説のクリーチャーに制限される。両面カード故に課されたデメリットだろう。

元ネタがわからない。コルヴォーリは活気に満ちて話好き、神々の運命を案じている神とのこと。

猫の戦車や猪での移動のみならず自身も鷹へと変身すると動物とのかかわりの多さや、その美貌と魅力から愛を振りまいた女神フレイヤか。となると、フレイヤの首飾りブリーシンガメンなのかとなるが、どう見ても《リングハルトの紋》首飾りではない。そもそもリングハルトとは何かが説明されればわかるのかもしれない。

コルヴォーリのイラストに描かれている熊、狼、蛇に意味があるならば、熊こそ適合しないが、大狼フェンリル、毒蛇ヨルムンガンド、半死人ヘルの母アングルボザかもしれない。

《エシカの戦車》

対決!猫戦車!!!!!!!

4マナ4/4で搭乗4の機体。戦場に出た時に戦車を引く2/2の猫トークンを2体生成するので単純に4/4クリーチャーとして見ることができる。

その上、攻撃するとトークン1つをコピー。まず猫トークンがいるので対象に困らない。他にも現在スタンダードの緑では、《恋煩いの野獣》や《怪物の代言者、ビビアン》のクリーチャートークンに《金のガチョウ》などの食物トークンと、普通にトークンを扱うことは珍しくなく、仮に猫が壊滅しても使い道は充分用意されている。

同じ4マナには《探索する獣》が存在するのだが、そちらと強みが異なる有力な選択肢である。

愛と豊穣の女神フレイヤは、移動の際に2匹の猫を連れ車を引かせるという。
追記:『ゼンディカーの夜明け』のキッカージェイストークン増やせるな・・・。

《偉大なる存在の詮索》

自分アップキープ開始時に、1つ大きいパーマネント呪文をタダで唱えてしまうエンチャント。デッキ構築段階である程度コストに意識を向ける必要こそあるが、なんと不発しても占術1。4枚積んでも腐らない。

特に注目したいのは両面カード。表裏で異なるマナコストのパーマネントならば、フリープレイの可能性を高めることができる。それと、色への指定も一切ない。具体的に言うと仮に【緑単】でも《》や《霧氷杖、カルトリング》を唱えられる。

《秘密を知るもの、トスキ》を参照。話を大きく盛っていくようにパーマネントを盛る。

《霜の祝福》

4マナで支払った氷雪マナ分の+1/+1カウンターのばら撒き。その後、パワー4以上1体につき1ドロー。採用する以上、土地は氷雪で固めるであろうことから2~3個は置けるだろう。1/1トークンで頭数を増やし、自身は5/5《恋煩いの野獣》との相性の良さが際立つ。しかし、軽くはない4マナでソーサリー。過度の期待はしにくい。




多色

神話レア

《情け無用のケイヤ》

ゲートウォッチのメンバーとなったケイヤ。

[+1]は彼女の象徴ともいうべき幽体化能力。幽体カウンターなるものを用いてクリーチャーが死亡、追放されたときに手札に戻し、1/1の飛行トークンを生成する。オルゾフが増した。例によって最大1体なのでクリーチャーがいなくとも忠誠度稼ぎが可能。

[-3]はシンプルな追放。初期忠誠度5で問題なく使用可能。自衛よりも戦場にいるだけで大きな牽制となる能力。

[-7]はアップキープ開始時に伝説の呪文を踏み倒す紋章。自分の手札、墓地、追放領域と幅広く選択でき、デメリットで追放となる呪文をも使いまわすことができる。改めて強調するが「伝説の呪文」でなくてはならないので採用には注意しよう。とは言っても、ケイヤ自身が伝説なので気にしなくてもいい。

総じて5マナらしい強力なプレインズウォーカー。[+1]でフィニッシャーを守りつつ、[-3]で削いでいく長期戦を視野に入れたコントロールデッキ向けといえるだろう。

ケイヤは「生命は生者のためにある」という信条を持つ、幽霊殺し専門の暗殺者である。かつては次元:フィオーラを統べる《永遠王、ブレイゴ》、次元:ラヴニカを構成するギルドの1つ「オルゾフ教会」を支配する《幽霊議員》たちといった支配者階級の暗殺を成し、良くも悪くも計り知れない影響を与えている。

