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1094枚目「裏切り」

裏切りの工作員

 

Agent of Treachery / 裏切りの工作員 (5)(青)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
裏切りの工作員が戦場に出たとき、パーマネント1つを対象とし、それのコントロールを得る。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたが、あなたがオーナーではないパーマネントを3つ以上コントロールしている場合、カードを3枚引く。


「お前の秘密が多いほど、お前を手駒にするのは簡単になる。」

2/3

裏切りの工作員は簡単すぎた。





『基本セット2020』のレア。
7マナ2/3という雇うにはコストが重すぎるスパイだが、その実力は確かなもので、対戦相手が出した最も強力なパーマネントを奪い去る。
『ウルザズ・サーガ』初出、『基本セット』第7版から第9版まで再録された《押収》に1マナ足した2/3のクリーチャーなので、性能だけを見れば実はそんなに重くはなかったりする。
 

《押収》

さらに言えば、オーラである《押収》とは違い《裏切りの工作員》を排除しても奪われたパーマネントを取り戻すことは叶わず、永続的なコントロール奪取となっている。
おまけに、手段を問わず手に入れた自分の物でないパーマネントが合計3個以上あれば、ターン終了時に3枚ドローの能力。
そもそも、3個も奪えたらゲームを決しかねないのだが、それをさらに盤石なものとする。
出せれば強い系のクリーチャーなのは間違いないが、やはり7マナは重い。
それでも、なかなか手の出しづらい土地すらも奪える点が大きな強みで、登場時のスタンダードを支配的なものにしていた「スケープシフト」、《風景の変容》のスタン落ち後の「ゴロスランプ」からキーカード《死者の原野》を奪う目的で採用される。
《死者の原野》スタンダード禁止による同デッキ消滅後は、土地を並べ膨大なマナを駆使する青緑、シミックカラーのランプデッキに少数採用される。
元々複数のクリーチャー、プレインズウォーカーを奪える《集団強制》が決め手として採用されており、3枚ドロー能力達成にも現実味がある。
『テーロス環魂記』からは《深海住まいのタッサ》により《裏切りの工作員》を出し直すことで毎ターンコントロール奪取誘発を実現し、これらを併用するデッキが登場。
この頃はまだ「重いがそれに見合った強さがあるクリーチャー」だったと思う。
永続奪取に不快感があったのは確かだが。
そして問題の『イコリア:巨獣の棲処』である。
まずは《軍団のまとめ役、ウィノータ》の能力により、デッキから直接出せる人間で最も強力なものとして注目を集める。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》
急報》や《軍勢の戦親分》などの人間でないトークンを複数並べられるカードから人間ピックアップガチャを開催。
4ターン目からSSR《裏切りの工作員》が登場し、この時点で土地を奪おうものならもう取り返しのつかない差が生じ、それが埋まることもない。
特性上、どうしても運が絡むのだが、それがより一層の理不尽さを演出していると思う。
さらに、《銅纏いののけ者、ルーカ》によりデッキから直接出せるクリーチャーで最も強力なものとして採用、さらに、《空を放浪するもの、ヨーリオン》により再度誘発させるブリンクコンボが確実に行える。
《銅纏いののけ者、ルーカ》 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
デッキ内のクリーチャーを《裏切りの工作員》4枚のみにしておくことで、呪文などで生成したトークンを対象にルーカの[-2]能力を使用すると、確実に裏切り工作が成功する。
発売前の雑記で「エムラクール変身のようなデッキが生まれるのだろうか。」って書いたら本当に出てきたが、《裏切りの工作員》とは思わなかった。
「ジェスカイルーカ」と称されるこのデッキは、対戦相手が出した最強の一手を奪うことで対策を困難にさせ、ついには《裏切りの工作員》(と《創案の火》)のスタンダード禁止へと至らせた。
 
スタンダード
《裏切りの工作員》禁止
《創案の火》禁止
 
パーマネント奪取は不快感のみならず、「このカードは強いし使いたいが、盗まれたらどうしようもない」というデッキ構築そのものへ蓋をする閉塞感そのものの存在となる。
だが、今回ばかりは《裏切りの工作員》が強すぎたというよりも、《裏切りの工作員》を使う手段がお手軽すぎたのが問題ではないかと思う。
スタンダードに存在する《銅纏いののけ者、ルーカ》や《軍団のまとめ役、ウィノータ》のようなマナ踏み倒しに加え、マナ使用の隙を消し去る《荒野の再生》、森のマナが2倍になる《世界を揺るがす者、ニッサ》、青緑の土地追加プレイなどには、従来では見向きもされなくなる「重いカード」を何とか使わせたいというプレイデザインは感じる。打ち消し呪文に対して過剰に強くなる《時を解すもの、テフェリー》もこの一環かもしれない。
しかし、その時点で最強のパワーカードを使い倒す理不尽さだけが残り、結果的に上手くいっているとは思えないのが残念なところである。
 





 

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フレイバーテキスト

  1. 重くて強いクリーチャー+それを早期展開できるカードという悪魔の組み合わせ……
    カラデシュの二の舞になってしまいましたね

  2. 《予想外の結果》《吹き荒れる潜在能力》あたりから、
    プレーヤーにガチャをさせたいのが開発にいるのだろうか

    ランダムを必然にする悪だくみは絶対にされるに決まっているのだが。
    《うつろう爆発》の昔から・・・

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