その彼女が、「死者の魂を確保し世界の終末に備えている」北欧神話の世界にやってきたという、とても不穏な事態になっている。情け無用。

《ニコ・アリス》

テーロスからやってきた槍投げ選手プレインズウォーカー。

Xというコストから忠誠度Xなのかと思うようで、X個の破片トークン生成。2マナ生贄で占術1と1ドローのエンチャントトークン。かつて《仮面使い、エストリッド》がオーラのトークンを生成していたが、純粋なエンチャントのトークンは史上初、のはず。

[+1]はクリーチャーをアンブロッカブルにさせる結構なトンデモ能力だが、手札に戻ってきてしまうデメリット付き。戦場に出た時の誘発型能力を使いまわすことこそできるが、悠長なのは否めない。

[-1]は白が得意とするタップ状態クリーチャーへのダメージを、青要素のドロー枚数で変動させるもの。別途手段がなければ通常ドロー分の2点ダメージだが、破片トークンを用い自前で増やすことができる。

[-1]はシンプルに破片トークン生成。

総じて、特徴である破片トークンを活用する構成で、多くの青系プレインズウォーカーと異なりドローに2マナかかる形となっているのがどう響くか。ニコ本人にそこまで頼らずとも破片トークンを撒いておいて長期戦を視野に入れるのも悪くないかもしれない。

ニコ・アリスのサイドストーリーが公開された。

サイドストーリー第1話:風は何処へ吹いている

《星界の大蛇、コーマ》

打ち消されない6/6。そして、アップキープに3/3の分体を生成する。起動型能力は海蛇という少ない種族を生贄に捧げるものだが、コーマだけでも十分確保可能なので大きな問題とならない。

選択できるのは、パーマネントのタップに起動阻害と、コーマへの破壊不能。打ち消されないのに破壊不能、それも3/3トークンがどんどん増えていくというフィニッシャー性能が高い。コーマが使用されだしたら追放除去の重要性がより増すだろう。なければ勝ちようがない。

ロキがアングルボザとの間に儲けた3人の怪物の1人、毒蛇ヨルムンガンド。他の兄妹と同じく神々の脅威になるとされたことで海へと捨てられたが、人間界ミッドガルドを取り巻くほどの大きさへと成長していく。このことからミドガルズオルムとも称される。

ラグナロクの際には地上へと出現しトールと対峙する。もれなく一撃必殺をかましてきたミョルニルの一撃で死なず、死闘の末ついに斃れるが、毒液によりトールの命を奪う相打ちの形となる。

各アップキープに3/3もの分体を生み出す成長力に、破壊不能。充分にその脅威をカード化で来ているだろう。




レア

《領界喰らい、サルーフ》

3マナ3/3伝説の狼。対戦相手のパーマネントが墓地に置かれるたびに大きくなる成長期。黒緑という色的に成長させるのは難しくないだろう。

さらに、+1/+1カウンターを取り除くことでその個数以下のコストを持つ土地でないパーマネントを追放できる。アップキープ開始時であることカウンターはすべて取り除かなければならないことには注意が必要。それと、3個以上ならサルーフ自身も追放されるようで、しっかり「他の」と書かれている。

伝説の狼の代名詞となるフェンリル。ロキが儲けた3兄妹の長子である、神々に災いをもたらす存在と予言された狼。当初は普通の狼程度だったが、日が経つにつれ大きな力を持ちだしたことから、アース神族は一計を案じ、魔法の紐「グレイプニル」を用いて繋ぎとめることに成功する。「ラグナロク」の際には自由の身となって暴れまわり、対峙したオーディンを喰らった。(余談だが、グレイプニルの材料になったために「岩の根」「女人のひげ」「熊の腱」「魚の息」「猫の足音」「鳥の唾液」がこの世から姿を消したとされる。)

北欧神話には他にも伝説に相応しい狼が存在し、中でもスコルハティはそれぞれ太陽と月を追いかけており、追いついて飲み込んだ時こそが「ラグナロク」の始まりだとされている。サルーフの世界に終末をもたらす予兆じみた能力を考えると、この要素も備わっているかもしれない。

《スカルドの決戦》

『テーロス環魂記』から間を開けずに登場する英雄譚。伝承1で4枚追放し次のターンまで使用可能とする「衝動的ドロー」、伝承2と3では呪文を唱えるたびに+1/+1カウンターの補強を行う。

ドローが苦手な赤白で、4マナ4枚の効率を謡う伝承1を目当てのおまけつきと考えるべきか。

確かに、詩人が語り継いだ王侯の活躍や神話こそが北欧神話である。『カルドハイム』にも相応しいカードであった。

「スカルド」は主にその当時の王や戦士を語る内容の詩、それを詠む詩人を指す言葉である。つまり、《スカルドの決戦》とはラップバトルってことなのだろうか。

《トロールの喚起》

6マナと重い英雄譚。伝承1で土地を破壊し、伝承2で土地回収。そして、伝承3で対象の対戦相手との土地枚数差の分4/4トロール生成。

なんにせよ重く、英雄譚ゆえに悠長。他に使いやすい土地破壊がどれほどあるかによるだろう。だが、現代のMTGは土地破壊にとにかく厳しい。仮に土地破壊デッキが成立したとしても、その理不尽さからそんな未来が見たいとも思えない。

トロールは北欧の伝承に広く登場する妖精なのだが、北欧神話に登場していた覚えがない。

​《ヘラルド、エルフを統一する》

 

時折登場する、作品のサブタイトルのような英雄譚。伝承1で3枚切削しつつ、墓地からエルフもしくはタイヴァーを戦場に出す。該当する《タイヴァー・ケル》はプレインズウォーカーらしく放っておいたらめんどくさいことこの上ない性能で、除去されてからの再利用でも紋章残しての再利用でも回収できたらかなりのもの。

伝承2はエルフ全体への+1/+1カウンター、伝承3はエルフの攻撃にマイナス修正による除去は、共にやはりエルフにマナ能力を持たせ展開サポート、そもそも忠誠度[0]でエルフトークンを生成する《タイヴァー・ケル》と非常に相性が良い。

何て弟思いなんだ・・・。

カルドハイムのエルフは、森のエルフと闇のエルフに分断され仲違いしていたがそれをまとめあげ王を名乗るようになったのがタイヴァー・ケルの兄ヘラルドである。

彼自身も《スケムファーの王、ヘラルド》としてカード化されている。

アンコモン。エルフ、戦士に加えてやはり弟タイヴァーをサーチする。なんて弟思いなんだ・・・。

《ファーヤの報復》

伝承1で4/4飛行・警戒、またしても4マナ《セラの天使》。流石にシンボルは厳しいがそれでもコストパフォーマンスが高い。

さらには伝承2で天使にクリーチャー除去、伝承3で天使に二段攻撃と4マナで強化されていくクリーチャーとして機能する。それでも容易に除去されるトークンは信用性に乏しく、天使デッキでの採用が主となるか。《悪斬の天使》再録はこういう目的もあったんだね。

《リトヤラの熊々》

伝承1で熊(多相)、伝承2で多相の戦士をすべて4/4に。出したトークンが生き延びれば最低でも3マナ4/4のクリーチャー相当する。

そして、伝承3で各クリーチャーが一方的な格闘。皆殺しにしてた上にそのまま一気にライフを削っていく。多相は多相の戦士なので複数狙うのも難しくなたそう。

くまくま。

《霜と火の戦い》

まず伝承1で巨人以外に全体4点火力というソーサリー除去として機能する時点で破格。

伝承2で占術、伝承3で5マナ以上の呪文を唱えると2枚引いて1枚捨てる手札交換、いや増えてる。占術が3と広く、誘発を仕込みやすいのも良い。

巨人を抜きにしても青赤でコントロールデッキを組むなら良質なカードだろう。

《ブレタガルドをかけた戦い》

伝承1で1/1人間戦士、伝承2で1/1エルフ戦士。そして、伝承3で異なる名前のアーティファクト、クリーチャーをそれぞれ量産する。単純にクリーチャーの頭数を増やすのは有効で、誘発型能力を使ったコンボもあるだろう。なにより、アーティファクトもコピーできるというのがとても臭う。

ちなみに、トークンは生成時に指定されているならその名前を、カードのコピートークンならコピー元の名前を。それ以外ならそのトークンが有するクリーチャータイプをカード名として扱う。

《鴉の警告》

「カーッ!」(ライフ2点だ!備えときな!)

「カーッ!!」(手札よく見ときな!あとこれ!1ドロー!)

「カーッ!!!」(いつだって知りたいことは外にある!そうだろ?)

《血空の虐殺》

身に刻まれた英雄譚。かつてイングランドを征したヴァイキングたちもその身に入れ墨を施していたという。

威迫悪魔トークン、攻撃時1枚1点、狂戦士分の赤マナ。十全に暴れまわるには《血空の虐殺》だけではまるで力不足で、やはり狂戦士の部族デッキでこそ輝くだろう。

《ナーフィ王の裏切り》

まず各プレイヤー4枚は切削し、墓地からクリーチャーかプレインズウォーカーを1枚追放。伝承2、3でプレイ可能とする英雄譚。

対戦相手のカードを奪ってもいいし、自分で使い倒したプレインズウォーカーを再利用しても良い。それにしても昨今の青黒はカードを奪いまくるし、色マナ無視で扱いやすいのが多いしで窃盗行為の推奨が目立つ。

《イマースタームの捕食者》

史上2枚目の《吸血ドラゴン》。タップ状態になるたび墓地を喰らい+1/+1カウンターを蓄える。

さらには、他のクリーチャーをも喰らい破壊不能を獲得する。これをタップする。

コストに見合ったサイズに飛行を持ち、継続的に強化可能。その上、破壊不能で除去耐性も充分。生贄の確保だけが問題となる。黒赤が得意とする生贄シナジーとの相性も良好で有力な選択肢となるだろう。

北欧神話における世界樹ユグドラシルの根っこを齧る龍ニーズヘッグ。世界の下層に住みそこへ投げ込まれてくる死者の血をすするとされ、《イマースタームの捕食者》の墓地捕食能力はこれが基になっているだろう。

また、ニーズヘッグはラグナロクを生き延びて死者の肉体を運び飛び立つとされ、これも破壊不能能力に反映されている。




無色

レア

《英雄たちの送り火》

2マナ、タップ、クリーチャーを生贄でマナコストが1大きい同じタイプを持つクリーチャーを直接戦場に出せるサーチエンジン。

制限の課された《出産の殻》である。専用デッキの構築によるクリーチャー同士のコンボを模索してもいいし、純粋にカードパワーの高いクリーチャーを探し出す構築をしてもいい。モダン禁止に至った《出産の殻》のリメイクともあって未知数である。なぜかスタンダードに集った《奇怪な具現》や《悪夢の職工》と組み合わせて考えてみるのもいいだろう。

《仮面林の結節点》

自分の全クリーチャーにすべてのクリーチャータイプを持たせるのみならず、戦場に出る前の呪文の段階、戦場でない領域のクリーチャーカードにまですべてのクリーチャータイプを持たせるアーティファクト。クリーチャータイプの数だけ悪用の道がある

それのみならず、3マナで1体ずつとはいえ同じくすべてのクリーチャータイプである多相を持つ2/2のトークン生成で部族シナジー活用を手助けする。

さあ、パーティーを組もう!!!!!!

《星界の霊薬》

エシカが作り出す、カルドハイムの神々スコーティの力の根源。北欧神話における女神イドゥンが管理する黄金の林檎に相当する。

ライフが初期ライフよりも多ければ1枚の知識を、そうでなければ2点の生命力をもたらす。いずれも長期戦を視野に入れるデッキに噛み合ったものだが、毎ターン2点ずつの回復だけではかなり微妙。絆魂などと併用しドロー効果を狙いたいところ。




土地

レア

小道サイクル

通常版
ボーダーレス版

先立って『ゼンディカーの夜明け』に登場していた、表裏で生み出せる色マナが異なる土地。『カルドハイム』では、黒、黒の4種類が登場する。

禁止まみれ緑青、ヒストリック最強を謳歌する黒緑青、『テーロス環魂記』で大きく強化されデッキを成していた【青白コントロール】、《クロクサ》を筆頭にスタンダード、ヒストリック共に構築される黒赤【ラクドスサクリファイス】など、結果的に見れば環境上位に絡む組み合わせ。意図したものなら大したものである。

トライオームがありながら両面土地が欠けていたがために構築しにくかった3色のデッキが日の目を見ることになるかもしれない。

次元を跨いだサイクルとなったことで異なる環境が描かれた小道サイクルだが、なんとこれを統一した「SECRET LAIR: ULTIMATE EDITION 2」が発売されるとのこと。いやー商売上手いねえ!!!!!!!

《世界樹》

タップインの緑土地。

土地が6個以上ならすべての土地が好きな色を生み出せるようになるあったけえ色ガバ。そして、各色2マナずつにタップ生贄の実質11マナで臨む数の神を戦場に出す豪快な能力。

現在スタンダードには『テーロス環魂記』の神7枚。『カルドハイム』ではまだカードが全て公開されていないが「プレインズウォーカーのためのカルドハイム案内 その1」で挙げられた神が12柱存在する。

過去のセットに遡ると、『テーロス』ブロックに15枚。『アモンケット』に8枚。忘れてはならないのが『灯争大戦』。ここにも5枚あるので計35枚+カルドハイム。全部ぶち込みたくなってきただろう。余談となるが、『神河』の神々はスピリットである。

多相は忘れろ。だが、《仮面林の結節点》は忘れてはいけない。このコンボによりデッキの中からすべてのクリーチャーが登場するようになる。

北欧神話の世界の中心であるユグドラシル。この樹が「9つの世界」を支える土台であり、聖解樹と称される所以となっている。

カルドハイムでも世界樹を中心に10の次元が存在する世界観となっているが、なぜか伝説の土地ではない。これに何か意味があると良いのだが・・・。

追記:現在デザイナーは伝説の土地が持つ戦場に1枚しか存在できず、破壊もしにくい(しにくくした)土地なため、複数枚採用すると手札で腐ってしまう問題点を意識しているとのこと。
フレイバー的には、土地カードはマナとの繋がり・結合を表すもので、土地はその繋がりを複数持てるとのこと。

情報提供ありがとうございました。(以下、ソース及び解説訳ツイート1 ツイート2

なので《世界樹》も世界樹とのマナ的な繋がりを示すカードということになり、これが伝説でない理由という事になる。

《不詳の安息地》

無色マナしか産めないが氷雪土地。

そして、氷雪3マナで4/3警戒・多相のクリーチャーとなる、いわゆるミシュラランド。充分なサイズに部族シナジーを受ける多相で使い勝手は良い。『ゼンディカーの夜明け』収録《這い回るやせ地》も相当な使い勝手だが、やはり多相で大きく差別化できているだろう。氷雪を意識した構成ならより優る。

『カルドハイム』の部族推し、多相の再登場から《変わり谷》が再録されかねないと考えていたが、流石に許されなかったようだ。

《タイライトの聖域》

誰でも神になれる。インターネット空間かな。さらには神に破壊不能カウンター。

通常の構築戦でフィニッシャーの信頼性を高めることができるが、なにより統率者戦でぜひとも使いたい1枚だろう。




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締め

日出ずる国の男子、一度は北欧神話を通るといわれている。





 

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フレイバーテキスト

  1. みんなマグダ見てなぐりゃいいって言うけど機体を期待してもいいと思うんです

  2. ケイヤさんはエスパースタックスで第二のペス勝つしてても強いしヨーリオンとのシナジーがエグい

  3. ヴォリンクレックスは別のエキスパンションのカードが混入しちゃったの?(混乱

  4. 《災厄を携える者》、発生源としか書いてなくない?

    • 脳内でテキストの改ざんが行われておりました
      ありがとうございます!

  5. 完成おめでとうございます
    毎回楽しく読ませていただいております

  6. 領海船が削るのは相手のライブラリーやね

    • 「そのプレイヤーは」の部分が髪の毛と共に抜け落ちてたようです
      ありがとうございます!

今日の手札

ポータル

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